F1/エフワン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/15 04:36 UTC 版)
F1/エフワン | |
---|---|
F1 | |
![]() |
|
監督 | ジョセフ・コシンスキー |
脚本 | アーレン・クルーガー |
製作 | ジェリー・ブラッカイマー ブラッド・ピット デデ・ガードナー ジェレミー・クライナー ルイス・ハミルトン |
出演者 | ブラッド・ピット ダムソン・イドリス ケリー・コンドン ハビエル・バルデム |
音楽 | ハンス・ジマー |
撮影 | クラウディオ・ミランダ |
製作会社 | Appleスタジオ ジェリー・ブラッカイマー・フィルムズ プランBエンターテインメント |
配給 | ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ Apple TV+ |
公開 | ![]() ![]() |
上映時間 | 155分 |
製作国 | ![]() |
言語 | 英語 |
『F1/エフワン』(エフワン、原題:F1)は、ジョセフ・コシンスキー監督、アーレン・クルーガー脚本、そして両者による原案に基づく、2025年に公開されたアメリカのスポーツ映画である[3]。F1世界選手権を題材に、その統括団体であるFIAと共同制作された作品で、主演はブラッド・ピット[4]。共演にはダムソン・イドリス、ケリー・コンドン、ハビエル・バルデムなど。製作にはルイス・ハミルトンも携わった。
本作は2025年6月16日、ニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールでプレミア上映され、6月27日にワーナー・ブラザース映画によってアメリカで劇場公開された。
Apple TV+でのタイトルは『F1:ザ・ムービー』。
概要
架空のF1チーム「APX GP」で、所属する若手ドライバーのジョシュア・ピアース(ダムソン・イドリス)と、ピアースをサポートするために現役へ復帰したベテランドライバーのソニー・ヘイズ(ブラッド・ピット)、周囲の関係者らが織りなすドラマを描く作品である[注釈 1]。
あらすじ
現役を続ける年配のアメリカ人レーシングドライバーである、ソニー・ヘイズ(モデルはマーティン・ドネリー)は引退を拒み、バンで生活しながら決して一か所にとどまることなく各地を転々としている。1990年代にはチーム・ロータスからF1に参戦していたが、スペイングランプリでのクラッシュにより重傷を負い、彼のF1キャリアは幕を閉じた。その後はギャンブル依存症に陥り、現在はレースからレースへと渡り歩く生活を送っている。
そんな彼がデイトナ24時間レースで優勝した後、かつてのロータス時代のチームメイトであり、現在はAPXGP F1チームのオーナーであるルーベン・セルバンテス(ハビエル・バルデム)から声がかかる。APXのセカンドドライバーがシーズン欠場となったため、セルバンテスはヘイズにテストドライブの機会を提供する。さらにセルバンテスは、今シーズン中にチームが1勝も挙げられなければ、投資家により自分が解任される可能性があると明かした。
F1で低迷しているチームであることを承知のうえで、セルバンテスは職を懸けてヘイズに賭ける。ヘイズも渋々ながらその賭けに乗る決意を固め、残り9戦に挑むこととなる。
キャスト
※括弧内は日本語吹替[6][7][8][9][10][11][12][13][14]
- 現在はバンで放浪中のレーサー。1990年代にロータスのF1ドライバーとして活躍していたがレース中の事故で一度キャリアに幕を下ろすこととなるが、かつてのチームメイト、ルーベンがオーナーを務めるチーム『APXGP』に参加しF1に復帰することとなる。
- APXGP で活躍する優秀な新人レーサー。ソニーのチームメイト兼最大のライバルとなる。
- APXGPのテクニカルディレクターであり、後にソニーの恋人となる。
- APXGPのオーナーであり、チーム・ロータス時代のチームメイトであり友人。
- ピーター・バニング - トビアス・メンジーズ(森川智之[15])
- APXGPの役員。
- バーナデット・ピアス - サラ・ナイルズ(本田貴子)
- ジョシュアの母。
- キャスパー・スモリンスキー - キム・ボドゥニア(江原正士)
- チップ・ハート - シェー・ウィガム(加瀬康之)
- リコ・ファツィオ - ジョセフ・バルデラマ(三宅健太)
- キャッシュマン - サムソン・ケイオ(木村昴)
- ジョディ - キャリー・クック(内田真礼)
- ヒュー・ニッケルビー - ウィル・メリック(内田雄馬)
- ドッジ・ダウダ - アブダル・サリス(杉村憲司)
※以下は本人役で出演。
- マックス・フェルスタッペン
- セルジオ・ペレス
- ルイス・ハミルトン
- ジョージ・ラッセル
- シャルル・ルクレール
- カルロス・サインツJr.
