メタ‐マテリアルとは? わかりやすく解説

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メタ‐マテリアル【meta-material】

読み方:めたまてりある

人為的に性質変化させた物質。特に、光などの電磁波に対して負の屈折率をもつなど、自然界見られる物質とは異な振る舞いを示す物質を指す。電磁メタマテリアルメタ物質。→メタ原子メタサーフェス


メタマテリアル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/20 06:21 UTC 版)

メタマテリアル: meta-material)とは、自然界の物質には無い振る舞いをする人工物質のことである。 を含む電磁波といった性質に対して、自然界の物質には無い所望の特性を持たせることについていう場合が多いが、振動や熱(伝熱)や強度などの性質を対象にすることについて言う場合もある。

「メタマテリアル」という語句自体は「人間の手で創生された物質」を示すが、特に負の屈折率を持った物質を指して用いられることがあり、「電磁メタマテリアル」という表現も認められる。[要出典]メタマテリアルの人工的構成要素はメタ原子と呼ばれる[1]

概要

電場磁場が交互に生成されて伝播していく電磁波であり、物質との相互作用は比誘電率と比透磁率で示され、光の屈折率は二つの物理量の平方根を掛けた値となる。自然界にあるほとんどの物質は、可視光付近の波長の光の電場と相互作用はするが、光の磁場とは相互作用しない。つまり、自然界にある物質の比透磁率の値は1.0であり、屈折率は電場との相互作用の大きさ、比誘電率だけで決まるというのが、それまでの光学の世界の常識とされてきた。ところが、光の磁場の波と相互作用する人工物質として電磁メタマテリアルが登場したことによって、さまざまな屈折率を持つ物体が作れるようになった。「メタ」とは「超越した」という意味であり、「電磁メタマテリアル」は、「従来の光学の常識を超越した物質」という意味である。その実現には、光の波長よりも小さなナノスケールのコイルを物質中に無数につくることなどが必要となる。光を用いて金属をナノスケールで3次元に加工する技術や、ダストプラズマ自己組織化する性質を利用したナノレベルの微粒子アセンブリー技術によって散逸構造生成される電磁メタマテリアルの登場が期待されている[2]

ジョン・ペンドリー教授たちが2002年に、「もし屈折率が負の物質があれば、無限に小さなものを光で観察できる」と主張する論文を発表したことが契機となり、開発競争に火が付いた経緯がある。光の波長よりも小さな構造の情報を持った光、近接場光を増幅すれば、従来の光学顕微鏡の限界を超えた、光の波長以下のサイズの物体を見ることが可能であるとしている。

光学や短波長の電磁波において特徴的な性質を示し、分解能の限界や回折限界の突破が可能とされ、超高分解能レンズ、光ファイバー、バンドパスフィルタ、新種のレンズアンテナ、透明化技術(光学迷彩)などへの応用が期待されている。また、CGの画像を電磁メタマテリアル上に表示する技術が、コンピュータ支援外科などの分野を中心に発展しつつある。すでに電磁メタマテリアルの開発は、戦車の装甲などの分野で第二世代・第三世代に入っているとされているが、その多くは産業機密のベールの向こう側にあるため、詳細は不明である。

負の屈折率

通常の物質(: conventional material)では媒質となる物体に入射した光は反対側に屈折する(赤色の線)が、負の屈折率を持つ物質(: left-handed metamaterial)では入射と同じ側に屈折が起こる(緑色の線)

負の屈折率によって起きるであろう現象の例に示す。

例えば普通の光学的な媒質では斜めに入射した光は入射面で多少屈折されているが、負の屈折率を持つメタマテリアルが媒質となると屈折の方向が逆となり光の経路が「くの字状」に折れ曲がるというものである。液体状のメタマテリアルは存在しないが、固体では実現されている。

負の誘電率と透磁率

や既存のガラスでは、誘電率および透磁率は正である。しかし、などの金属の中には可視光領域で負の誘電率をもつものがある。

屈折率(N)は誘電率(ε)と透磁率(μ)から

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メタマテリアル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/05/16 07:25 UTC 版)

ミー散乱」の記事における「メタマテリアル」の解説

ミー散乱理論はメタマテリアルの設計使用されている。この種のメタマテリアルは、通常、低誘電率構造体周期的またはランダムに埋め込まれ金属または非金属介在物三次元複合材料からなる。 この場合、負の誘電率もしくは透磁率は、介在物共鳴ミー散乱時に現れるように設計される。 負の実効誘電率電気双極子散乱係数共鳴時に、負の実効透磁率磁気双極子散乱係数共鳴時に合わせて設計されDNG誘電率透磁率ともに負の)媒質はこの両方合わせて設計される粒子通常、以下の組み合わせ有する比誘電率透磁率の値が1よりも大きく近接している1組磁性体誘電体粒子 等し誘電率有する異なサイズ有する2つ異な誘電体粒子 大きさは同じであるが誘電率異な2つ異な誘電体粒子 理論的には、ミー散乱理論によって分析される粒子一般に球形であるが、実際には、粒子通常、製作を容易にするために立方体または円柱として作製される格子定数動作波長よりもはるかに小さいという形で述べることができる均質化基準満たすためには、誘電体粒子比誘電率は1よりはるかに大きくなければならない。負の有効誘電率、たとえば負の誘電率もしくは透磁率)を達成するためには比誘電率もしくは透磁率)は εr > 78(38) でなければならない

※この「メタマテリアル」の解説は、「ミー散乱」の解説の一部です。
「メタマテリアル」を含む「ミー散乱」の記事については、「ミー散乱」の概要を参照ください。

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