ジョージア (原子力潜水艦)とは? わかりやすく解説

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ジョージア (原子力潜水艦)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/15 07:20 UTC 版)

艦歴
発注 1976年2月20日
起工 1979年4月7日
進水 1982年11月6日
就役 1984年2月11日
その後 就役中
母港 バージニア州ノーフォーク
性能諸元
排水量 水上:16,765 トン
水中:18,750 トン
全長 170.69 m (560 ft)
全幅 12.8 m (42 ft)
喫水 11.5 m (38 ft)
最大速 20ノット以上 (37+ km/h)
潜行深度
機関 S8G reactor 1基
乗員 士官13名、兵員140名
兵装 21インチ魚雷発射管4門
Mk-48魚雷
BGM-109 トマホーク巡航ミサイル 154発
モットー Wisdom, Justice, Moderation

ジョージア(USS Georgia, SSBN/SSGN-729)は、アメリカ海軍オハイオ級原子力潜水艦の4番艦。艦名はジョージア州に因んで命名された。その名を持つ艦としてはバージニア級戦艦3番艦(BB-15)以来2隻目。

艦歴

ジョージアの建造は1976年2月20日にコネチカット州グロトンジェネラル・ダイナミクス・エレクトリック・ボート社に発注され、1979年4月7日に起工した。1982年11月6日にシーラ・M・ワトキンズ夫人によって命名、進水し、1984年2月11日にブルー班のA・W・クェスター艦長およびゴールド班のM・P・グレイ艦長の指揮下就役した。

SSBN

SSBN (原子力弾道ミサイル潜水艦)時代のジョージアのエンブレム

1984年3月から4月にかけてジョージアは整調を行い、1984年4月7日にトライデント C-4潜水艦発射弾道ミサイル3発をアメリカ東部宇宙ミサイルセンターにて発射した[1]。1984年11月に母港のワシントン州バンゴールに到着する。1985年1月にジョージアは最初の戦略抑止哨戒を開始する。1983年9月から1986年5月まで第14.7.1任務ユニットの一部として活動した功績によりジョージアは部隊勲功章を受章した。その後1986年2月から8月までの活動でも部隊勲功章を受章している。

1986年3月22日、ミッドウェー島の近くでジョージアはタグボートセコタ (USS Secota, YTM-417) と衝突する[2]。セコタはジョージアとちょうど乗員の交替を完了した後で、セコタは沈没し、10名の乗組員が救助されたが2名が溺れた。太平洋艦隊の広報担当官はジョージアに損害は無かったとしているが[3][4]、ハワイに帰投した際に軽微な損傷を緊急修理している[5]

ジョージアのゴールド班は2001年に第17潜水艦戦隊戦闘効率賞を受賞した。

2003年10月30日にジョージアは65回目、最後の戦略抑止哨戒を完了した。

2003年11月7日、ジョージアはバンゴールでドック入りする。トライデント C-4 ミサイルの撤去時に事故が発生した。撤去作業は16番発射管までスムースに進み、発射管が開けられると梯子が下ろされ、クレーンによってミサイルの引き上げが行われた。作業員は発射管の中でクレーンのカギをミサイルに取り付け、その後梯子を取り外さずに休憩に入った。梯子が装着されたままミサイルが引き上げられたため、ミサイルのノーズコーンに梯子が当たり9インチ(229mm)の穴が空いた。放射性物質が漏出することはなかった。

ミサイル撤去班の下士官兵3名が軍法会議にかけられた。太平洋戦略兵器設備班(Strategic Weapons Facility Pacific, SWFPAC)は直ちに閉鎖され海軍の調査を受けたが、検査をパスできなかった。SWFPACの指揮官キース・ライルス大佐は12月19日に解任され、副官のフィリップ・ジャクソン中佐、兵器士官のマーシャル・ミレット中佐、スティーヴン・ペリー特務曹長が部隊の指揮を執った。SWFPACは2004年1月9日に新任指揮官の下再検査が行われ、その後再開した。ジョージアの乗組員は影響を受けなかった。

SSGN

ジョージアは2004年3月1日に SSGN (原子力巡航ミサイル潜水艦)に艦種変更された。10月に演習「サイレント・ハンマー」に参加した[6]

2005年3月にジョージアはノーフォーク海軍造船所入りし、燃料交換が行われた。同時に SSGN への転換が行われ[7][8]、作業は2008年2月に完了した[9]

オーバーホール後ジョージアはジョージア州キングズベイ海軍潜水艦基地へ母港を変更した[10]

脚注

注釈

出典

  1. ^ “Florida Today Space and Missile Launch Database”. Florida Today. オリジナルの2007年3月15日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20070315031923/http://www.floridatoday.com/maps/launches/TridentLaunches.htm 2006年8月29日閲覧。 
  2. ^ Sub sinks a tug boat”. YouTube. 2016年1月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年11月17日閲覧。
  3. ^ “Tugboat Sinks After Collision With Trident Submarine”. Associated Press (Honolulu, HI): p. A4. (1986年3月23日). オリジナルの2015年11月18日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20151118131532/http://www.apnewsarchive.com/1986/Tugboat-Sinks-After-Collision-With-Trident-Submarine/id-86534d4e6396b0f1006f226b55444384 2013年6月23日閲覧。 
  4. ^ “Tugboat Sinks”. The Orlando Sentinel: p. A8. (1986年3月24日). http://infoweb.newsbank.com/iw-search/we/InfoWeb?p_action=doc&p_topdoc=1&p_docnum=1&p_sort=YMD_date:D&p_product=AWNB&p_text_direct-0=document_id=(%200EB4EA394DED43D9%20)&p_docid=0EB4EA394DED43D9&p_theme=aggdocs&p_queryname=0EB4EA394DED43D9&f_openurl=yes&p_nbid=Y57O5AWUMTMzNTk4NTQwNi43MTEyOTM6MToxMToyMDYuODAuNTYuMA&&p_multi=ORLB 2012年5月2日閲覧。 
  5. ^ USS Georgia (SSBN 729 Command History)”. Naval History and Heritage Command (1987年4月15日). 2012年11月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年1月11日閲覧。
  6. ^ Duryea, Dave, Capt., USN. “USS Georgia – The Silent Hammer”. Undersea Warfare. 2005年5月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年8月29日閲覧。
  7. ^ Conversion of USS Georgia From SSBN to SSGN”. Strategypage.com (2005年10月17日). 2011年9月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年9月28日閲覧。
  8. ^ USS Georgia SSBN Enters Conversion to SSGN "Tactical Trident" SpecOps Sub”. Defense Industry Daily. 2007年6月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年9月28日閲覧。
  9. ^ Four SSGNs, No Waiting”. 2011年6月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年9月28日閲覧。
  10. ^ Isakson Praises Navy's Decision to Move USS Georgia to Kings Bay”. 2006年8月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年9月28日閲覧。

関連項目

外部リンク


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