于右任とは? わかりやすく解説

于右任

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/05 01:22 UTC 版)

于右任
プロフィール
出生: 1879年4月11日
光緒5年3月20日)
死去: 1964年民国53年)11月10日
中華民国 台湾省台北市
出身地: 陝西省西安府三原県
(現:咸陽市三原県)
職業: 政治家・軍人・書家・文化人・教育家・ジャーナリスト
各種表記
繁体字 于右任
簡体字 于右任
拼音 Yú Yòurèn
ラテン字 Yü You-jen
和名表記: う ゆうじん
発音転記: ユー ヨウレン
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于右任像
于右任が題字を書いた台北市行天宮

于 右任(う ゆうじん)は、清末民初の政治家・軍人・書家・文化人・教育家・ジャーナリスト。

中国同盟会以来の古参の革命派で、国民政府監察院院長として知られる。名は伯循だが、一般には右任を用いて呼ばれる。筆名は、神州旧主騒心大風剥果太平老人など多数ある。祖籍は陝西省西安府涇陽県[1]

事績

清末民初の活動

1903年光緒29年)、癸卯科挙人となった。しかし政治を風刺したとして、清朝の指名手配を受け、翌年から上海に隠れ住んだ。震旦学院に入学後、学友とともに復旦公学(後の復旦大学)を創設した。1906年(光緒32年)、日本に留学し、中国同盟会に加入した。帰国後の1907年(光緒33年)4月、上海で『神州日報』を創業し、社長となる。この他にも、『民呼日報』、『民立報』などを創始し、革命派の言論・思想を発信した[2][1]

1912年民国元年)1月、南京で中華民国臨時政府が設立されると、交通部次長に任命された。翌年3月に、宋教仁が暗殺されると、袁世凱打倒のために二次革命(第二革命)などに参与した。護法運動が開始された1918年(民国7年)に故郷へ戻り、胡景翼とともに陝西靖国軍を組織して、于右任が総司令となった。1922年(民国11年)5月、于右任は上海に移る。そして葉楚傖とともに国立上海大学を創設し、于右任が校長となった。1924年(民国13年)4月、中国国民党第1期中央執行委員に選出された。同年12月に孫文に随従して北京入りしている[2][1]

国民政府時代の活動

1926年(民国15年)9月、于右任は馮玉祥による五原誓師に参加し、陝西省政府主席となった(ただし、石敬亭が代理)。翌年、国民聯軍駐陝総司令として、北伐に呼応する準備を整えた。4月、蔣介石が南京に国民政府を創設すると、于は国民政府委員(同年9月に常務委員)、軍事委員会常務委員に任命された。1928年(民国17年)2月、審計院院長に任命される。1931年(民国20年)11月[3]、監察院院長に任命され、以後死去するまで30数年に渡り、この地位に終身あり続けた。国民党でも、第1期から第6期まで一貫して中央執行委員に選出されている。また、1938年(民国27年)には、国防最高委員会常務委員に任ぜられた[2][1]

陽明山于公墓所

1948年(民国37年)、于右任は副総統選挙に出馬したが敗れた(李宗仁が当選)。国共内戦が終盤にさしかかった1949年(民国38年)に、于は台湾へ逃れている。翌年に国民党評議委員を兼任した。1964年(民国53年)11月10日、台北市で死去。享年86(満85歳)[2][1]。于は政治家として活動する一方、文化人としても知られ、書・漢詩などで優れた作品を残した。

脚注

  1. ^ a b c d e 劉国銘主編(2005)、19頁。
  2. ^ a b c d 徐主編(2007)、27頁。
  3. ^ 劉国銘主編(2005)、19-20頁と劉寿林ほか編(1995)、417頁による。徐主編(2007)は同年6月としている。

著作

  • 『涇原故舊記』1912年
  • 『變風集』1912年
  • 『右任詩存』1926年
  • 『于右任言行録』1931年
  • 編著『標準草書』1937年
  • 『標準草書範本千字文』1944年
  • 『右任文存』

参考文献

  中華民国北京政府
先代
龔心湛
内務総長(就任せず)
1925年12月 - 1926年3月
次代
屈映光
  中華民国国民政府
先代
(創設)
陝西省政府主席
1927年6月 - 11月
(7月より石敬亭代理)
次代
宋哲元
先代
集団指導制:汪兆銘ら5名
南京国民政府常務委員
1928年1月 - 2月
(集団指導制:汪兆銘譚延闓
胡漢民蔡元培李烈鈞蔣介石
孫科林森
次代
集団指導制:譚延闓ら5名
先代
集団指導制:汪兆銘ら9名
南京国民政府常務委員
1928年2月 - 10月
(集団指導制:譚延闓、蔡元培、
張静江、李烈鈞)
次代
譚延闓(行政院長)
先代
趙戴文
監察院長
1930年11月 - 1964年11月
次代
李嗣璁



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