ポルトガル製車両
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 23:20 UTC 版)
「pt:Série 2000/2050/2080 da CP」を参照 UGOFEがプラサ・コンスティトゥシオン - テンペルレイ - クライポレ間の運用補強用としてポルトガルより購入した、同国SOREFAME(ポルトガル語版)製の電車。オールステンレス車両である。 愛称は車体の製造元よりCoche(Eléctrico)SOREFAME。 購入されたのは3両固定6編成+2両の20両(2007年)及び3両固定8編成+1両の25両(2008年/2009年)の合計45両。 3両中に1等車と2等車を含むユニット編成で、CP(Comboios de Portugal : ポルトガル国鉄)のシントラ線などで運用されていたUTE(Unidade Tripla Eléctrica・3両電気ユニットの意味)2000形/2050形/2080形が形式もそのままにロカ線で走り始めた。 編成構造は以下の通り(現地ではTはRになる) 3両 : Rc-R(s)-M'c 6両 : Rc-R(s)-M'c+M'c-R(s)-Rc 基本的に3両2編成を連結させた6両で運用。 電装品はドイツのシーメンス、AEGおよびスイスのエリコン、ブラウンボベリ製の物を使用し、高圧機器はM'c車に搭載されている。上記の電装品製造各社は交流50 Hz電化鉄道用電気機器を西ヨーロッパから世界各地へ売り込むため、50 c/s連合と呼ばれる企業連合結成しており、本形式の電装品もこの企業連合の名義となっている。 これらの車体はアメリカのバッド社のライセンスにより生産されたステンレス製であったが、製造がUTE2000形は1956年・1957年、UTE2050形が1962年、UTE2080形は1966年と一番新しい車両でも"Toshiba"よりも15年以上も古い。実際に運用に入ると数々の問題が露呈した。1M2Tの構成により加速が"Toshiba"に劣ることが運行に遅れを引き起こし、ダイヤを乱した。 主電動機のオーバーホール等に加え、パンタグラフの交換等の工事に車体各所の部品が3編成分用意されたと言うものの実際には足りず、果てには一部編成の車体や台枠の一部が劣化・破損している事が見つかった。以上の理由より、実際に電車として運用されたのは3両2編成で構成される6両2編成分の12両のみであった。 しかし、その6両2編成も電車としての運用は長く続かず、僅か数年で電装解除されてしまい、その後は客車として使用された。 客車としてはサルミエント線でも使用された。 2015年には2080形の2編成がブエノスアイレス州営の中・長距離列車を運行するフェロバイレス(スペイン語版)に客車として譲渡され、臨時列車で運用されたが、、翌2016年6月に同社の列車がサン・マルティン線において新アルゼンチン国鉄の貨物列車と衝突した事故の影響で翌7月に同社は列車の運行を全て休止し、その後はラプラタのロス・オルノス/ガンビエール車両工場、およびレメディオス・デ・エスカラーダ車両工場に留置されている。 2020年現在は全ての車両が運用を離脱しており、大半の車両(28両)は電装解除された2080形とともにラプラタのロス・オルノス/ガンビエール車両工場の片隅にまとめて留置されていることが航空写真より確認できる。なお、そこの同車の多くは電装解除されていない。また、一部はコルドバのMATERFERの構内に留置されている。 ポルトガル・シントラ線での2000形写真の編成は後にロカ線で活躍する事になる ポルトガル・コインブラB駅に停車中の2050形 ロカ線での2080形
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