ネガティブなニュアンス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 23:08 UTC 版)
「ソーシャル・ジャスティス・ウォリアー」の記事における「ネガティブなニュアンス」の解説
"「ソーシャル・ジャスティス・ウォリアー」はつまり、不合理で、聖人を気取り、先入観にとらわれ、自己権力の拡大に腐心するというステレオタイプ的なフェミニストである" スコット・セリスカー マーティンによれば、もともと肯定的だったこの言葉が圧倒的にネガティブになったのは2011年前後にTwitter上で侮辱的な使い方をされてからである。Urban Dictionaryに登録されたのもこの年だ。2014年のゲーマーゲート論争では、参加者が思想的に対立する側を表現する言葉として採用し、一気にネガティブな表現として浸透した。インターネットおよびビデオ・ゲームを取り巻く英語圏のカルチャーにおいて、ソーシャル・ジャスティス・ウォリアーという言葉はゲーマーゲート論争と結びつけられてさらに広まり、ひいてはヒューゴー賞をめぐる2015年の「サッド・パピーズ」運動に代表されるカルチャー・ウォーの副産物とみなされた。この言葉は主にTwitterのほかReddit、 4chan、YouTube[要出典]などのウェブサイトで侮辱的な使われ方をしている。 「ソーシャル・ジャスティス・ウォリアー」はインターネットにおけるフェミニズム批判において特によく使われている。スコット・セリスカーが「ニュー・リテラリー・ヒストリー」誌に書いているが「〔言論フォーラムの参加者は〕『ソーシャル・ジャスティス・ウォリアー』に分類されるとみなした人間に対して批判的であることが多い。この分類はつまり、不合理で、聖人を気取り、先入観にとらわれ、自己権力の拡大に腐心するというステレオタイプ的なフェミニストである」。 この言葉は、そう言われた人の行動原理が「社会に深く根差した信念体系ではなく個人的な物差し」に基づいていることを揶揄することで、その人を萎縮させる意図があるとも言われる。そのネガティブなニュアンスは主として、社会進歩主義、文化包摂主義、フェミニズムを支持し、それを広める人へ向けられる。また個人的に評価されるために社会正義に関して不誠実な議論や行動をしている、という含みもある。アレグラ・リンゴはヴァイス誌に次のように書いている。「言い方を変えれば、ソーシャル・ジャスティス・ウォリアーは確固たるプリンシパル〔規範・信条〕を持たずに、取り繕っているだけということだ。ここで問題になるのが、これは現実に誰かをカテゴライズする言葉ではないということである。この言葉を使えば簡単に社会正義を掲げる人をけなすことのできるというだけだ」。 エリザベス・ノーラン・ブラウンはリーズン誌に寄稿した記事で「ソーシャル・ジャスティス」の支持者の類型を示そうとした。彼女によれば右であろうと左であろうと、何かに憤っていて、被害者意識があり、人をいじめたりする悪い人間のように相手を演出し、自分たちの側が正当性なく抑圧されているかのように言うという共通点がそこにはある。ヴァイス誌の記者、クリントン・グウェンは、このソーシャル・ジャスティスに身をゆだねたTumblrユーザーの背景にある攻撃的な行動を分析する記事において、この言葉を取り上げている。記事では、Tumblrに作品を投稿したアーティストに継続的にハラスメントを行ったユーザーが例に出されている。この嫌がらせの結果は暗澹たるもので、アーティストが自殺未遂までしていて、少なくとも10人のユーザーが警察に通報され、確認されただけで1人の逮捕者が出た。
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