傾圧不安定とは? わかりやすく解説

傾圧

(傾圧不安定 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/20 19:12 UTC 版)

傾圧(けいあつ、baroclinity、baroclinicity)とは、流体が等面と等密度面(等面)が交差する状態にあること。傾圧の流体では、等圧面と等密度面を一致させようとする力が働き、流れ(擾乱)が発生する。






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傾圧不安定

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傾圧」の記事における「傾圧不安定」の解説

傾圧不安定は、流体力学における不安定1つで、大気海洋において適用される考え方である。 1つの例を挙げる平らな場所に置いた水槽中に仕切り作って左側冷水右側温水入れたとする。このとき、下に行くにつれて水圧が高い、つまり等深度面(等圧面)が平である一方温度は右に行くほど高い、つまり等温面が鉛直である。ここで仕切りをとると、温水水槽左側の上部に侵入してくる一方冷水水槽右側下部侵入してくる。仕切りをとった時点で、接した2つ傾圧状態、接触面は傾圧不安定となり、直ちにこれを解消しようとしてが動く(=擾乱発生するのである。そして、時間経てば水槽の上暖かく下が冷たい、つまり等温面が水平になり、等深度面と一致して順圧の状態になる。基本的には、傾圧温度不均一解消しようとして起こるものと考えて差し支えない大気における傾圧不安定は主に偏西風波動となって現れる。これを傾圧不安定波という。傾圧不安定波は、温帯(中緯度)の気象現象大きな影響力を持つ温帯低気圧移動性高気圧を、発生させるとともにそれを東向き移動させる基本的な駆動力となる。 大気の中ではトラフ気圧の谷)やリッジ気圧の尾根)が存在しており、中緯度では偏西風乗ってそれらが連なって東へ移動していく。トラフ傾圧不安定波重なると、トラフ東側では南から暖気が、同じく西側では北から寒気流れ込む形で擾乱生じる。これにより、暖気域で上昇気流寒気域で下降気流生じ、下に行くほど東にずれる形でトラフ鉛直軸が傾く。この構造できること擾乱、つまり温帯低気圧発達する850, 700, 500hPa等の高層天気図には、等圧面上に投影した等温線描かれており、等温線込み合っているところは傾圧不安定度が大きいことを示している。

※この「傾圧不安定」の解説は、「傾圧」の解説の一部です。
「傾圧不安定」を含む「傾圧」の記事については、「傾圧」の概要を参照ください。

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