ネガティブな臨死体験
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 02:19 UTC 版)
死にゆく者の中には、極わずかな割合で、ネガティブな臨死体験が起こることがある。そうした体験では、体外離脱により地獄的とも言える世界に向かい、自らが発した非常にネガティブな感情を味わう、という例もある。そうしたネガティブな現象は、体験者の「死因」が自殺である事が原因である事もある。ケネス・リングの調査によれば、自殺による臨死体験では「光の世界に入る」などの現象は殆ど見られず、体験は中途で途切れたものとなっている。自殺により地獄的な体験が起こるという研究結果が出たことはないが、多くの臨死体験者は、自殺が成功する場合、その結果は不快なものになるだろうとコメントしている。 一般的に臨死体験はポジティブなイメージも強いため、ネガティブな体験をした者は、他人に体験を打ち明けることに、より困難を覚える傾向にある。そうした体験者の中には、ネガティブな臨死体験自体を何らかのレッスンと捉え、前向きに解釈する者もいる。ある体験者は、自分本位の人しかいない地獄的な世界に行くことで、「人は他人を助けることでしか幸せになれない」ことが解ったという。カール・ベッカーはこうした臨死体験例が、自殺未遂者へのカウンセリングに有効であったと述べている。また、自殺で臨死体験をした者は、体験の無かった者に比べ、再び自殺を試みる割合が極端に減少する事が知られている。
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