ブラウザーベンダーによる対策と今後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/07 05:15 UTC 版)
「楽天ad4U」の記事における「ブラウザーベンダーによる対策と今後」の解説
Firefoxの開発者コミュニティーでは、「Bug 147777」 について長年その解決策を議論していた。解決策がすぐには決まらないのは、リンクが訪問済みか否かをCSS経由で取得できなくすることは、CSSについての従来からの互換性を損ねるためであった。 しかし、2010年3月31日、Mozilla Security Blog が、このバグの解決方法が決定したことを伝えた。この知らせは、この問題に特に関心の高い日本向けに日本語訳 され、4月1日にMozilla Japanの吉野公平がブログでこれを「これはエイプリルフール記事ではありません」として伝えた。技術者向けには、Mozilla CorporationのChristopher Blizzardが、Mozilla Hacks ブログで解説を加え、これも日本語訳が発表されている。 これらによると、採用された対策は、(1)訪問済みリンクを未訪問リンクと区別するのに使用できるスタイルの種類を制限することと、(2)訪問済みと未訪問リンクの表示にかかる時間の違いを最小限にすることと、(3)実際に適用されているスタイルのJavaScriptによる取得を制限することによって解決するのだという。これによって、ごく一部のウェブサイトでは、見た目が少し変わる可能性があるが、「ユーザーのプライバシーを守るために正しいトレードオフ」だという。 Mozilla Security Blogの記事は、この対策方法について、「他のブラウザも後に続いてくれることを期待しています」、「私たちはこれがこの問題に対する最善の解決策であると考えており、他のブラウザも同様の取り組みを行ってもらえれば嬉しく思います」と述べている。 ブラウザーにこの対策が取り入れられた場合、楽天ad4Uは機能しなくなると推定される。しかし、楽天ad4Uは既に2009年4月から「Firefoxでは該当機能の改修が検討されており、将来的に利用出来なくなる可能性があるため」という理由で、対象ブラウザーからFirefoxを除外している。 一方、Appleが中心となって開発されているオープンソースのHTMLレンダリングエンジンであるWebKitも、2009年3月から、WebKit Bugzillaの「Bug 24300」でこの問題に取り組んでおり、2010年4月、Firefoxと同様の方法によるパッチが作成され、WebKitでの採用が決定した。WebKitは、macOS標準のウェブブラウザSafariが搭載しているレンダリングエンジンであり、また、Google社のブラウザーGoogle Chromeが搭載しているレンダリングエンジンでもあることから、今後、SafariとGoogle Chromeにおいて、楽天ad4Uが動作しなくなることが予想される。 2010年6月11日、AppleはSafari 5.0のリリースにおいて、正式にこれを脆弱性バグと認めて修正したことをアナウンスした。2010年6月14日現在、楽天ad4Uの対象ブラウザーにSafariが含まれている ことから、楽天ad4Uは、最新バージョンのブラウザーが修正した既知の脆弱性を突く手法で実現したものということになる。 マイクロソフトのInternet Explorerや、Operaがこの対策に追随することになれば、楽天ad4Uはサービスの中止を余儀なくされると予想される。
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