サガによる情報
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 14:14 UTC 版)
フラート島本の「ノルナ=ゲストの話」の終わりにかけて、ノルナ=ゲストは「スパーコナたちが地方を巡り、人々の運命を予言した」と述べる。 「植民の書」では、入江を満たす者スリーズ(Þuríðr Sundafyllir)というヴォルヴァが、アイスランドの飢饉に際し、魔法の力を使ってフィヨルドを魚で満たしたことにちなみ「入江を満たす者」というあだ名をつけられている。 『赤毛のエイリークのサガ』では、1000年ごろにグリーンランドに入植した者たち飢餓に苦しんだ。将来に備え、小巫女のソルビョグル(vǫlva Þórbjǫrgr lítilvǫlva)が招じられた。彼女が到着する前に、すべての世帯が掃除され準備を整えた。その他では主人と彼の妻のための高座に羽毛の枕が備えられた。 ヴォルヴァはその晩に現れたが、足丈の青あるいは黒い、宝石の縁飾りを施した外套をまといっていた。彼女は手に糸巻き棒(英語版)(seiðstafr)を象った杖を振るっていたが、それは真鍮で飾られ、握りには宝石が散りばめられていた。「矢のオッド(英語版)のサガ」のセイズコナもまた、青あるいは黒の外套を着て、糸巻き棒(それで頰を3回軽く叩かれた者に物忘れを引き起こす力があるとされる杖)を携えていた。外套の色はセイズコナを異質なものとして表す意図よりも重要ではないかもしれない。 『赤毛のエイリークのサガ』では、彼女はガラス玉のパールのネックレスを首に飾り、白猫の皮で内張りされた黒い子羊の帽子を頭に被っていた。腰まわりには大きなポーチが付いたアマドゥで作られたベルトを巻き、ポーチにはセイズに使う道具が隠されていた。彼女は子牛の皮でできた靴を履いていて。靴紐の端には真鍮のつまみがついていた。手には猫の皮の手袋をはめていたが、それは白く内側はふわふわしていた。 ヴォルヴァが部屋に入ると、彼女は家の者たちに敬意を持って迎えられた。そして彼女は高座に導かれたが、そこには彼女のためだけに用意された料理があった。彼女はヤギの乳で作られた粥と牧場主が飼育しているすべての動物の心臓で作られた料理を食べた。彼女は錫のスプーンと先が欠けたナイフで食事をした。 ヴォルヴァはその夜間農場で眠り、翌日は彼女の舞踊が予定されていた。ヴォルヴァが踊るには特別な道具が必要だった。まず、彼女は高い台に座り、若い女性たちを自分の周りに座らせた。少女たちはヴォルヴァが交信したいと願う諸力を呼び起こすための特別な歌を歌った。ヴォルヴァはより遠くを見ることを許され、飢饉が回避されることがわかったため、この会合は成功した。 スノッリのエッダの序文では、ヴォルヴァとの関連でトールの妻シヴの出自について詳しく述べられているが、そこでは彼女はスパーコナであるとしている。スノッリは、シフと神託を受ける予言者シビュラをこの文脈上で関連付けている。
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