ヴュルツブルク学派とは? わかりやすく解説

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ヴュルツブルク学派

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 04:04 UTC 版)

心理学の歴史」の記事における「ヴュルツブルク学派」の解説

ヴントライプツィヒ研究室助手務めていたオスヴァルト・キュルペ1862年-1915年)が1896年ヴュルツブルク大学新たな研究室創設した。キュルペはすぐに周囲に若い心理学者集めたが、その中にはナルツィス・アハ(1871年-1946年)、カール・ビューラー(1879年-1963年)、エルンスト・デュール(1878年-1913年)、カール・マルベ(1869年-1953年)、ヘンリー・ジャクソン・ワット(1879年-1925年)らがいた。彼らは一個集団として活動しヴント課していた制約真っ向から反対しつつ心理学実験対す新たなアプローチ発展させた。ヴントは、より高次思考過程に対して長い時間をかけて内省する内観」(独:Selbstbeobachtung)という哲学的なスタイルと、ある時点感情感覚心像(独:Vorstellung)に即座に気付く「内的感覚」(独:innere Wahrnehmung)とを区別した前者不可能であるとヴント述べて、より高次精神機能長い時間をかけた内観によってではなく人文的に「民族心理学」(独:Völkerpsychologie)を通じてのみ研究できる説いた後者だけが実験適切な主題となる。 対照的に、ヴュルツブルク学派は、実験主題複雑な刺激として(例えば、ニーチェアフォリズム論理的問題現れるように実験デザインし時間経過して過程が進むと(例えアフォリズム解釈した問題解いたりすると)、経過時間の間に自身意識通過したことを全て回顧して実験者たちに報告する。この過程で、ヴュルツブルク学派は「意識態」(独: Bewußtseinslagen)、「」(独: Bewußtheiten)、「考想」(独: Gedanken)といった、(ヴント感情感覚心像超えた意識新し要素数多く発見した主張した英語圏では、これらはしばしまとめて無心思考」(英: imageless thoughts)と呼ばれヴントとヴュルツブルク学派の論争も「無心思考論争」(英: imageless thought controversy)と呼ばれたヴントはヴュルツブルク学派の研究を「見かけだけの」実験呼び、彼らを辛辣に批判したヴントの最も著名なイギリス人弟子コーネル大学勤めていたエドワード・ブラッドフォード・ティチェナーはこの論争干渉して、ヴュルツブルク学派の無心思考感情感覚心像昇華できるようなより高次内観的研究を行うと主張したこのように、彼は逆説的にヴント見方支持するためにヴント賛成しない方法使ったのである無心思考論争はしばしば、実験心理学においてあらゆる内観的方法正統性害するうえで、そして最終的にアメリカ心理学行動主義革命もたらすうえで、役に立ったとされてきた。しかしそれは自身延命されてきた正統性失っただけではない。ハーバート・アレクサンダー・サイモン1981年)がヴュルツブルク学派心理学者研究を、特にオットー・ゼルツ(1881年-1943年)の研究引いて自身著名な問題―コンピュータ・アルゴリズム(例えLogic TheoristGeneral Problem Solver)の解決プロトコル解析におけるシンキング・アウト・ラウド法―を進めるうえでの霊感元としている。さらに、カール・ポパービューラーおよびゼルツの下で心理学学び、彼らの名を出しはしないものの彼らからの影響自身科学哲学持ち込んだとみられている。

※この「ヴュルツブルク学派」の解説は、「心理学の歴史」の解説の一部です。
「ヴュルツブルク学派」を含む「心理学の歴史」の記事については、「心理学の歴史」の概要を参照ください。

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