トロン:レガシー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/01/27 21:58 UTC 版)
トロン:レガシー | |
---|---|
Tron: Legacy | |
監督 | ジョセフ・コシンスキー |
製作総指揮 | ドナルド・クシュナー |
製作 | ショーン・ベイリー ジェフリー・シルヴァー スティーブン・リズバーガー |
脚本 | アダム・ホロウィッツ エドワード・キッツィス リチャード・ジェフリーズ |
出演者 | ジェフ・ブリッジス ギャレット・ヘドランド ブルース・ボックスライトナー マイケル・シーン オリヴィア・ワイルド ボー・ギャレット ジョン・ハート |
音楽 | ダフト・パンク |
撮影 | クラウディオ・ミランダ |
編集 | ジェームズ・ヘイグッド エリック・バーバ (VFXスーパーバイザー) |
製作会社 | LivePlanet |
配給 | ![]() ![]() |
公開 | ![]() (全世界同時公開) |
上映時間 | 126分 |
製作国 | ![]() |
言語 | 英語 |
製作費 | $170,000,000 |
興行収入 | $344,934,900 |
前作 | トロン |
次作 | Tron 3 |
allcinema | |
キネマ旬報 | |
allmovie | |
IMDb | |
『トロン:レガシー』(原題:Tron: Legacy)は、2010年のアメリカのSFファンタジー映画。1982年の映画『トロン』の28年ぶりの続編である。
目次 |
ストーリー
エンコム社のCEOとなったケヴィンの謎の失踪から20年後。27歳に成長した息子サムは、父の友人アランが父から謎のメッセージを受け取った事を知らされる。手がかりを求めて父の経営していたゲームセンター跡を訪れたサムは、起動していた物質電子変換装置によってコンピューター内部世界へと送り込まれてしまう。漆黒に包まれたコンピューター世界・グリッドで、命がけのゲームを強いられるサム。謎の女性・クオラに助けられた彼は、父ケヴィンと再会し失踪の謎を突き止めるため、未知の敵との過酷な戦いに身を投じていく。
キャスト
現実世界
- サム・フリン
- ギャレット・ヘドランド (吹替:平川大輔)
- 前作の主人公、ケヴィン・フリンの息子。エンコムの筆頭株主。
- 父と同じくカリフォルニア工科大学(Caltech)に入学したが、中退してしまった。
- 父親であるケヴィンが自身を「捨ててしまった」と感じているのか、エンコムの経営に関わろうとせず、父の親友アラン宛のケヴィンのメッセージも最初は無視しようとしていた。メッセージの発信元であるゲームセンターの隠し部屋で「グリッド」に転送されてしまい、クルー率いるプログラムとの戦いに身を投じる事になる。
- 父が残したドゥカティを軽快に乗りこなし、「グリッド・ゲーム」でもライトサイクルを上手く操って敵を翻弄するほどの腕前がある。
- ケヴィン・フリン
- ジェフ・ブリッジス(吹替:磯部勉)
- 前作の主人公。サムの父親。
- カリフォルニア工科大学を卒業後、エンコム社に入社。前作での『スペース・パラノイド』盗作問題に端を発する戦いに勝利を収め、その後エンコムのCEOに返り咲き、IT界のカリスマとして名を馳せる。しかし1989年、息子サムを残して失踪する。
- 「グリッド」の創造主であったが、失踪したとされる日、自らがプログラムしたクルーにクーデターを起こされ、「グリッド」を乗っ取られてしまう。それ以来グリッドの荒野で隠遁生活を送っていた。
- 自身のディスクが、唯一この世界と現実をつなぐポータルの「マスターキー」の役割を果たしており、それをクルーに奪われること、そしてクルーがポータルを使って現実世界へと侵攻することを危惧し、現実世界を諦めてその生涯をグリッドの荒野で終えるつもりでいたが、サムとの出会いで心境に変化が生じる。
- 禅や囲碁など、東洋文化を嗜んでいる。前作で見せていた大胆さは健在。また創造主であるため、ディスクを通してプログラムの内容を書き換えることができる。
- アラン・ブラッドリー
- ブルース・ボックスライトナー(吹替:大塚芳忠)
- 前作から登場。ケヴィンの友人でトロンを書き込んだプログラマー。フリンの失踪後エンコムのCEOを務めていたが、物語が始まる数年前、CEOを辞して名誉チェアマンとして会社に残る。
- 彼が肌身離さず持っている、ケヴィンから手渡されたポケベルに連絡が入ったことで物語が動き出す。
- サムの父親代わりであり、父親の失踪後エンコムに関わろうとしないサムの身を案じている。
- エドワード・デリンジャー Jr.
