中国本土の料理との違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/29 16:39 UTC 版)
「アメリカ風中華料理」の記事における「中国本土の料理との違い」の解説
アメリカ風中華料理では通常野菜を副菜もしくは付け合わせとして用いるが、伝統的な中国料理では野菜が主役となることも多い。 炒める、揚げるはアメリカ風中華料理においては非常に多く用いられる料理技法であり、中華鍋(鑊、wok)を用いて行われる。 アメリカ風中華料理には風味を増すために大量にグルタミン酸ナトリウム(MSG)が使用されているという噂がある。中華料理店症候群もしくは「グルタミン酸ナトリウム症候群」とはMSGに過敏に反応する症状を指すが、MSGとこの症状の関連を否定する研究結果もある。しかし、市場や消費者は多くのレストランに MSGを使用しないよう求めている。 アメリカ風中華料理は中国本土にはない食材や、中国本土ではほとんど使用することのない食材を頻繁に用いる。例として、アメリカ風中華料理では中国ブロッコリー(カイラン、芥蘭 - jièlán)の代わりに西洋ブロッコリー(xīlán、西蘭)が用いられる。 トマトは新大陸の植物であったため、トマトが中国料理に取り入れられたのは比較的最近である。トマトをベースにしたソースは「beef and tomato」のようなアメリカ風中華料理に見ることができる。アメリカ風中華料理における炒飯もまた作り方が異なり、香りづけのため中国本土の炒飯ではあまり使用しない醤油を多く加えている。点心(Dim sum)のような食事スタイルもまたアメリカ人の好みに合うよう導入されたものである。 アメリカ人の味覚に合わせた料理法のアレンジとしては、炒めものに衣をつける、醤油を多く使用するなどがある。炒めものでは白米の代わりに玄米を使用する。また、乳製品はほぼ必ず伝統的な中国料理では排除されているにも関わらず、粉チーズを混ぜた米を使用することもある。 寿司や刺し身を含む日本料理とは対照的に、生もしくは調理していない材料を用いたサラダは伝統的な中国料理ではまれであった。しかし、アメリカ風中華料理店でも高級店を中心に客の要望に応えてこれらの食材を用いた料理を提供するようになっている。 マサチューセッツ州のウェルズリー(英語版)で中華料理店を経営するミン・ツァイ(英語版)は、「アメリカ風中華料理は中国料理を単純化したものであり、アメリカ人に合うよう口当たりがよく、甘く、濃厚な味付けにしてきた」と語る。 ほとんどのアメリカ風中華料理店では非中国人利用者に向けて英語で書かれたメニューもしくは写真をつけたメニューを提供している。中国語メニューには、通常アメリカ人が敬遠するような臓物や鶏爪(英語版)のような珍味、もしくはその他の肉料理も載せている事が多い。
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