プレーローマ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/05 10:53 UTC 版)
プレーローマ (Pleroma、コイネー: πλήρωμα) は、通常、神の力の全てを指す概念。この言葉は、キリスト教神学の文脈、特にグノーシス主義で用いられる。この言葉は、コロサイの信徒への手紙2章9節でも使用されており、現代の研究者からは信憑性が疑われているものの、伝統的にパウロに関係するとみなされてきた[1]。この言葉は新約聖書で17回使われている[2]。
出典
参考文献
この記事には現在パブリックドメインとなったLock, W. (1902). "Pleroma". In Hastings, James (ed.). A Dictionary of the Bible. Vol. IV. pp. 1–2.からの記述が含まれています。
プレーローマ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/15 14:37 UTC 版)
グノーシス主義におけるアイオーンは、高次の霊または霊的な階梯圏域で、アイオーンこそは「真の神」で、ユダヤ教やキリスト教などが信仰している神は、「偽の神」である。またアイオーンは複数が存在し、プレーローマと呼ばれる超永遠世界にあって、男性アイオーンと女性アイオーンが対になって「両性具有」状態を実現している。 紀元2世紀の大ウァレンティノスと呼ばれるグノーシスの思想家の高弟であるプトレマイオスの説では、プレーローマには、男女を一対として、四対、合計八体の至高アイオーンが存在するとされる。それらは、オグドアス(英語版)(8個の集まり)とも呼ばれ、次のようなアイオーンで構成される。 プロパトール - 伴侶:エンノイア(思考) ヌース -伴侶:アレーテイア(真理) ロゴス - 伴侶:ゾーエー(生命) アントローポス - 伴侶:エクレシア(教会) 伴侶は女性アイオーンである。アイオーンの筆頭に来るのは「プロパトール」であるが、この名は「先在の父」とも訳され、超越性の更に超越性にあるとされる。プロパトールとは何かは、人間は無論のこと至高アイオーンであるオグドアスのアイオーンもまた、それを知ることはなかったとされる。プロパトールは、ビュトス(深淵)の名でも呼ばれる。またオグドアスはプレーローマの中心であるが、そのなかにあって更に上位の四アイオーンは、テトラクテュス(英語版)(4個の集まり)と称する。 グノーシス主義では、新プラトン主義のプロティノスの考えを取り入れ、流出説を提唱した。ウァレンティノス派では、原初、先在の父(プロパトール)が唯一存在し、プロパトールは流出によって諸アイオーンを創造したとされる。
※この「プレーローマ」の解説は、「アイオーン」の解説の一部です。
「プレーローマ」を含む「アイオーン」の記事については、「アイオーン」の概要を参照ください。
- プレーローマのページへのリンク