- キリアン・マーフィー (カメオ出演)(吹替:土田大)
- 前作登場のエンコムの元CEO エドワード・デリンジャー (デビッド・ワーナー)の息子。
- エンコムの現ソフトウェア開発チーフ。ケヴィンの失踪により新経営陣メンバーの席を獲得する。
プログラム
- クオラ
- オリヴィア・ワイルド(吹替:小松由佳)
- ケヴィンを慕い、パートナーとして共に暮らす女性プログラム。「グリッド・ゲーム」で窮地に立たされたサムをライト・ランナーで助け出し、ケヴィンのもとへと導く。
- バトンから生成されるソードを愛用し、戦闘力はクルー軍の戦闘員にも引けを取らない。
- クルー2.0
- ジェフ・ブリッジス(吹替:磯部勉)
- グリッド研究の際、ケヴィンが自身の補佐役として生み出したプログラム。前作に登場したケヴィンの書いたハッキングプログラム・クルーの名を冠している。
- ケヴィンに「完璧な世界の創造」をプログラムされていた。しかしあまりにも完璧を求めすぎるあまり、ケヴィンの手を離れ、クーデターを起こしてケヴィンを放逐、グリッドを支配する。
- 新たなプログラムの創造は不可能だが、既存のプログラムを書き換えて自分に従わせる事は可能。グリッドを力で統治しており、「不完全」な人間の世界への侵攻を企てている。その為に必要なケヴィンの持つポータル(現実世界との出入り口)のマスターキーを狙っている。
- 若き日のケヴィンの姿をしており、ライトサイクルやディスク・バトルにおいても磐石の強さを見せる。
- リンズラー
- クルーが信頼する部下の一人。顔面を覆い隠すマスクを装着しており、表情を窺い知ることは出来ない。
- 高い戦闘能力を持ち、二枚のディスクを操って戦う謎の戦闘員。
- ジャービス
- ジェームズ・フレイン(吹替:咲野俊介)
- クルーの部下の一人。モヒカンヘアに半透明のフードを被っている。他のプログラム同様クルーに忠誠を誓っているが、独断で何かを企てている。
- キャスター
- マイケル・シーン(吹替:桐本琢也)
- 身分の低いプログラムが集うクラブ、「エンド・オブ・ライン」のオーナー。透明な素材で出来た杖を常に所持している。
- グリッドには、彼を通じて反クルーのレジスタンス・リーダー「ズース」に接触できるという噂が流れている。
- サイレン・ジェム
- ボー・ギャレット(吹替:甲斐田裕子)
- グリッドのナビゲーターを務める「サイレン」の一人。キャスターとは知り合い。サムの前にたびたび姿を現わす。
- サイレン
- ヤヤ・デコスタ、セリンダ・スワン、 エリザベス・マシス
- グリッドのナビゲーター。サムにディスクなど、グリッド内で必要なものと最低限の知識を与えた。
- エンド・オブ・ライン・クラブのDJ
- ダフト・パンク (カメオ出演)
- クラブのDJ。キャスターのリクエストで「Derezzed」を演奏した。お馴染みのヘルメットをかぶっている。
- トロン
- ブルース・ボックスライトナー
- 前作から登場。アランが製作したシステム不正監視プログラム。前作でコンピュータ内に取り込まれたケヴィンと共闘してシステムを解放し、以降も共にグリッド研究に携わっていた。
- クルーのクーデターの際、ケヴィンを逃がすべく単身クルー率いるプログラムに立ち向かう。戦闘でクルーに倒されてしまうが…。
メカニック
- ライト・サイクル(スタンダード)
- バトンから生成されるバイク型の乗り物。前作同様、機体後部から光の帯を出現させ、帯に触れた相手を破壊することができる。「グリッド・ゲーム」で使用され、前作と同じく、限られた空間(ゲームを行うステージ)以外では機能が制限される。
- 一見前後対象にも見えるシンプルなデザインと、前輪の左右にハンドル、後輪の左右部分にペダルを備えた、バイクとしては異形のスタイルが特徴。
- 前傾姿勢でのライディングスタイルは前作と共通しているが、前作とは異なり、搭乗者が大きく露出した現実のバイクと似たような構造になっている。
- また、機体後部の外装を展開してエアブレーキとして使用できる。破壊されるともとのバトンに戻ってしまう。
- ライト・サイクル(クルー仕様)
- クルー、及びリンズラーが使用したモデル。スタンダードモデルと大きな外見的差異はなく、クルー軍所属を示すオレンジの機体カラーと、機体下部のエンジンのようなディテールが大きく露出していることで判別可能。
- ライト・サイクル(フリン仕様)
- フリンがかつて使っていた(クオラ曰く『ヴィンテージ』)白いライトサイクル。
- 搭乗者をカバーする構造や後輪部分など、前作のライトサイクルに近い外見を持つ。速度面では最新モデル以上の性能を持つ。
- ライト・ジェット
