ホリネズミとは? わかりやすく解説

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掘鼠

読み方:ホリネズミ(horinezumi)

ホリネズミ科哺乳動物


ホリネズミ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/08 09:05 UTC 版)

ホリネズミ科
生息年代: ルペリアン現世
Є
O
S
D
C
P
T
J
K
Pg
N
セイブホリネズミ Thomomys bottae
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: ネズミ目(齧歯目) Rodentia
亜目 : ネズミ亜目 Myomorpha
下目 : ビーバー下目 Castorimorpha
上科 : ホリネズミ上科 Geomyoidea
: ホリネズミ科 Geomyidae
学名
Geomyidae
Bonaparte[1]1845
英名
Gopher
Pocket gopher

ホリネズミ (掘鼠)は、哺乳綱ネズミ目(齧歯目)ネズミ亜目ホリネズミ科に属する哺乳類の総称[2]。英語圏ではゴーファー: Gopher)と呼ばれる。

中央アメリカおよび北アメリカに535が生息する[3]。 地下に広大なトンネルを掘ることで知られている。同地域に分布し、地下に巣穴を掘るリス科ジリスが、しばしば誤ってゴーファーと呼ばれる。 ミネソタ州の愛称のひとつは、"the Gopher State"(ホリネズミの州)である。

分布

中央アメリカおよび北アメリカ固有種

形態

体長12-35センチメートル[4]、中央アメリカに生息する種には、体重が1キログラムになるものもある[3]。 いずれの種も、オスはメスよりも体が大きく、体重差は2倍近くになる[5]。 被毛は、ほとんどの種が茶色で、しばしば住んでいる土の色によく合う色をしている[3]。英名の "pocket gopher" の由来となった、大きな頬袋を持つ。 頬袋は、内側に毛が生えており、口の両側から肩に届くまで広がる[3]。 土を掘り、狭いトンネルの中で生活するのに適した体になっており、ずんぐりした体に、首はほとんどなく、巨大な門歯と、長い爪の生えた、力強く短い手足を持つ[3]。 目は小さく、毛の生えた短い尾は、後ずさりする際にトンネルを探るために使う。

生態

生活のほとんどを地中で過ごす[3]。すべての種が、網目状につながったトンネルと巣穴を掘り、食べ物を探したり、休息したり、頬袋を使って食物を巣穴へ運んで貯蔵したりする[3]。ジリスとは異なり、ホリネズミは大きな群れで暮らすことはなく、地上で見かけることも滅多にない。巣穴は、土が柔らかくトンネルを掘りやすい地域に見られる。家庭菜園といった人間の生活圏でも巣穴を掘り、芝生が排土の塚だらけになることもある。

草食性[6]で、主に塊茎を食べる[3]。いくつかの種は農作物を食害する。プラスチックのパイプやホースなどをかじることもある。以上のことから害獣と見なされ、駆除業者も存在する。

繁殖期以外は単独生活者で、縄張りを持つ。お互いに縄張りが隣接している場合、オスとメスがいくつかの巣穴や巣室を共有することもあるが、通常は、個体ごとに自分の巣穴とトンネルを持つ。種や地域の環境によって、繁殖は年1回、または年間を通して複数回行う。1度の出産で2-5頭を産むが、いくつかの種では数がより多くなる。子はおよそ生後40日で離乳する[7]

しばしば外部寄生虫を媒介する[6]。 主な捕食者に、イタチヘビタカがいる[4]

寿命は、病気や捕食されることがないと仮定して、1−3年[6]。 最長の寿命は約5年である[8]。トウブホリネズミ属 Geomys のような数種のホリネズミは、野生での寿命が7年までと記録されている[6]

分類

典型的なホリネズミ
トウブホリネズミ Geomys bursarius
巣穴を掘るテキサスホリネズミ Geomys personatus

5属35種が属する。ただし、分類については議論が続いており、以下のリストが決定版ではない。

[9]

脚注

  1. ^ シャルル・リュシアン・ボナパルト or en:José Bonaparte
  2. ^ Oregon Dept. of Fish and Wildlife
  3. ^ a b c d e f g h Animal Diversity Web. “Geomyidae pocket gophers”. 2015年2月20日閲覧。
  4. ^ a b Pocket Gophers”. National Wildlife Federation. 2014年1月19日閲覧。
  5. ^ Macdonald (Ed), Professor David W. (2006). The Encyclopedia of Mammals. Oxford University Press. ISBN 0-19-920608-2 
  6. ^ a b c d Hygnstrom, Scott E. (2010). Prevention and Control of Wildlife Damage. DIANE Publishing Inc.. pp. B–21. ISBN 1-4379-3688-1. https://books.google.co.jp/books?id=gt-Yk3CRuXMC&pg=SL2-PA21&redir_esc=y&hl=ja 
  7. ^ Patton, James (1984). Macdonald, D.. ed. The Encyclopedia of Mammals. New York: Facts on File. pp. 628–631. ISBN 0-87196-871-1 
  8. ^ Whisson, Delsey. Small Grain Production Pt 8: Pest Management -- Vertebrates. UCANR Publications. p. 5. ISBN 1-60107-411-5. https://books.google.co.jp/books?id=a5OP19f_oPQC&pg=PA5&redir_esc=y&hl=ja 
  9. ^ D.W.マクドナルド 編、今泉吉典 監修『小型草食獣 動物大百科 5平凡社〈小型草食獣 : リス・ネズミ・ビーバー・ヤマアラシ・ウサギほか〉、1986年9月、157頁。doi:10.11501/12601688ISBN 458254505XNDLJP:12601688http://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I003578482-00 

関連項目

外部リンク


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