ヤナギタデとは? わかりやすく解説

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やなぎ‐たで【柳×蓼】

読み方:やなぎたで

タデ科一年草水辺生え、高さ4060センチ似て細長い互生し、鞘(さや)状の托葉(たくよう)をもつ。夏から秋、白い小花をまばらな穂状につける辛味があり、香辛料とする。ほんたで。またで。《 夏》

柳蓼の画像
撮影広瀬雅敏

柳蓼

読み方:ヤナギタデ(yanagitade)

タデ科一年草薬用植物

学名 Persicaria hydropiper var.hydropiper


読み方:ヤナギタデ(yanagitade), タデ(tade)

タデ科一年草薬用植物

学名 Persicaria hydropiper var.hydropiper


ヤナギタデ タデ科

ヤナギタデ
タデ科
収穫時期 食べられる部位
5月7月

葉 花

味わう

薬味香辛料として利用

薬効

乾燥した1日量5~10gに0.3�Pを加えて、約2分の1量まで煎じつめて1日3回服用腰痛利尿良いといわれる


DATA
水辺近く生え至る所水田雑草としてみられる
タデは、あまりに辛くて舌が「ただれる」が「たでる」と変化し、さらに「たで」となったといい、似ているころからヤナギタデとなった
タデ食う虫も好き好きといわれるほど、古くから香辛料として使われてきた。

柳蓼

読み方:ヤナギタデ(yanagitade)

タデ一種

季節

分類 植物


ヤナギタデ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/09 02:28 UTC 版)

ヤナギタデ
Persicaria hydropiper
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
: ナデシコ目 Caryophyllales
: タデ科 Polygonaceae
亜科 : Polygonoideae
: Persicarieae
亜連 : Persicariinae
: イヌタデ属 Persicaria
: ヤナギタデ P. hydropiper
学名
Persicaria hydropiper (L.) Delarbre (1800)[1]
シノニム
  • Polygonum hydropiper L. (1753)[2]
  • Persicaria hydropiper (L.) Delarbre var. filiformis Araki (1952)[3]
和名
ヤナギタデ(柳蓼)
マタデ(真蓼)
ホンタデ(本蓼)
英名
marshpepper knotweed
Pepper leaf
変種品種[4]
  • ザラツキヤナギタデ P. h. var. scabrida
  • アザブタデ P. h. f. angustissima
  • ムラサキタデ P. h. f. purpurascens
  • サツマタデ P. h. f. viridis

ヤナギタデ(柳蓼[5]学名: Persicaria hydropiper)は、タデ科イヌタデ属[6]一年草[7]水辺などに生える雑草和名は、ヤナギに似ていることから[7]マタデ(真蓼)、ホンタデ(本蓼)、カワタデ、ナガボヤナギタデともいう[1][5][7]

分布・生育地

北半球の温帯から熱帯にかけて広く分布する[8]北海道から南西諸島にかけての日本全土に分布する[5][7]。河原の砂地などに自生する[5]

形態・生態

一年生の草本[5]。前年に落ちた種子から春に発芽する一年草だが、水中では多年草となることもある。茎は高さ30 - 60センチメートル (cm) でよく分枝し、無毛である[5]。節が太く膨れて、節につく鞘の上部には短毛がある[5]は長さ5 - 10 cmの披針形で、短い柄を持ち互生する[5]。数多くあるタデの中で、全草に辛味があるのは本種だけである[5]

花期は7 - 10月[5]は淡緑色や淡紅色を帯びた白色の5弁花で[7]、穂先を少し垂ら気味とした長さ7 cm前後の花序に間隔をあけてつく[5]。種子は暗褐色で2.5 - 3.5ミリメートル (mm) の卵形をしている。晩秋に紅葉する。

近縁種にヤナギヌカボ(学名: Persicaria foliosa var. paludicola)があるが、ヤナギヌカボのほうは葉が細く両面に短毛があり辛味もない[9]。よく似たボントクタデ(学名: Persicaria pubescens)の葉にも辛味がない。

