ヴァンパイアと人間の境界に立つ者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/24 07:14 UTC 版)
「かりん (漫画)」の記事における「ヴァンパイアと人間の境界に立つ者」の解説
橘 友里耶(たちばな ゆりや) 椎八場市に引っ越してきた女性。ジュリアンで働き始めた果林と健太の同僚。 かなりボロボロのアパートに住んでおり、本人にはそれがコンプレックスの模様。また、貧乳で分厚いパッド入りの下着を身に着けている。それを見た果林から深く同情されている。 その正体はヴァンパイアと人間の間に生まれた子供(ヴァンパイア・ハーフ)である。昼に外を歩くのは平気でコウモリもある程度使えるようだが記憶操作は下手。「一族の恥」という事で、存在自体を身内の中では隠されていた。父親が死ぬと同時に一族から勘当され、ただ1人の身内の母親を亡くしてからは人間側のヴァンパイアであるジェイムス・マーカーを頼ってきた。だが、「おじさま」ことヴァンパイアの1人であるグラークの差し金で「プシュケーの泉」の存在の有無を探るべく、マーカー家へコンタクトをとるべくやって来たのが真の目的。半人半魔の半端者という辛さを抱えている為、似たような境遇の果林との間には友情らしきものが芽生え始めておりグラークの想いとの間で板挟みとなっていたが、第49話で遂に彼に果林の存在を明かす。葛藤を抱えながらも、グラークに果林を引き渡した。しかし果林達を裏切った後も密かに罪悪感に苛まれた。そしてグラークたちの果林に対する待遇が、徐々にひどいものになっていく事に耐え切れなくなり、さらにはソフィアの影響で自己肯定のきっかけを得た事もあいまって、果林を逃がそうとするがブリジットに見つかって失敗する。 結果論とはいえ、連続して二転三転と裏切りまくっているため、果林に直接会うこともできなくなり、結局、健太にお侘びの言葉と新品の携帯電話(グラークが果林の携帯電話を廃棄してしまったため)を託して2人の前から姿を消すことになる。 ピスティス・ソフィア 健太にしか見えない、果林の姿をした謎の存在。果林よりもお調子者。 果林に供血されたもしくは友里耶のように果林の血が体内に入った(つまりプシュケーの命が体内にある)人間には彼女がその人物にとって大切な人間の姿になって夢の中に現れる。そのため健太には果林の姿に見え、最初に会ったのは夢の中だった。文緒からは修成に、友里耶からは母親に見えた。友里耶の場合は健太についているソフィアの介入の影響により、現実でも幻視の形で母の姿のソフィアに出会い、自分自身による自らの肯定とそれに端を発する立ち直りのきっかけを得ることになった。 永遠に「プシュケーの泉」の運命に縛られ続ける魂の在り方に諦観さえ覚えていたが、エドの死によって自らの運命に「終わり」が来ることを望むようになる。また、代々ヴァンパイアたちにその命や愛するものたちを奪われ続けてきた悲しみから、ヴァンパイアをまったく信頼しておらず、健太に対しては自らの存在を口止めしている。幾億幾星霜もの時の流れの果てに果林と健太の愛しあう姿に出会い、健太が「終わりをもたらす者」である事を期待し、その愛情に導きを与えるようになる。果林の血が健太に完全同化したことで一時は姿を消すも、再び果林が健太を噛んだ事で再登場。しかし果林がグラークたちにさらわれた事で、現代でも「終わりが来なかった」事を察知して一旦は健太の前から姿を消す。しかし健太の諦めない姿に今までの自分たちとは違う何かを感じて、今一度彼の前に姿を現した。結界も関係なしに果林の居場所を察知できるため、健太に協力し、最終的に健太は彼女たちの期待通りに「運命に終わりをもたらす者」として果林を助け出すことになる。 健太と果林の恋愛が成就したことで、望み通りに自分たちを縛っていた「プシュケーの運命」から開放され、成仏・転生が可能な状態になる。なお、万が一、果林がプシュケーの運命に殉ずる事になっていたら、果林自身もソフィアの一部となっていたはずだった。 すべてが落着した後で健太の魂に同化。さらに後に再び果林の胎内に戻り、2人の娘である雨水歌音(うすい かのん)として転生する。なお、転生前に一度だけ25歳の健太の前に最後の姿を現して、前述の理由から「子供を作るときは絶対に女の子として産んでほしい」と結果的にはかなったものの、非常に無茶な注文を突きつけた。 後に描かれた番外編にて『碧海のAiON』に登場するシズキ・ユズキ姉妹の妹(本当の姉妹なのか義姉妹であるのかは不明)であることが判明。その正体は「上界(プレーローマ)」と呼ばれる高次世界から来た者であり、地上の者(吸血鬼や人間)から見た場合は神に近しい部類の存在。この番外編では、上述のように吸血鬼と人間の共生関係を修復するために上界から遣わされた存在であるような描写がなされている(ソフィアいわく、そもそもシズキが「やらかした」結果で「こんな運命に縛り付けられた」らしい)。番外編において『碧海のAiON』での問題に対する加勢を求めたシズキのコンタクトを受けるが、その時点でソフィアは果林の中に戻り歌音としての転生が確定した状態であったため、シズキの狙いは果たされず、そんな姉を「うっかりさん」だと笑った。
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