バスケットボール用のコート
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/22 00:54 UTC 版)
「寄木張り」の記事における「バスケットボール用のコート」の解説
アメリカで日常、寄木張りを目にする機会のひとつは男子プロ・バスケットボール協会(NBA)所属のボストン・セルティックスがホームコートで行う試合である。このチームが1946年に設立された旧ボストン・アリーナ体育館 (en) に張った寄木の床は用材の長辺同士を寄せた正四角形の単位パネルを90°ずつ回転させて市松模様に張ってある。それを剥がして1952年に移転先のボストン・ガーデン体育館 (en) に施工し直す。チームは再び当時フリートセンターと呼ばれた現在の本拠地に1995年に移るとき、やはり同じ床を運びこんでいる。ボストン・ガーデン体育館は1998年に建て替えのため取り壊すが、床は新体育館へ移設するため剥がし、その一部は細かく切って1999年に土産として販売した。現在、TDガーデンと称する体育館の床には一部、伝統の床を敷き、残りは新しい素材で張ってある。NBAで寄木張りの床を使うチームは複数あっても、レッドオーク材 (en) を使った床はセルティックスのホームコートだけで他はサトウカエデ材である。 材質こそサトウカエデだが四角形の柄に組んだ寄木の床は、オーランド・マジック、ミネソタ・ティンバーウルブズ、デンバー・ナゲッツ、ブルックリン・ネッツでも採用している。そのうちマジックのみ当初のままの四角形の柄の寄木張りを使い続けており、由来は1989年当時、オーランド・アリーナ体育館 (en) に張ったものである。2010年の移転に際してそれを剥がし、アムウェイセンター (en) に施工し直した。 ネッツの場合は1988年にメドウランズ・アリーナ体育館 (en) が初めで、1997年の移転以降は使用をやめたものの、2007年まで、同体育館を引き継いだ男子バスケットボールのシートンホール・パイレーツ (en) が使い続けた。ナゲッツはマクニコルズ・スポーツアリーナ体育館 (en) に本拠を置いた1990年から1993年までと期間が短く、ティンバーウルブズは本拠をターゲットセンター (en) に置いた1996年から2008年にわたり、寄木張りでプレーした。 カナダではトロント・ラプターズが1995年に#ヘリンボーン張りのコートでデビュー、旧称スカイドーム (現ロジャーズ・センター) からコップス・コロシアム (現FirstOntario Centre) を経てメープルリーフ・ガーデンズまで、3つの本拠地に移転を繰り返しながら1999年まで使い続ける。じつはヘリンボーン張りと言うと、アメリカのネッツが2012年に新本拠地のバークレイズ・センターへ移ったとき、再び採用した寄木の床はこの柄である。バークレイズ・センターは多目的ホールであるため床面はイベントに合わせて変更する。コンサート前に240枚の寄木パネルを撤収してコンクリート床にシートを張ったり、アイスホッケーの試合の準備として寄木パネルをシートで覆い、解体できる人工のアイスリンクを敷設する。 シャーロット・ホーネッツは2013-14年シーズン以降、ハリケーン・カトリーナの影響もあり改称してニューオーリンズ・ペリカンズとなり、2014–15年シーズンから本拠地のスペクトラム・センター屋内競技場に寄木張り風の床を取り入れた。ハリケーン・カトリーナ被災の経験から木工の寄木張りの代替として塗装の床を採用し、濃淡のワニスで寄木のパターンを再現してある。ホーネッツつまり「蜂」というチーム名に合わせて蜂の巣模様を採用、隣り合う台形を交互に濃い色と薄い色に塗り分けた。
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