スポーツ映画とは? わかりやすく解説

スポーツ映画

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/31 04:45 UTC 版)

スポーツ映画(Sports_film)とは、特定のスポーツが映画の中で重要な役割を果たすか、または中心的なテーマ英語版として扱われる映画のジャンルである。

概要

スポーツ、スポーツイベント、アスリート(とそのスポーツ)、スポーツのファン(とそのスポーツ)が大きく取り上げられ、プロットにおける動機づけや問題解決にかなりの程度スポーツが関わっている作品である。ただし、そのような映画においてスポーツが中心的な関心事となることはほとんどなく、スポーツは主に寓話的な役割を担っている[1]。また、スポーツファンは必ずしもそういう映画のターゲット層ではないが、スポーツファン自体はそのような映画に対して高い支持と評価をする傾向がある。

サブジャンル

Poster for the film Doubletime about jumping rope.

スポーツ映画にはいくつかのサブカテゴリーがあるが、これらのサブジャンル間の境界は、実写映画と同様、やや流動的となっている。

映画で描かれるスポーツのサブジャンルは、スポーツドラマとスポーツコメディが一般的である。この2つのカテゴリーでは、スポーツをする場所の設定や試合、そのスポーツにおける強敵など、一般的に物語の内容において骨格や肉付けといったストーリーに厚みを出す要素が使われる場合が多い。

スポーツ映画では、より華やかに描かれたスポーツの世界を特徴とする傾向がある一方で、より選手志向であったり、テーマ的に複雑であったりする。多くの場合、冒険的な無謀さを持つ挑戦的な主人公が登場し、試合中の主人公サイドの行動と明確な勝ち負けが特徴となっている。

テーマ的には、「主人公チーム」対「ライバル(または強豪)チーム」という構図が多く、相手チームは常に勝利を目指す勝利至上主義的なチームであるのに対し、主人公チームは自らが評価や失ったものを取り戻すチームに値するということを世の中に示す場合が多い。ただし、必ずしもチームが絡むストーリーである必要はない[2]

スポーツコメディ

スポーツコメディは、スポーツ映画というジャンルとコメディ映画の要素を併せ持ったものである。伝統的に、そのような映画はスラップスティック・ユーモアや、誰かがコミカルな方法でいじられるといった非常に身体的なコメディに大きく依存している。典型的なストーリーとしては、自分がやっているスポーツを見失った人が、再びそのスポーツに打ち込もうとする、というものである[3]。このジャンルの例としては、『メジャーリーグ』(1989年)、『ウォーターボーイ』(1998年)、『ロンゲスト・ヤード』(2005年)、『タラデガ・ナイト オーバルの狼』(2006年)、『俺たちフィギュアスケーター』(2007年)などがある[4]

スポーツドラマ

スポーツドラマは、スポーツ映画というジャンルとドラマ映画の要素を組み合わせたものである。そのような映画は、通常、アスリートやチームを中心に展開される対立を軸とした物語に依存している。さらに、スポーツドラマはカテゴリーに分けることができ、『42 〜世界を変えた男〜』(2013年)のような人種に焦点を当てた映画もあれば、『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』(2018年)のような歴史の中の特定の瞬間に焦点を当てた作品もある[5]

このジャンル/タイプの例には、以下のような作品がある。

受賞作品

スポーツ映画は、これまでにも数々の賞を受賞するような現象が起きている。NFLを舞台にした映画『しあわせの隠れ場所』(2009年)やボクシング映画の金字塔ロッキー』(1976年)、クリント・イーストウッドが監督を務めた『ミリオンダラー・ベイビー』(2004年)など、中にはアカデミー賞における最高の栄誉である作品賞にノミネートされ、受賞した映画作品もある[6]。その他、『ザ・エージェント』(助演男優賞、1996年)、『さよならゲーム』(各種批評家協会賞脚本賞、1988年)、そして『ベスト・キッド』(アカデミー賞等助演男優賞ノミネート、1984年)などが高いレベルの賞を獲得している。このようにスポーツ映画には栄誉ある賞を受賞する作品もあるが、そのような賞の有無に関係なく、このジャンルは多くの人に愛されている[7]