人間との関わり

食う虫も好きずき」というの語源である本種は、辛味のある葉が薬味として利用される[5]刺し身つまにしたりする[7]ほか、すり潰してに混ぜることでアユ等の魚の塩焼きに使用する蓼酢となる。刺身のつまとして使われるのは、ヤナギタデの変種であるムラサキタデ(学名: Persicaria hydropiper f. purpurascens)が多い[5]。香辛、食あたりに薬用される[5]

青銅器時代の遺跡の多くから、香辛料として使われていたであろう痕跡が発見されている[10]。日本では、平安時代から香辛料として利用された[11]

食用

若葉を熱湯にくぐらせて水に浸し、和え物にする[5]。種子を発芽させたばかりの小葉は「芽タデ」とよばれ、刺身つまに使われ、赤色の「紅たで」と緑色の「青たで」のがある[8][5]。葉をすり下ろして食酢に混ぜると「タデ酢」になり、アユの塩焼きや臭みのある魚料理に使われる[8][5]

栽培は福岡県が圧倒的に多い[8]

有効成分

芽タデの辛み成分には消化促進作用があり、食べあたりの予防や、虫刺されにも効果がある[8]駆虫薬[12]。辛み成分はドリマン誘導体アルデヒドポリゴジアール英語版で、TRPチャネルの一つの辛み受容体TRPA1英語版を刺激する。

この植物には精油(0.5%)が含まれており、モノテルペンセスキテルペン: α-ピネンβ-ピネン1,4-シネオールフェンコンα-フムレン英語版β-カリオフィレン英語版、trans-β-bergamoteneなどで成り立っている[要出典]カルボン酸ケイ皮吉草カプロン酸)などのエステルも見つかっている[要出典]。この組織成分は、遺伝子によるものが強い[要出典]

脚注

  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Persicaria hydropiper (L.) Delarbre ヤナギタデ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年6月11日閲覧。
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Polygonum hydropiper L. ヤナギタデ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年6月11日閲覧。
  3. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Persicaria hydropiper (L.) Delarbre var. filiformis Araki ヤナギタデ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年6月11日閲覧。
  4. ^ 米倉浩司; 梶田忠 (2003-). “YList 植物和名-学名インデックス:簡易検索結果”. YList 植物和名-学名インデックス. 琉球大学. 2018年12月4日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 川原勝正 2015, p. 55.
  6. ^ 大場秀章編著『植物分類表』アボック社、2009年、95頁。ISBN 978-4-900358-61-4 
  7. ^ a b c d e f 平野隆久写真『野に咲く花 : 写真検索』林弥栄監修、門田裕一改訂版監修(増補改訂新版)、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2013年、265頁。 ISBN 978-4-635-07019-5 
  8. ^ a b c d e 講談社編 2013, p. 112.
  9. ^ ふくいミュージアムNo.18”. 福井県立歴史博物館. p. 5. 2022年4月20日閲覧。
  10. ^ Tanja (2023年6月1日). “Wasserpfeffer (Persicaria hydropiper)” (ドイツ語). Phyto-Kitchen. 2024年4月23日閲覧。
  11. ^ ヤナギタデ”. www.pharm.kumamoto-u.ac.jp. 2024年4月23日閲覧。
  12. ^ Nagi, Keleni-i; Roy, Bishnupada; Yadav, Arun K. (2023-03). “In vitro cestocidal activity of Persicaria hydropiper (L.) Delarbre, a traditionally used anthelmintic plant in India” (英語). Journal of Parasitic Diseases 47 (1): 198–202. doi:10.1007/s12639-022-01559-2. ISSN 0971-7196. PMC 9998820. PMID 36910324. https://link.springer.com/10.1007/s12639-022-01559-2. 

参考文献

関連項目

外部リンク



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