スクラップ・アンド・ビルドとは? わかりやすく解説

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スクラップ‐アンド‐ビルド【scrap and build】

読み方:すくらっぷあんどびるど

老朽化した陳腐化したりして物理的または機能的に古くなった設備廃棄し、高能率新鋭設備置き換えること。

行政機構における膨張抑制方法の一。組織新設にあたっては、同等組織廃止条件とすること。


スクラップアンドビルド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/06 10:07 UTC 版)

スクラップアンドビルド、またはスクラップ・アンド・ビルド和製英語:scrap and build)とは、老朽化して非効率な設備行政機構などを廃棄・廃止(スクラップ)した上で、新しい施設や設備、行政機構などに立て直す(ビルド)ことにより、設備・行政機構の効率化、集中化などを実現することを表す和製英語。日本の戦後の経済政策を説明する文脈等でよく用いられる。

対する概念としては、既存の設備や仕組みを壊さずに拡張するスケーラビリティがある。

概要

工場などの生産設備や行政機構などで、非効率的な設備や組織を廃棄して、新しい効率的なものに置き換えること。

小売業界では、老朽化した店舗や小規模店舗を閉店し、同じ商圏(または地域)内で、より大規模の新店舗に置き換えることを指す。

スクラップ・アンド・ビルドは和製英語であり、英語としては、意味が不明・文法的に不自然であり、そのままでは通じないか、誤解される可能性がある。

使用例

炭鉱

日本の炭鉱は、1960年代から事故への対策や輸入石炭との競合から採算性が悪化。 1962年(昭和37年)10月23日、政府が編成した石炭鉱業調査団は、抜本的な石炭政策の転換を図るためスクラップアンドビルド方式を答申した。老朽化した施設を有する炭鉱を閉山し新しい炭鉱への集約を行う施策に対し、全国52の炭鉱が無期限ストライキに突入したが流れを変えることができなかった(ストライキは同年12月8日に終了)[1]。新炭鉱は、「スクラップアンドビルド」の語から「ビルド鉱」と呼ばれた。

行政組織

日本の行政組織は、予算組織(ポスト)、天下り先の新設を行う場合、その肥大化を防ぐために、多くの場合は既存の予算や組織を廃止するが、これを「スクラップアンドビルド方式」と呼ぶ[2]

商業施設

日本の流通業においては、主にイオングループがこの手法を多く活用している。例として、自家用車で来店しにくい駅前立地の小型店や多層階の店舗を閉鎖[注釈 1]して、郊外に大型で駐車場のあるショッピングセンターを建設し移転する手法がある[注釈 2]。また、同一店舗を改築・改装する場合もある[注釈 3]。 その結果として、ファスト風土が進んでいる傾向がある。

なお、ジョイフル本田はそれと反対の手法を採用しており、既存の施設を撤去せずに拡張している。

脚注

注釈

  1. ^ ビブレフォーラストポスなどに業態転換する場合(例としてニチイ天神店天神ビブレの例がある)や、一部エリアを使いマックスバリュグルメシティなどの系列スーパーマーケットを出店させる場合もある。
  2. ^ 移転例として、ジャスコ伊勢店ジャスコ新伊勢店(現:イオン伊勢店)イオン七戸店イオン七戸十和田駅前店などの例がある。
  3. ^ 改築例として、ジャスコいかるが店→イオンいかるが店ダイエー渕上店ダイエーグルメシティ博多祇園店ダイエー赤羽店などの例がある。

出典

  1. ^ 世相風俗観察会『現代世相風俗史年表:1945-2008』河出書房新社、2009年3月、112頁。ISBN 9784309225043 
  2. ^ スクラップアンドビルド方式 コトバンク

関連項目


スクラップ・アンド・ビルド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 15:34 UTC 版)

近鉄百貨店」の記事における「スクラップ・アンド・ビルド」の解説

近畿地方においては1994年平成6年)には閉店第1号として、出店からわずか3年桜井店閉鎖し三菱商事ジャスコ現在のイオン)との協業第2陣として京都ファミリー出店し西京都店増床する京都近鉄百貨店競合するとして1995年平成7年)に閉鎖することで店舗閉鎖進めた別府近鉄百貨店地場百貨店トキハ別府店完成したことで経営悪化し直営化して別府店とした後、1994年平成6年8月31日閉店した。 これに対し社長だった田中太郎出店案件については多少苦しくとも続け方針示し1997年平成9年3月19日には生駒店同年9月5日には京都近鉄百貨店共同出資草津近鉄百貨店現在の草津店)を出店している。 また、京都近鉄百貨店経営再建優先したため、橋本駅前(相模原市)や汐留貨物駅跡地など首都圏での多店化は実現しなかった。後述のように上場する赤字店の営業継続が困難として、東京店閉鎖決めている。

※この「スクラップ・アンド・ビルド」の解説は、「近鉄百貨店」の解説の一部です。
「スクラップ・アンド・ビルド」を含む「近鉄百貨店」の記事については、「近鉄百貨店」の概要を参照ください。

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