上室性頻拍とは? わかりやすく解説

上室性頻拍

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/03 03:36 UTC 版)

上室性頻拍
Supraventricular tachycardia
別称 Supraventricular arrhythmia
Lead II electrocardiogram strip showing PSVT with a heart rate of about 180.
概要
種類 心房細動心房粗動発作性上室性頻拍 (PSVT) 、ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群[1]
診療科 循環器学
症状 Palpitations, feeling faint, sweating, shortness of breath, chest pain.[2]
原因 Re-entry or increased cardiac muscle automaticity英語版[3]
診断法 Electrocardiogram (ECG), holter monitor, event monitor[4]
治療 Medications, medical procedures, surgery[5]
頻度 ~3%[6][7][8]
分類および外部参照情報

上室性頻拍(じょうしつせいひんぱく、英: Supraventricular tachycardia (SVT))は、心房から発生する頻脈の総称である[1]。これは、心室で始まる頻拍の他のグループ - 心室頻拍と対照的である[1]。 SVTには、心房細動心房粗動発作性上室性頻拍(PSVT)、ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群の4種類がある[1]。SVTの症状には動悸、失神感、発汗、息切れ胸痛が含まれる[2]

これらの異常なリズムは、心房または房室結節のいずれかから始まる[1]。それらは一般的に2つの機序のうちの1つによる。すなわち、リエントリーまたは自動能の増加である[3]。診断は、一般的に心電図(ECG)、ホルター心電図または心電図モニタによる[4]血液検査甲状腺機能亢進症または電解質異常などの特定の根本原因を除外するために行うことがある[4]

成人の正常な安静時心拍数は60~100回/分である。安静時の心拍数が1分間に100回を超えると、頻脈と定義される。SVTのエピソードの間、心臓は1分間に約150~220回鼓動する[9]

具体的な治療法はSVTの種類によって異なり[5]、薬物療法、医療処置、手術などがある[5]迷走神経刺激手技英語版、またはカテーテルアブレーションとして知られる手技があるタイプには有効である[5]。心房細動では、カルシウム拮抗薬またはβ遮断薬が心拍数の制御に用いられることがある[5]。患者によっては、ワーファリンまたは新規経口抗凝固薬(NOAC)による抗凝固療法が有益である[5]。心房細動は1000人あたり約25人[7]、発作性上室性頻拍は1000人あたり2.3人[6]、ウォルフ・パーキンソン-ホワイト症候群は1000人あたり2人[8]、心房粗動は1000人あたり0.8人[10]が発症している。

出典

  1. ^ a b c d e Types of Arrhythmia”. NHLBI (2011年7月1日). 2015年6月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月14日閲覧。
  2. ^ a b What Are the Signs and Symptoms of an Arrhythmia?”. NHLBI (2011年7月1日). 2015年2月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年9月27日閲覧。
  3. ^ a b Al-Zaiti, SS; Magdic, KS (September 2016). “Paroxysmal Supraventricular Tachycardia: Pathophysiology, Diagnosis, and Management.”. Critical Care Nursing Clinics of North America 28 (3): 309–316. doi:10.1016/j.cnc.2016.04.005. PMID 27484659. 
  4. ^ a b c How Are Arrhythmias Diagnosed?”. NHLBI (2011年7月1日). 2015年2月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月14日閲覧。
  5. ^ a b c d e f How Are Arrhythmias Treated?”. NHLBI (2011年7月1日). 2016年9月27日閲覧。
  6. ^ a b Katritsis, Demosthenes G.; Camm, A. John; Gersh, Bernard J. (2016) (英語). Clinical Cardiology: Current Practice Guidelines. Oxford University Press. p. 538. ISBN 9780198733324. オリジナルの2016-10-02時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20161002094014/https://books.google.ca/books?id=VX7ADAAAQBAJ&pg=PA538 
  7. ^ a b Zoni-Berisso, M; Lercari, F; Carazza, T; Domenicucci, S (2014). “Epidemiology of atrial fibrillation: European perspective.”. Clinical Epidemiology 6: 213–220. doi:10.2147/CLEP.S47385. PMC 4064952. PMID 24966695. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4064952/. 
  8. ^ a b Ferri, Fred F. (2016) (英語). Ferri's Clinical Advisor 2017. Elsevier Health Sciences. p. 1372. ISBN 9780323448383. オリジナルの2016-10-02時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20161002094100/https://books.google.ca/books?id=rRhCDAAAQBAJ&pg=PA1372 
  9. ^ Supraventricular tachycardia – Symptoms and causes” (英語). Mayo Clinic. 2022年3月18日閲覧。
  10. ^ Bennett, David H. (2012) (英語). Bennett's Cardiac Arrhythmias: Practical Notes on Interpretation and Treatment. John Wiley & Sons. p. 49. ISBN 9781118432402. オリジナルの2016-10-02時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20161002093537/https://books.google.ca/books?id=QjZV23sZTV4C&pg=PA49 

外部リンク

分類
外部リソース(外部リンクは英語)

上室性頻拍 (Supraventricular tachycardia)

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不整脈」の記事における「上室性頻拍 (Supraventricular tachycardia)」の解説

これは大きな分類であり、心室性リズムでは無いと言うことのみを意味する原因検索し治療するためにはより細かく分類する必要がある

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