再配分の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/02 14:08 UTC 版)
小規模な共同体 家族や荘園、古代ローマのファミリア、ゲルマン民族のムント、スラヴのザドルガ、狩猟採集社会の集団でも再配分は行われる。個人の働きによる収穫物や捕獲物も、集団全体で分けられた。 大規模な貯蔵 古代メソポタミアのシュメル、バビロニア帝国、古代エジプトの新王国、南アメリカのインカ帝国などは大規模な貯蔵制度による再配分を行った。食料をはじめとする物資は管理され、共同労働への支払いや食料不足の際に現物で支給された。 領土の拡大と生産物の多様化によって、再配分は地理的に分化した集団を結びつけ、結果として分業を進める効果も持った。 祭礼 祭礼や食物分配の儀礼と結びついたものとしては、アフリカではダホメ王国の貢祖大祭、モシ人の収穫祭であるバスガなどがある。太平洋のトロブリアンド諸島で交易用カヌーが進水すると行うサガリは、カヌーの建造に関わった人々に食物を配分する儀式である。アメリカ大陸北西部のポトラッチのように、裕福な者からの贈与は再配分と関係を持つ。 慈善 東ローマ帝国の再配分は、大土地所有者である教会の慈善と密接に結びついており、イスラームのザカートやワクフの制度にも再配分の面がある。 租税 近代以降に成立した国民国家で行われている租税も、徴集と中央からの再配分となる。
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