- クルー軍で使用されている航空機。劇中では3人が搭乗できることが確認できる。吹替版での名称は「ライト・ファイター」。
- 機体後部に機銃砲座が備え付けられているほか、ライトサイクルが生成するものと同じ光の帯をエンジンから発生させることができる。
- ワンマンライト・ジェット
- クルーたちがバトン二本を使って創りだした機体。一人乗りで、外見的にはグライダーに似ている。機銃を装備し、エンジンから光の帯を発生させる。
- ライト・ランナー
- クオラが使用した4輪タイプのビークル。状況に応じてタイヤの形状を変化させることができる。ライト・サイクルとほぼ同等の機動性を誇り、設置型の爆弾やキャノン砲を装備する。
- レコグナイザー
- 前作から引き続き登場する、漢字の「門」に似た形状が特徴の飛行ビークル。
- 「監視者」の名のとおりグリッド内のプログラムなどを監視する、ウィルスソフトなどのシステムスキャン・常駐シールド機能と同じ役割を持っており、迷いプログラムや不正プログラムを捕縛・連行する。前作時の名称は「監視機」。
- ソーラー・セーラー
- 前作に登場したソーラーセイル船を彷彿とさせる、空を走る列車。兵士を輸送するために使われる。操縦席のレイアウトも前作のソーラーセイル船と酷似している。コンピューターにおける、情報送信・転送の役割を担う。
- グリッドの海を渡ることのできる唯一の手段。
- レクティファイアー
- クルー軍が使用した戦艦。ソーラー・セーラーの収容機能や、ライト・ジェットの発着場がある。
- タンク(戦車)
- 前作から引き続き登場。クルー軍が使用し、トロン・シティ内を巡回していた。
用語・アイテム
用語
- アイソー (ISO)
- ISO (=同型アルゴリズム、Isomorphic Algorithms)。ケヴィンのコンピューター世界に突如出現した謎多きデジタル生命体。
- 外見的には人間と変わらず、体の一部に刻まれた小さな文様によって人間と判別できる。
- 彼らの自由奔放な意志と個性は彼の価値観を全く変えてしまい、ケヴィンはそこに新たな人類の未来を見たが、クルーのクーデターを起こす発端となってしまい、それによって一人残らず虐殺されてしまう。
- エンコム社
- PC用ソフトウェアやゲームの開発で高い業績を誇る、業界最大手IT企業。東京株式市場に進出できる程の広い規模を持つ。筆頭株主はサム・フリン。ケヴィンがCEOだった時代は学生などに広く自社のソフトウェアを提供していたが、ケヴィンの失踪後は利益を重視する経営戦略にシフトした。
- 代表的な製品は、アーケードゲーム「スペース・パラノイド」「トロン」。本編ではPC用のOS「ENCOM-12」を発表しようとしていた。
- グリッド
- 前作の後、ケヴィンがトロン、クルー2.0と共に研究を重ねていたコンピューター世界の通称。由来は表面のグリッド (格子状)模様から派生。ケヴィン曰く、「世界を変える」ほどの大発見。非常にリアルな仮想世界で、天候や断崖などの地形も形成されている。
- 世界全体に暗雲が立ち込めており、時折雷鳴が鳴り響くなど、全体的に薄暗い印象を与える。
- グリッド・バグ
- グリッド世界をパトロールする、クモのような形状をしたプログラム。
- ゲーム
- グリッド内でのポピュラーな娯楽の一つ。はぐれプログラムや違反者の処刑も兼ねている。大型の闘技場で行われ、会場には多くの観客が詰めかけている。劇中ではディスクを使って1対1で戦う「ディスク・バトル」や、ライトサイクルを使って争うチーム戦の「グリッド・ゲーム(ライトサイクル・バトル)」が行われた。
- 「グリッド・ゲーム」は前作のライトサイクルゲームに相当するものだが、前作との顕著な違いとして、ステージが立体構造になっており、ライトサイクルも現実のバイクのように三次元的な動作が可能になっている。また、ライト・リボンによる攻撃だけでなく、相手を直接ディスクなどで攻撃することもできる。
- サイクル
- グリッド世界での時間の単位。汎用コンピューターにおけるサイクルに由来。
- デレズ
- プログラムの削除・抹消の意。分解・解体などの意味を持つ非解像化 (ディゾリューション)の語句に基づく。
- トロン・シティ
- グリッド内の都市。クルーの統治下にあり、厳しいルールが敷かれている。
- はぐれプログラムや脱走者はクルー軍に捕獲され、プログラムを修正されたり、ゲームに駆り出される。
- ポータル
- グリッド世界と現実世界を結ぶ出入り口。グリッド内部から開けることはできず、現実世界の外部からのみ開閉可能。しかし開いても数時間後には閉まってしまうため、ユーザーは誰かが現実世界からアクセスしない限り、半永久的に閉じ込められてしまう。仮に開いていても、内部から起動するにはケヴィンのディスクが必要。