- ランド・ノリス
- オスカー・ピアストリ
- フェルナンド・アロンソ(早川毅)
- ランス・ストロール
- ピエール・ガスリー
- エステバン・オコン
- バルテリ・ボッタス
- 周冠宇
- ニコ・ヒュルケンベルグ
- ケビン・マグヌッセン
- ニック・デ・フリース
- ダニエル・リカルド
- 角田裕毅
- リアム・ローソン
- ローガン・サージェント
- アレクサンダー・アルボン
- 観戦客 - クリス・ヘムズワース
製作
本作には、 2023年と2024年のF1シーズンの映像が組み込まれている。例えば、ギュンター・シュタイナーは2023年シーズン後にハースを去ったが、 この映画ではハースのチーム代表として出演している。
Sky SportsのF1コメンテーターである、マーティン・ブランドルとデビッド・クロフトが、映画で描かれているレースの解説を担当している。他にも、ル・マン24時間レースで3度優勝したブノワ・トレルイエとモータースポーツ解説者であるウィル・バクストンが出演している。
F1を主催している企業であるリバティメディアの公認で、F1グランプリ開催中のサーキットでも撮影した。APX GPの車両は、2023年までFIA F2で使用したダラーラ・F2 2018を、メルセデスAMG F1の協力を得てF1マシン風に改装した[16]。撮影ではブラッド・ピットが実走させた[5]。なお撮影用のマシンは全部で12台用意され(うち6台はクラッシュシーン用)[17]、中には本家には存在しない電気自動車バージョンも存在した[18]。
マシンにはメルセデスやAMG、トミーヒルフィガー、時計メーカーのIWC、経費管理ソフトのExpensify等のロゴが見られるが、これらはプロダクトプレイスメントの一環として広告枠を売買したもので、それら広告費の推計は約4000万ドルにも達した[19]。
2024年のデイトナ24時間レースでも撮影し、撮影用車両であるポルシェ・911 GT3 R(120号車)もレースに参加した[20]。
脚注
注釈
- ^ 主題の「ベテランドライバーが新進気鋭の若手をサポートするために復帰」は、2001年のシルヴェスター・スタローン作品『ドリヴン』と類似性が指摘される[5]。
出典
- ^ Roxborough, Scott (2024年5月16日). “Imax Unveils 2025 Film Slate, Including Superman: Legacy and The Fantastic Four”. The Hollywood Reporter. 2024年5月16日閲覧。
- ^ D'Alessandro, Anthony (2024年6月17日). “Apple Original Films' Formula 1 Brad Pitt Movie Lands Summer 2025 Global Theatrical Release With Warner Bros”. Deadline Hollywood. 2024年6月18日閲覧。
- ^ “Apple Confirms Deal For Brad Pitt Formula One Film From 'Top Gun: Maverick' Director Joseph Kosinski” (2022年6月7日). 2023年7月16日閲覧。
- ^ “ブラッド・ピット主演のF1映画、2025年夏に全米で劇場公開”. 映画.com. (2024年6月24日) 2024年7月14日閲覧。
- ^ a b 超大物俳優ブラッド・ピット、映画撮影で訪れたF1の世界に大興奮「まさに“男の夢”だ……追い出されるまでここにいるよ!」 - motorsport.com 2023年7月11日
- ^ “「F1 エフワン」日本版声優に“ブラピ公認声優”堀内賢雄&「SixTONES」森本慎太郎! 「We Will Rock You」が響き渡る日本版予告も公開”. 映画.com. (2025年5月26日) 2025年5月26日閲覧。
- ^ “ルーキー ジョシュア役日本版声優にSixTONES 森本慎太郎さんが決定!ソニー役は、ブラピ公認声優の堀内賢雄さん!!レジェンド vs 期待の新星が火花を散らす!ぶっちぎれ予告も解禁!”. 映画『F1/エフワン』公式サイト. (2025年5月26日) 2025年5月26日閲覧。
- ^ “SixTONES森本慎太郎が『F1/エフワン』で吹替初挑戦! ブラピの声は本人公認の堀内賢雄に決定”. ぴあ. (2025年5月26日) 2025年5月26日閲覧。
- ^ “ブラピ主演『F1/エフワン』、森本慎太郎×堀内賢雄の豪華吹替が決定―吹替版予告映像も解禁”. Formula1-Data. (2025年5月26日) 2025年5月27日閲覧。
- ^ “SixTONES森本慎太郎、『F1/エフワン』日本版声優に決定!「ブラピとバチバチにやり合えた」”. MOVIE WALKER PRESS. (2025年5月26日) 2025年5月27日閲覧。
- ^ “森本慎太郎、『F1』で実写吹替初挑戦 ブラッド・ピットと声で掛け合い「一個自慢ができました」”. シネマトゥデイ. (2025年5月26日) 2025年5月27日閲覧。
- ^ “SixTONES・森本慎太郎、ブラピ公認声優の堀内賢雄とともに『F1/エフワン』日本版声優に! 日本版予告映像も到着”. クランクイン!. (2025年5月26日) 2025年5月27日閲覧。
- ^ “「F1」追加声優に本田貴子・内田雄馬ら、SixTONES森本慎太郎が魅力語る新映像も”. 映画ナタリー (2025年6月6日). 2025年6月6日閲覧。
- ^ “映画『F1®️/エフワン』 -日本語吹き替え版”. 吹替キングダム (2025年6月27日). 2025年6月27日閲覧。
- ^ “森本慎太郎、『F1/エフワン』吹替え初挑戦は「楽しかった」と笑顔!森川智之が「すばらしい。声優業も極めてほしい」と瞳キラリ”. MOVIE WALKER PRESS. (2025年6月1日) 2025年6月1日閲覧。
- ^ ブラッド・ピットのF1映画の撮影がスタート。架空チーム『APXGP』のマシンがシルバーストンを走行 - オートスポーツ・2023年7月7日
- ^ ”聖域”にまで踏み込んだ『F1』映画セットが凄い―12台もの特製マシン、ハミルトンを”恐怖”させたAPXGPガレージ - Formula1-Data 2025年6月23日
- ^ 映画『F1/エフワン』撮影秘話……作品に登場するブラッド・ピットがドライブするAPXGPのマシンには、電動バージョンもあった!? - motorsport.com 2025年7月14日
- ^ ブラッド・ピットを映画『F1/エフワン』で58億円の人間広告塔にした男 - Forbes Japan・2025年7月7日
- ^ デイトナでのブラッド・ピットF1映画撮影秘話をIMSA社長が明かす「午前2時まで彼らは走っていた」 - オートスポーツ・2024年2月6日
外部リンク
- F1/エフワンのページへのリンク