不十分な性教育
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 21:26 UTC 版)
「リプロダクティブ・ヘルス・ライツ」の記事における「不十分な性教育」の解説
日本では明治時代に制定された性犯罪に関する制度の継続により、13歳の中学1年生から性行為に同意する能力があるとしている。日本国政府は2020年度より、幼稚園、小・中学校、高校、大学で「生命の安全教育」という新しい教育を始める方針を示したが、引き続き性行為や避妊は取り扱わない予定とされている。若年層の妊娠出産が年400件で推移する沖縄県では、医師と児童相談所所長が、中学終了まで一定程度の性教育の必要性と、性的同意の重要性を説いている。 東京都では高校生に対する性教育は、東京産婦人科医会に依頼されて、高校の所在する地域の医師が派遣されるが、約 200余の都立高校のなかで平成29(2017)年は32校にしか過ぎないと報告されている。しかし日本性教育協会の青少年の第5回性行動全国調査によると、交際相手のいる中学生で1割、高校生では男子7割と女子5割、大学生では9割以上がセックス経験がある。初体験の相手は中学生では自分と同い年、恋人が増加している。性行動が低年齢化が日常化によって進行していると言われている。 内閣府の男女共同参画局の平成30年3月公表 「男女間における暴力に関する調査報告書」によると、これまで結婚したことのある女性のうち、配偶者などから、「身体的暴行」「性的強要」などの暴力を受けたことが「何度もあった」人はおよそ7人に1人がくり返し暴力を受けた経験がある。 なお1999年(平成11年)6月低用量ピル承認により懸念された性感染症については、ピルが承認の1999年のHIV感染者は日本人男性379人(うち同性接触195人)、女性が45人であり、2019年では同男性741人(うち同性接触575人)、同女性29人となっている。2019年淋病は男性が6,467人、女性が1,738人で男性は2000年の14,196人より減少、女性も同年2,730人から減少している。 梅毒は、2019年に男性4,384人、女性2,255人となり、2010年では男性は497人で同水準、女性は同年124人減少だったものが一転し2019年では2255人と増加傾向にある。しかしながら、以上の解禁後の数値経過によりいずれも低用量ピル解禁により懸念されていた、女性に性感染症が増大した事実はない。 なお性器ヘルペス以外の性感染症は、全て男性が多く罹患している。梅毒の増加については、性風俗店を利用する中高年の男性や、そこに勤める20代の女性から感染が広がっているとみられている。男女ともに年齢関係なく、正しい性知識の普及が必要である。
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