- グリッド内で生まれたプログラムであっても、これを使えば現実世界に進出することができる。
- 一般のプログラムが安易に近付けないよう、グリッドの海の向こう側に存在しており、ソーラー・セーラーでのみ行き来することができる。
- ユーザー
- 現実世界の人間のこと。プログラムは基本的に人間をユーザーと呼称する。
- クルーに賛同するプログラムからは「プログラムに圧政を強いた悪人」とみなされており、クルーの「リアルへの侵略」が支持される一因となっている。
- ライト・リボン
- ライトサイクルなど、一部のグリッド内の乗り物が生成する帯状の光の防護壁。触れた物体を破壊する。
- 別称はジェット・ウォール。正面からぶつかってきたライトサイクルを一方的に破壊するほどの耐久力があるが、ライト・ファイターの機銃には撃ち抜かれ、破壊された。
アイテム
- ディスク
- 持ち主であるプログラムの全行動と学習したことが記録され、ID機能も備えた発光ディスク。グリッドに住まうほぼすべてのプログラムに与えられている。何らかの理由で紛失した場合、そのプログラムは消去される。
- 通常は背中に装着されており、戦闘時には周囲に刃を展開し、互いに投げ合い戦う武器としても使うほか、ナックルダスターのような白兵戦用の武器として使用することもできる。別称はアイデンティティ・ディスク、IDディスクとも。
- また、記録装置であり「プログラムそのもの」ではないため、プログラム間でディスクをトレードすることもできる。
- ライト・バトン
- 武器を生成するバトン型のツール・プログラム。携帯型であり、ライト・サイクルやソード(剣)などの武器を生成可能。別称は単にバトンとも。
- スタッフ
- ライト・バトンから生成される棒状の武器。グリッド世界ではクルー軍が使用し、長い警棒のような役割を担う。
- ソード
- ライト・バトンから生成される細い光の剣。クオラが好んで使用し、使用した際は短刀程度の長さに展開される。
- バトンの両端から剣を出力して使用することも可能。
- ライト・グラネード
- 抜群の爆発力を持つ手榴弾のような爆弾。時限機能も搭載している。
製作
1990年代後半にディズニーが続編を考え、ピクサーが『トロン』の続編またはリメイクを製作を企画していると1999年7月29日にZDnet Newsが報じた[1]が、結局実現しなかった。
撮影は2009年4月にバンクーバーで始まり[2]、3Dで撮影された[3]。VFXはデジタル・ドメインが行った[4]。
劇中のジェフ・ブリッジスの30代の姿は、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』で開発されたコンツアーシステムで、CGで作られた顔を代役の俳優に合成したものである。
音楽
詳細は「トロン:レガシー オリジナル・サウンドトラック」を参照
本作の映画音楽はエレクトロニック・ミュージシャンであるダフト・パンクが手掛け[5]、録音は ロンドンのAIRリンドハースト・スタジオで行われた[6]。また劇中に挿入歌として、ジャーニーの"Separate Ways"が使われている[7]。
VFX&アニメーション
- デジタル・ドメイン
- Prime Focus
- Mr. X
- Quantum Creation FX
ゲーム
映画とタイアップしたコンピュータゲーム作品Tron: Evolutionが発売された。北米発売日は2010年12月7日[8]。
その他
- 全国のTOHOシネマズでの『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』の上映スクリーンでは、11月19日~12月16日の約一ヶ月間限定で、コミコンにて公開された特別映像が上映された[9]。
- アニメ『スティッチ!』の2010年12月8日から12月21日放送分では、3週間限定で本作とコラボレーションし、劇中で主人公たちが着用するトロンスーツを着たスティッチが登場する。
- 一部の109シネマズ・ユナイテッド・シネマで上映されるIMAXデジタルシアター版での上映は、スクリーン全体に広がって見える特別バージョンのアクションシーンが含まれている。
- 前作「トロン」の内容をオマージュしたシーンがいくつか存在する。本編開始時のワイヤーフレームで街が構成される場面や、サムが「ディスク」について説明を受ける場面など。
脚注
- ^ “Pixar Studios to remake Disney's Tron?” (英語). ZDNet (1999年7月24日). 2010年12月4日閲覧。
