二階派の拡大路線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/14 08:24 UTC 版)
二階は郵政造反組復党問題で自民党を離党した議員や、民主党などの他党出身者を積極的に自派に引き入れた。無所属議員を特別会員(以前は客員会員)として受け入れ、自民党入党後に派閥の正会員とする。 郵政問題を巡っては、自民系無所属の長崎幸太郎が2013年に、小泉龍司が2014年に二階派特別会員となり、2017年10月に正会員となって復党した。また、自民党を除名されていた綿貫民輔の復党を二階派主導で党に働きかけ、復党を実現させた。 他党出身者では、民主党を離党した山口壮が2013年12月に客員会員として入会し2015年1月に入党した。2016年夏には平野達男元復興大臣が、2017年9月には元みんなの党代表の浅尾慶一郎がそれぞれ自民党入党と二階派入りを果たしている(ただし、他党出身者でも長尾敬(細田派)、松本剛明(麻生派)、鈴木貴子(竹下派)のように二階派以外に所属する例もある)。 2019年1月31日、元環境大臣で旧民主党・希望の党出身の細野豪志が無所属のまま特別会員として入会したものの、その時点での自民党入党は見送られた(2021年10月31日に実施された第49回衆議院議員選挙の5日後である11月5日に入党)。同年の第25回参議院議員通常選挙では、民主党を離党した熊田篤嗣・尾立源幸の擁立を主導した。同年9月5日、鷲尾英一郎が入会した。また、同時期に無所属元職の桜内文城も入会している。2020年7月には長島昭久が入会した。 党内での公認争いも厭わない二階派の拡大路線については、他派の一部からは強い反発があるが、二階は「自民党が謙虚に受け入れるだけの雅量がなきゃダメだ」「仲間がそろってこそ、大きな力になる。それが政治だ。派閥政治のどこが悪いのか」と牽制した。 安倍晋三首相辞任に伴い、2020年9月14日に行われる自民党総裁選挙では二階派の拡大路線を引き継いで内閣官房長官・菅義偉の出馬に道筋を付け、細田、麻生、竹下の主要3派が菅支持に雪崩を打つきっかけをつくった。二階が菅政権誕生を主導し、政権や党の人事で二階派議員が厚遇されたため、反発を生む。 2021年9月に行われた総裁選では当初菅の再選を支持する方向であった。しかし出馬を表明していた岸田文雄が党役員の任期制限を公約に掲げ事実上の「二階外し」を訴え支持拡大を図ると、菅も党役員人事を行い二階を幹事長から退任させる意向を示したが、結果的に新役員人事を決めることができずに総裁選出馬を撤回した。この流れに対し、二階は岸田の案に不快感を示し、会長代行の河村建夫は菅が二階を交代させようとして「自ら墓穴を掘った」と話した。総裁選には自主投票の方針で臨み、岸田以外の全候補に推薦人を貸した。二階自身は支持候補を明らかにしなかったが、会長代行の河村、中曽根は高市の支持を表明した。かつて二階が内閣不信任案に賛成した宮澤内閣の流れをくむ岸田内閣では山口壮と小林鷹之の2人が入閣した。第49回衆議院議員総選挙では引退や落選が相次ぎ、衆議院解散時に47名であった会員数は総選挙を経て37名となったものの、新人議員の加入や元職の復帰などによって同年11月末の時点では40名代前半に回復した。また、総選挙の直後である同年11月5日に細野豪志の入党が認められ、特別会員から正式な会員となった。
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