久高島の漁撈習俗とは? わかりやすく解説

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久高島の漁撈習俗

名称: 久高島の漁撈習俗
ふりがな くだかじまのぎょろうしゅうぞく
種別1: 風俗習慣
保護団体名:
選択年月日 1994.12.13(平成6.12.13)
都道府県(列記): 沖縄県
市区町村(列記): 南城市久高
代表都道府県 沖縄県
備考 所在地同一都道府県内のもの(このデータ種別1から移行しています)
解説文: 久高島は、沖縄本島東南部知念半島東方位置する面積一・三九平キロメートル周囲七・七キロメートル琉球石灰岩からなる細長い島である。かつて琉球王国時代王権祭祀祭場であり、古い習俗や行事をよく残していることでも知られている。
 島では男性漁撈生業とし、その活躍ぶりは、糸満いとまん漁夫とも並び称されていた。
 島の神女組織は、ノロ祝女一村または数統括する神女)を頂点とする根神【ねがみ】・掟神【おきてがみ】のクニガミとよばれる一団の下に、ヤジクという島の全女性で構成する祭祀集団がある。一方、男の役職としては、世襲制根人【ねひと】を頂点とする二、三神役がおり、から配置されるソールイガナシー(竿取神【さおとりがみ】)などがいる。また近代以降行政的に置かれ区長とは別に二人頭【むらがしら】がおり、祭祀およびエラブウナギウミヘビ)の捕獲加工関与している。かつて男子は、一六歳になると納税諸行事への参加義務を負わされた。一五歳の男子をンナグナー(貢納こうのう】用の貝を採る役目の意)とよび、一三歳の男子とともに漁師としての特別の訓練受けた
 漁撈に関しては、ソールイガナシーという男神役が中心的役割を果たす。ソールイガナシーは、竜宮神に通ず役目で、島を二分する久高地域外間【ほかま】地域一人ずつおり、任期は二年であるが、同時任命ではなく交互に在任するようになっている。すなわち、一年目は弟とよばれるが、翌年は兄として指導的立場をとるのである
 このソールイガナシーがかかわる行事だけでも、春の大漁祈願祭「ヒータチ」、三月三日の「三月節供」、さらに同月海神漁撈許しを乞う「ピシクミ」(干瀬踏【ひせふ】み)、一三歳・一五歳の男子漁業訓練をする「三月綱【づな】」、同じく七月の「七月綱」、五、六月の大潮時に海上楽土からの贈り物といわれるキスクアイゴ稚魚)を獲る「キスクマーイ」、十一月十三日集団漁撈の後仮設七つ宿に集まって会食する「アミドゥシ」(綱同士)などがある。いずれの行事祭り大漁祈願をはじめ漁撈訓練共同漁撈漁撈集団集いなどである。
 漁撈方法は、現在では延縄はえなわ】漁や一本釣りなどが多いが、これらの行事のなかの集団漁撈では、古くからの追込み漁主体になる。それに加えて、島では今でも素潜り突き漁、エラブウナギの手掴【てづか】み漁(この方女性も)などの特徴的な漁撈をみることができる。また、キスク太陽の光を受け、銀色大群をなして島の岸辺へ寄るのを、昔の人びとは神からの贈り物考えた。これを「寄り物」といい、海辺の村では人びと分配したものだが、漁撈参加しない者への分配習俗が、今も久高島には残っている。エラブウナギ薫製くんせい加工は、現在も行われている。



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