- ^ “First Location Shot from 'Tron 2.0'” (英語). Robert Falconer. CinemaSpy (2009年4月8日). 2009年8月11日閲覧。
- ^ Cybergosh (2008年10月7日). “'Tron 2' 3D in 2010” (英語). Web. UGO.com. 2009年4月25日閲覧。
- ^ By (2009年8月4日). “Disney unveils 'Tron' effects studio – Entertainment News, Technology News, Media” (英語). Variety. 2009年8月14日閲覧。
- ^ “Daft Punk To Score 'Tron 2′”. Billboard (2009年3月4日). 2009年4月27日閲覧。
- ^ Tron: Legacy | Music. waltdisneystudiosawards.com. Retrieved November 19, 2010.
- ^ “SDCC: Comic-Con: Disney 3D Hits Hall H!” (2009年6月23日). 2009年6月23日閲覧。
- ^ O'Connor, Alice (2009年12月12日). “'Tron Evolution' Game Coming Holiday 2010 – Shacknews – PC Games, PlayStation, Xbox 360 and Wii video game news, previews and downloads”. Shacknews. 2010年3月9日閲覧。
- ^ 「トロン:レガシー」3D特別映像を限定上映! || TOHOシネマズ
外部リンク
トロン: レガシー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/03 22:47 UTC 版)

トロン: レガシー | |
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Tron: Legacy | |
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監督 | ジョセフ・コシンスキー |
脚本 | アダム・ホロウィッツ エドワード・キッツィス |
原案 | アダム・ホロウィッツ エドワード・キッツィス ブライアン・クラグマン リー・スターンサル |
原作 | キャラクター創造 スティーブン・リズバーガー ボニー・マックバード |
製作 | ショーン・ベイリー ジェフリー・シルヴァー スティーブン・リズバーガー |
製作総指揮 | ドナルド・クシュナー |
出演者 | ギャレット・ヘドランド ジェフ・ブリッジス オリヴィア・ワイルド |
音楽 | ダフト・パンク |
撮影 | クラウディオ・ミランダ |
編集 | ジェームズ・ヘイグッド |
製作会社 | ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ LivePlanet |
配給 | ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ |
公開 | 2010年12月17日 |
上映時間 | 126分 |
製作国 | ![]() |
言語 | 英語 |
製作費 | $170,000,000[1] |
興行収入 | ![]() ![]() |
前作 | トロン |
次作 | トロン:アレス |
『トロン: レガシー』(原題: Tron: Legacy)は、2010年のアメリカのSFアクション映画。1982年に公開された映画『トロン』の28年ぶりの続編である。
ストーリー
エンコム社のCEOとなったケヴィン・フリンが謎の失踪を遂げてから20年あまり。27歳に成長した息子サムは、エンコムの筆頭株主でありながら、父に捨てられたという思いから、エンコムの経営に関わろうとしなかった。
ある日、父の親友で親代わりであるアランが、ケヴィンの失踪当時から肌身離さずもっているポケベルを通じて、父から謎のメッセージを受け取ったことをサムに告げる。ポケベルの発信元は、かつてケヴィンが経営していたゲームセンターの電話番号であった。手がかりを求めてゲームセンター跡を訪れたサムは、起動していた物質電子変換装置によってコンピューター内部世界「グリッド」へと送り込まれてしまう。