スポーツ映画の一覧

スポーツ映画の最高興行収入

脚注

  1. ^ Crosson, Seán (2013). Sport and Film. Abingdon, Oxon: Routledge. pp. 60. ISBN 9780415569934. https://www.academia.edu/27935619/The_Sports_Film_Genre 
  2. ^ Firestein, David J. (2007). “Fields of Dreams: American Sports Movies”. E Journal USA 12. 
  3. ^ Sports” (英語). The Script Lab (2011年3月26日). 2022年11月2日閲覧。
  4. ^ Williams, Eric R.. Screen adaptation : beyond the basics : techniques for adapting books, comics, and real-life stories into screenplays. Ayres, Tyler.. New York. ISBN 978-1-315-66941-0. OCLC 986993829. https://www.worldcat.org/oclc/986993829 
  5. ^ Subgenre - Sports Drama” (英語). AllMovie. 2022年11月2日閲覧。
  6. ^ Mangubat, Lio (2020年1月14日). “The Spin List: These are the sports movies that have won Best Picture at the Oscars”. The Spin. 2023年1月16日閲覧。
  7. ^ Conti • •, Kristen. “Oscar-Worthy Sports Films Throughout History” (英語). NBC4 Washington. 2022年11月2日閲覧。
  • Friedman, Lester D. (2020) Sports Movies Rutgers University Press ISBN 9780813599885
  • (fr) Julien Camy and Gérard Camy, ed. Du Bailli de Suffren (2016) Sport&Cinéma (1200 films, 60 sports, 80 interviews)
  • Edgington, Erskine, Welsh (2010) Encyclopedia of Sports Films Scarecrow Press ISBN 9780810876538
  • Allen & Hershenson (1996) Sports Movie Posters ISBN 9781887893152



スポーツ映画

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 05:14 UTC 版)

白人の救世主」の記事における「スポーツ映画」の解説

2015年の映画、『マクファーランド 栄光への疾走』は白人救世主ジャンルの「感動的なスポーツ映画」の一つとして見られることがあるだがしかし監督ニキ・カーロこのように述べている。「私たち白人の救世主映画作らないようにとても気にかけた。そして、あなたはその題材白人の救世主映画作ることができただろうが、欠点のある彼がそのコミュニティによって最終的に救われたこと私たちにとっては本当に重要であった批評家のケイティ・キルケニーは「白人救世主」の前提認めたが、ほかの解釈指摘している。「パラダイム的なうわべを超えるという人もいれば、その映画は、更なる多様なアメリカで白人人々気分徐々に楽にさせる映画であると主張する者もいる」テュランはその映画は「白人の救世主映画のように聞こえるかもしれないけど、監督意向により、そういう風に見えない」と述べている。

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スポーツ映画

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 07:05 UTC 版)

ダイナマイトどんどん」の記事における「スポーツ映画」の解説

アメリカではがんばれ!ベアーズ』や『ロンゲスト・ヤード』『スラップ・ショット』など、スポーツ素材にした映画がたくさ作られ、『ロッキーのような大ヒット映画生まれたが、日本では映画黄金期1960年代まで作られていたスポーツ映画も1977年『ドカベン』『野球狂の詩』ボクサー』と全て興行失敗し定着しないジャンル見られていた。スポーツ映画は特に東映岡田東映社長新路開拓にしたいと1976年に『ラグビー野郎』を製作したが、大コケ終わった。しかし東映はこのスポーツ映画を何とかヒットさせたいという企図があり、1977年日本撮影が行われた『がんばれ!ベアーズ 大旋風』(『がんばれ!ベアーズ大旋風 -日本遠征-』)も東映受注し菅原持ち込み企画だった『ボクサー』の製作を決めたのもスポーツ映画をヒットさせて路線できないか考えたことが理由一つだった。 本作岡本監督自ら「平たく言えばがんばれ!ベアーズ』のやくざ版、任侠映画の大パロディ映画」、菅原は「これまでのどんな映画ジャンルにもないユニークな作品になる」などと述べプレスシートにも「単なるスポーツ映画ではなくルール超えて男の意地ぶっつけ合う面白さは、評判呼んだロンゲスト・ヤード』『スラップ・ショット』等に比肩される、折りからの野球ブームも、近年まれな大き期待集まっている一篇」などとアメリカのスポーツ映画比較する論調多かった当時はまだヤクザ映画パロディはあまり作られていなかった。

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