ティーパーティー組織
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「ティーパーティー運動」の記事における「ティーパーティー組織」の解説
ワシントン・ポスト紙の2010年10月24日の調査をもとにした解析によると、全米にはティーパーティー団体は確認できただけで647団体以上存在し、そのうちで下記の全国組織に所属する統制された下部組織は325団体(共和党系20団体を含む)を数え、いかなる組織にも属さない独立系の団体が272団体を数える。50団体は無回答であった。また全米ティーパーティー連盟など各団体との幹事会を開く連携のための組織もいくつかあった。各ティーパーティー団体の実態は、51%が50名以下のコアメンバーで活動する少人数グループで、1000名以上のメンバーが登録されているのは39団体のみで全体では6%でしかなかった。通常の集会では200名程度の聴衆を動員できたとのこと。この辺りが草の根活動と言われた所以だろう。組織化に当たっては、フリーダムワークスなどがコンサルタントを派遣したほか、各自で左派の抗議活動をモデルに組織したとされる。 「ティーパーティー・パトリオッツ」: 208以上の下部組織を持つ最大の団体。自称ティーパーティー運動のオフィシャル組織。減税と歳出削減を要求項目のトップとするリバタリアン系。 「アメリカン・フォー・プロスペリティ」: 27の下部組織。コーク兄弟の出資するクロード・R・ラム慈善財団が創設。著名な政治家を招いて政治集会などを実施している。 「フリーダムワークス」: 25の下部組織。他組織にもコンサルタントを派遣。「減税、小さな政府、大きな自由」の実現を理念として掲げるリバタリアンのロビー活動を以前から行ってきており、運動の影の仕掛け人とされ、コーク兄弟らに支援された保守派のロビースト団体であるという批判も。 「9-12プロジェクト」: 19の下部組織。FOXテレビとグレン・ベックが行った番組企画がもと。2011年にはティーパーティー・サマーキャンプなども主催して話題に。聖書や信仰を生活の中心とする(原理主義的)価値観を訴え、政府による富の再分配に反対する社会的保守派。 「ティーパーティー・エクスプレス」: 11の下部組織。動員型の全米ツアーを実施。運動を利用して政治資金を集めるために作られたとの批判も。 「ティーパーティー・ネイション」: 9の下部組織。入場料549ドルという初の全国大会実施。 「アメリカン・マジョリティ」: 4の下部組織。 「キャンペーン・フォー・リバティー」: 4の下部組織。 「アメリカインディアン・ティーパーティー・ネイション」。 各団体の規模は小さく、800ドル程度の開設資金で運動をスタートしたとしていて、その後も地元市民の個人献金に95%が依存しているが、上記のような全米組織はうって変わって豊富な資金力を有していて、ティーパーティー候補の使用選挙資金額は全米でも上位に位置する。意外にも70%の団体が特に選挙を目的にした活動はしていないと答えているが、29%が選挙活動をして、有権者を投票所に行かせる活動(70%)を主目的としており、ダイレクトメールやEメールによる宣伝(54%)、電話作戦(45%)などを行った。一部の地域では憲法を配る運動などもあった。 ティーパーティー団体は、全てが共和党を応援しているというわけではない。共和党を支持するは42%で、民主共和の党派に限らずに主張に合う候補を応援するというのが31%もあった。また共和党のみを支持するというティーパーティー団体であっても、無条件に共和党候補を応援するのは11%だけで、87%は政策の合う候補だけを応援すると注文をつけ、候補者の選別を行うために予備選の段階から積極的に行動した。フリーダムワークスのリチャード・アーミーとマット・キビーなどは早い段階で、「ティーパーティーは共和党に従属するような関係を望んでいるわけではなく、我々は共和党を敵対買収するつもりだ」答えていて、このティーパーティー勢力が共和党を乗っ取ろうというしているという見方は、保守リベラル双方の識者でほぼ共通の認識となっている。 このようにティーパーティーは政党ではなく、党派性は一面に限られるが、中間選挙前の共和党予備選では、エスタブリッシュ候補に満足しなかった一部のティーパーティー団体がその代表を出馬させた例がいくつかあった。
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