子供の頃に胸を踊らせて聞いていた父の話が本当であったこと、そして、父と再会することへの期待に歓喜するサムであったが、「はぐれプログラム」として捕縛され、連行されたトロン・シティでは、はぐれプログラムや脱走者がデレズ(de-rez 削除・抹消の意)するまで戦わせられる「ゲーム」が開催されていた。サムも参加を強制させられ、危うく命を落としそうになるが、プログラムではなくユーザー(人間)であることを知られると、サムの前に若い頃の父と瓜二つの容姿を持つこの世界の支配者クルーが現れる。混乱するサムをよそに、クルーは自らの手でサムを処刑するため、「ライトサイクル」を使って争うチーム戦の「グリッド・ゲーム(ライトサイクル・バトル)」を決行する。サムは持ち前のバイクの腕を生かし、他のプログラム達と協力して戦うが、やがて窮地に立たされる。しかし、そこに現れた謎の美女クオラに救助され、トロン・シティを脱出する。都市から遠く離れた家に足を踏み入れると、そこには父ケヴィンがいた。再会を果たし涙するサムにケヴィンは過去の出来事を語り始める。
ケヴィンはトロンと、新たに作ったプログラムであるクルーの三人でグリッド世界を理想郷に変えようとしていたが、ある日、グリッドに突如デジタル生命体が誕生した。アイソー(ISO、同型アルゴリズム)と名付けられた彼らの存在は、ケヴィンの価値観を変えることとなる。そこに新たな人類の未来を見たケヴィンは、アイソー達をグリッドに迎え入れ、やがては現実世界に送る準備を進めたが、「完璧な世界の創造」をプログラムされたクルーは使命を持たない彼らを「完璧でない」とみなし、クーデターを起こした。トロンの犠牲によってケヴィンは逃げ延びたが、戦えば戦うほど強くなるクルーの前には為す術がなく、アイソー達は虐殺されてしまう。アイソーの唯一の生き残りであるクオラと共にグリッドの荒野に逃れたケヴィンは、そこで今まで隠遁生活を送っていたのであった。
サムは父を連れて現実世界に戻ろうとするが、ここに来た経緯を聞いたケヴィンはそれがクルーの罠であることに気付く。グリッド世界と現実世界を結ぶ出入り口の「ポータル」は、現実世界からのみ開ける事ができ、時間とともにやがて再び閉じてしまう。また、グリッド世界側からポータルを通過するにはマスターキーであるケヴィンの「アイデンティティ・ディスク」が必要である。クルーは「完璧でない」現実世界への侵攻のためにサムをおびき寄せたのだった。クルーはケヴィンと再融合をすれば消滅するが、それは同時にケヴィンの死も意味していた。ケヴィンはクルーの野望を阻止するためこの世界に骨を埋めようとするが、サムは父との帰還を望み、クオラの力を借りてレジスタンスのリーダーズースに会いに行く。サムとクオラは、キャスターと名を変えてクラブ「エンド・オブ・ライン」に潜んでいたズースに会うことが出来たが、ズースはすでに寝返っており、クルーの兵隊が攻め込んでくる。
助けに現れたケヴィンの力によって窮地を脱することができたサムとクオラだが、ケヴィンはディスクが奪われ、クオラも重傷を負ってしまう。3人はソーラー・セーラーに乗ってポータルへと向かうが、そこにはクルーによってプログラムを変えられ、リンズラーと名を変えたトロンが現れる。クオラが捕まってしまうが、クルーが現実世界への侵攻の準備を進めている隙を突いて、サム達はディスクとクオラを奪還。ライト・ジェットに乗ってポータルへと急ぐが、クルーとリンズラーによる執拗な追撃を受ける。激しい空中戦を繰り広げる中、リンズラーはトロンとしての記憶を思い出し、身を挺してクルーを妨害する。遂にポータルへとたどり着いた3人の前に、先回りしていたクルーが立ちはだかる。反逆以来初めて対峙するケヴィンとクルー。クルーはケヴィンに対し、与えられた使命を全うしようとした自分を裏切ったと悲痛に訴え、再びケヴィンのディスクを奪うが、ケヴィンが持っていたのはすり替えられたクオラのディスクであった。父のアイデンティティ・ディスクを高く頭上に掲げ、クオラとともに現実世界へ戻るサム。その姿を誇らしげに見つめつつ、ケヴィンはクルーと再融合し消滅する。
クオラと共に現実世界へと帰還したサムは、エンコム社をかつての父の理想の会社に戻すべくアランを会長に任命。サムはクオラが憧れてた太陽の光を浴びながら、バイクで駆けていくのだった。
キャスト
役名 現実世界 コンピューター内部世界 |
俳優 | 日本語吹替 |
---|---|---|
サム・フリン | ギャレット・ヘドランド | 平川大輔 |
ケヴィン・フリン クルー2.0 |
ジェフ・ブリッジス | 磯部勉 |
クオラ | オリヴィア・ワイルド | 小松由佳 |
アラン・ブラッドリー トロン2.0(リンズラー) |
ブルース・ボックスライトナー | 大塚芳忠 |
サイレン・ジェム | ボー・ギャレット | 甲斐田裕子 |
ジャービス | ジェームズ・フレイン | 咲野俊介 |
ズース(キャスター) | マイケル・シーン | 桐本琢也 |
