中国茶器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/20 09:55 UTC 版)
詳細は「中国茶具」を参照 中国茶を淹れるためには数多くの茶器が必要だと考えられていることが多いが、これは茶芸と呼ばれる一種茶道的なセレモニーとして用いられるものである(後述)。一般の中国人は日本人が日本茶を飲むのと同じく、気軽にお茶を楽しんでいる。 代表的な中国茶器は以下のものが挙げられる。なお、これらの茶器ではなく、普通のマグカップや日本茶用の急須でも問題なく淹れることはできる。が、やはり専用のもので淹れたほうが淹れやすい。 蓋碗 - 「ガイワン、がいわん」。蓋のついた茶碗。茶葉を入れて湯を注し、蓋を茶漉し代わりにしてそのまま飲むこともできる。一般的な普段使いの茶器。 茶杯 - 「チャーペイ、ちゃはい」。蓋の無い茶碗。蓋碗や日本の茶碗より小ぶりである。茶芸の席や高価なお茶を楽しむさいには、蓋碗ではなく茶杯を用いる。 茶壷 - 「チャフー、ちゃこ」。いわゆる急須。中国では香りを珍重するため、日本茶を淹れるよりも小ぶりなものが使用される。元は書画に用いる水差しだったという説がある。茶葉が開ききったときに茶壷に茶葉がいっぱいになるように量を調整するのがコツ。ガラス製のものも存在する。陶器や磁器の茶壷は、どのような茶葉にでも使用できる。紫砂で作られたものは、黒茶・烏龍茶に使用するのが好ましく、また同じ茶葉を使い続けるのがいいとされる。 聞香杯 - 「ウェンシャンペイ、もんこうはい」。縦に長細い器。茶の香りを聞くために用いる烏龍茶専用の茶器。使い方は茶壷から聞香杯に茶を注ぎ、その茶は茶杯に移し入れ聞香杯は空にする。茶杯の茶を飲む前に空にした聞香杯に鼻を近づけ、聞香杯から立ち上る茶の香りを楽しむ。 茶海 - 「チャーハイ、ちゃかい」。小型のピッチャーのようなもの。烏龍茶などの場合、茶壷で抽出した茶水を均一に分けるために、一度茶海に入れてから茶杯(小さな湯飲み)に分けるために使用する。 茶盤 - 「チャーパン、ちゃばん」。湯をかけ茶杯や茶壷を温めるさい使用する台。湯が下に流れるようすのこになっている。茶盤は陶器製と木製がある。傷み難く高度な装飾技術が必要な竹製品が高級とされる。すのこの無い茶船は焼き物で出来た大きな器で、茶盤と同じ茶器を温める用途で使用する。 ポット - 中国茶の紅茶も、一般の紅茶と同様に抽出するためポットを用いることもある。 耐熱ガラス - 比較的低温で淹れる緑茶にはガラスコップがよく使われる。茶葉が開いたり、ジャンピングするさまを見て目を楽しませるという用途もある。コップの外側に、竹などで編んだカバーを付けて、手で持っても熱くないようにすることもある。
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