不動産証券化の種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 03:32 UTC 版)
不動産投資信託 (REIT real estate investment trust) オフィスビルや住宅、商業施設などの保有物件からの賃貸収入・売却収入を小口に分配する仕組みである。配当可利益の90%超を投資家に分配し、かつ3人以下の投資家の保有が決算期末に50%を超えない場合は、分配にあてる所得を損金算入できる。 日本では2001年に登場し、低金利で投資対象に困っていた地銀などが積極的に購入して規模が拡大した。2006年現在の購入の主体は銀行、投資信託、外国人などである。資金源については、日本国内の低金利資金が、いわゆる円キャリートレードで海外に流れ、それがさらに日本に逆流しているという指摘もある。2006年末で利回りは低いものは2-3% 高いものは6-7%、中心は2%台から4%台となっている。 なお投資指標として注目される東証REIT指数は、2003年4月に算出が開始された。 商業用不動産ローン担保証券 (CMBS commercial mortgage backed securities) 商業用不動産ローンをまとめて証券化したもの CMBS残高は約3兆円であり、2010年中に1兆円程度の償還が予定されているが、借り換えできない場合が多いという。値付けが曖昧で流動性がないため「史上最悪の金融商品」という人もいる[誰?]。FRBは1兆ドルを超える買い取りをして危機に対処した。 私募ファンド - 不動産を購入するものも多いが、REITなど不動産流動化商品を購入するものもある。 ファンドのエクイティ部分への利回りを高めるため、金融機関からの借り入れにより負債比率を高め、負債のレバレッジ効果を追求することが一般的である。このファンド側の融資需要に、融資先確保に悩む金融機関は、この間、積極的に応じてきた。それがファンドの増加にもつながったのである。なお商業用不動産ローン担保証券も、このような不動産ファンド向け融資の流動化商品という側面がある。 不動産ファンドの収益予測の基礎になるのは、空き室率、賃料単価の上昇率、テナントの入替え率などの見込みである。たとえば空き室率の低下は、強気の賃料単価上昇予測の根拠になる。 収益予想が高い間は、取得した不動産を売却して得られる売却収入を投資家に還元することも可能だった。しかし、ファンド間の不動産取得競争で不動産価格が上昇して収益率が低下するようになった。このため、収益率がなお高い完成前に不動産を取得する「開発型」が増加した。また不動産価格の過熱感から、取得物件の転売が難しくなっているとの指摘もある。 設立の母体が不動産会社や金融機関のケースでは、保有している不動産の流動化にこの仕掛けを活用しているが、不動産を取得するときの価格評価が適切になされているか疑問が出されており審査体制に投資家保護の観点から課題があるとの指摘がある。 投資指標としては、REIT指数、REITの利回り率が使われる。また不動産需給動向も参考指標とされ、オフィスについては空き室率、賃料の改定率(改定後上昇率)、平均賃料。マンションについては、販売戸数、販売単価。などが不動産の需給動向をみるのに使われる。
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