リチャード・マッキー | ジェフリー・ノードリング | 木下浩之 |
サイレン | ヤヤ・ダコスタ セリンダ・スワン エリザベス・マシス |
|
エンド・オブ・ラインのDJ | ダフト・パンク | |
サムの祖母 | ベリンダ・モンゴメリー | |
カメオ出演 | ||
エドワード・デリンジャー | キリアン・マーフィー | 土田大 |
製作
1990年代後半にディズニーが続編を考え、ピクサーが『トロン』の続編またはリメイクの製作を企画していると1999年7月29日にZDnet Newsが報じた[3]が、結局実現しなかった。
本作の撮影は2009年4月にバンクーバーで始まり[4]、3Dで撮影された[5]。VFXはデジタル・ドメインが行った[6]。
ジェフ・ブリッジス、ブルース・ボックスライトナーが前作に引き続き、同じ役で出演。劇中にて、ブリッジス演じるケヴィンの30代の姿は、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』で開発されたコンツアーシステムにより、CGで作られた顔を代役の俳優に合成したものである。
音楽
本作の映画音楽はエレクトロニック・ミュージシャンであるダフト・パンクが手掛け[7]、録音は ロンドンのAIRリンドハースト・スタジオで行われた[8]。また劇中に挿入歌として、ジャーニーの"Separate Waysとユーリズミックスの”Sweet Dreams (Are Made of This)”が使われている[9]。
VFX&アニメーション
- デジタル・ドメイン
- Prime Focus
- Mr. X
- Quantum Creation FX
評価
レビュー・アグリゲーターのRotten Tomatoesでは248件のレビューで支持率は51%、平均点は5.80/10となった[10]。Metacriticでは40件のレビューを基に加重平均値が49/100となった[11]。
ゲーム
- 『Tron: Evolution』
PlayStation 3、Xbox 360、Windows用ゲーム作品。映画の前日譚を描く。北米発売日は2010年12月7日[12]、日本未発売。
- 『キングダムハーツ3D』
新ワールドと新キャラクター達のゲストとして登場。該当エピソードは映画スタッフが監修を担当している。
- 『Tron RUN/r』
PlayStation 4、Xbox One、Windows用ダウンロードソフト。2016年2月17日より配信。
- 『マジックキャッスル・オンライン』
2010年12月7日から2011年1月10日まで、ユーザー向けにアバター用のサム・フリンとクルーのコスチュームが配布された。
- 『トロン:レガシー ライトサイクル』
2010年からディズニーゲームズで提供されていたブラウザゲーム。Unity Web Playerが必要。
アプリ
作中登場した「レコグナイザー」の3Dシューティングゲームのアプリが有料配信されている[13]。
書籍
『トロン:レガシー (映画文庫) 』竹書房より発売された。著者はエディー・キツィス。翻訳は入間眞。ISBN 978-4812444283
『THE ART OF TRON:LEGACY ディズニー映画『トロン:レガシー』の世界』小学館集英社プロダクションより発売。ISBN 978-4796870849
『コミック版 トロン:レガシー』鷲尾直広による漫画化作品。コミック アース・スターにて連載。単行本全1巻。ISBN 978-4803002508
その他
この記事に雑多な内容を羅列した節があります。
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- 全国のTOHOシネマズでの『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』の上映スクリーンでは、11月19日~12月16日の約一ヶ月間限定で、コミコンにて公開された特別映像が上映された[14]。
- アニメ『スティッチ!』の2010年12月8日から12月21日放送分では、3週間限定で本作とコラボレーションし、劇中で主人公たちが着用するトロンスーツを着たスティッチが登場。
- 一部の109シネマズ・ユナイテッド・シネマで上映されるIMAXデジタルシアター版での上映は、スクリーン全体に広がって見える特別バージョンのアクションシーンが含まれている。Blu-rayはシネマスコープとビスタサイズが混在しているIMAX版でリリースされる。
- 前作『トロン』をオマージュしたシーンが点在する。
- 本編開始時にワイヤーフレームで街が構成される
- サムがアランの話を聞き流しながらTシャツを着替える(前作ではケヴィン)
