ダーク・タワー世界
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/29 19:06 UTC 版)
「ダーク・タワー」の記事における「ダーク・タワー世界」の解説
『ダーク・タワー』(とその系列にある作品中)には登場人物たちの背後にある2つの勢力の対立が描かれている箇所も多い。その背後にある力は、ここでは<純白>の勢力(善)と<深紅の王>の勢力(悪)の対立となっている。 <純白>は、ローランドの先祖、アーサー・エルド王(円卓の騎士などで知られるアーサー王)の古くからの勢力である。 そして、そのどちらにも加担し得る力として<カ>(ちからではなくか)が登場している。この<カ>の定義は非常に難しいが、いわゆる“ロースピーチ語”での「運命」という語がもっともよく当てはまる。または「個人の<カ>」という使い方をする場合、「個人の運命」だけでなく「個人の意志」をも表すようだ。<カ>の語源には諸説あるが、もっとも有力なのはヒンドゥー教のカルマ(業)である。「運命」には善悪は関係しない。したがってこの<カ>は、善悪に関係なく働くといわれる。実は、この<カ>の源は動物の形をとる守護者のひとり、亀である。亀は12の守護者の中で最高の格のものとされ、<ギャン>とも呼ばれる。 ギャンと暗黒の塔を支える魔法の力(ビーム)は、万物の原初の創造の源(プリム)から誕生した。宇宙はこのギャンによって創られたとされる。ここで重要なのは、塔がいくつもの世界・宇宙を一点で結んだ事である。が、長い時間の中でプリムが衰退し、暗黒の塔とビームだけが残った。魔法の時代の終焉である。 次にやってきたテクノロジーの時代では、<偉大なるいにしえの人々>が、全世界・宇宙を支配しようとした。宇宙と世界が無限にあることを彼らは見つけてしまったのである。当然暗黒の塔に手を出してビームを機械に置き換え、永久的であった魔法を損ねてしまった。世界と世界を結ぶ(機械の)ドアを造ったのも彼らである。最終的には疫病、核、生物兵器により彼らは自滅していった。ただし人々は、それらの行いに対しての償いとして12のサイボーグの守護者の偶像を造った(12という数字は、6本の細長いビームが塔を中心に放射状に配置されていて、その端を守護することによる)。それから数千年がたち、ローランド・デスチェインらの騎士とガンスリンガーの時代が来るのである。 ローランドの時代、ビームはすでに衰えており、深紅の王という強大な存在が暗黒の塔を倒壊させようとしていた。そのため、ローランドは自身の先祖であるアーサー・エルド(アーサー王)の末裔として、暗黒の塔をめざすことになる。この過程で、それぞれ別の年代のニューヨークにいたジェイク、エディ、スザンナを、世界の間をつなぐ(魔法の)ドアから引き入れたのである。このことが実は、まだ力を失っていない<ギャン>=<カ>の意志であった。それ故にこの一団は、<カ>によって結束した人々=<カ・テット>と呼ばれるのである。 深紅の王は塔を倒すため、『シャイニング』や『キャリー』などで登場した超能力を持つ子供をあらゆる世界から集め、その力を増幅してビームの破壊に用いている。また黒衣の男をはじめとする自分の部下を様々な世界に派遣し、塔を守る<純白>の勢力を衰えさせる工作を行った。これらの攻撃によって塔は狂い始め、キング作品の多くで深紅の王の勢力が拡大していった。<純白>の勢力は時にそれに抗い、打ち勝ってきたが、全ての原因である暗黒の塔の存在を知る者は極めて少なく、完全なる勝利はローランドとその<カ・テット>に委ねられている。 塔を守るためにはそれを支えるビームを守らなければならない。物語が始まった時点で3本あったビームだが、1本は旅の途中で折れてしまった。中間世界を通るもの、ニューヨークのある世界を通るものの2本を、彼らは救わなければならなくなる。
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