- サムがエンコム社の赤いセキュリティ・ゲートをクラッキングで開け、ゆっくりと開く様子を見ながら「大げさなドアだ」と発言(前作ではケヴィン)
- デスクにはめ込まれたタッチパネル式のモニタとソフトウェアキーボードでオペレーションを行う
- 貸与されたディスクについて説明を受ける
- ケヴィンの台詞「コツは手首だ」(前作ではビデオゲームでハイスコアを出した時、今作ではクオラにライト・ジェットを操縦させる際の助言)
- 頭上に掲げたディスクを浮上させて内部世界から外部へのアクセスパスを開く
- 前作『トロン』ではディスクはフリスビー状だった(ディスクで水をすくって飲むシーンがある)が、今作ではリング状になり円月輪のように手持ち武器としても使用できるようになった(引き替えで敵弾を跳ね返す盾としての使い方がなくなった)。また前作では現実世界で端末からアクセスするのに普通の英文を入力していたが、今作ではUNIXコマンドを入力している。
- クルーは前作でも、ケヴィンがエンコム社へハッキングする際のプログラムとして登場している。今作のクルーはバージョン2.0である。
- 中国の上海ディズニーランド(上海ディズニーリゾート)には前作と本作をテーマにしたバイク型ジェットコースターのアトラクション「トロン・ライトサイクル・パワーラン」のオープンしている。2021年にはマジック・キングダム(ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート)でもオープン予定。
脚注
- ^ a b “Tron Legacy”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2012年5月16日閲覧。
- ^ 2011年興行収入10億円以上番組 (PDF) - 日本映画製作者連盟
- ^ “Pixar Studios to remake Disney's Tron?” (英語). ZDNet (1999年7月24日). 2001年4月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年12月4日閲覧。
- ^ “First Location Shot from 'Tron 2.0'” (英語). Robert Falconer. CinemaSpy (2009年4月8日). 2009年8月11日閲覧。
- ^ Cybergosh (2008年10月7日). “'Tron 2' 3D in 2010” (英語). Web. UGO.com. 2009年4月25日閲覧。
- ^ By (2009年8月4日). “Disney unveils 'Tron' effects studio – Entertainment News, Technology News, Media” (英語). Variety. 2009年8月14日閲覧。
- ^ “Daft Punk To Score 'Tron 2′”. Billboard (2009年3月4日). 2009年4月27日閲覧。
- ^ Tron: Legacy | Music Archived 2010年11月4日, at the Wayback Machine.. waltdisneystudiosawards.com. Retrieved November 19, 2010.
- ^ “SDCC: Comic-Con: Disney 3D Hits Hall H!” (2009年6月23日). 2009年6月23日閲覧。
- ^ “Tron: Legacy”. Rotten Tomatoes. Fandango Media. 2022年7月9日閲覧。
- ^ “Tron: Legacy Reviews”. Metacritic. CBS Interactive. 2022年7月9日閲覧。
- ^ O'Connor, Alice (2009年12月12日). “'Tron Evolution' Game Coming Holiday 2010 – Shacknews – PC Games, PlayStation, Xbox 360 and Wii video game news, previews and downloads”. Shacknews. 2010年3月9日閲覧。
- ^ アプリや北米で発売されたゲームとは別に、日本ではディズニーゲームズにて無料ゲームの提供がされている。
- ^ 「トロン:レガシー」3D特別映像を限定上映! TOHOシネマズ
外部リンク
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