ゲイマンによるスピンオフ
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「サンドマン (ヴァーティゴ)」の記事における「ゲイマンによるスピンオフ」の解説
ゲイマンは本編の刊行中にデスを中心とするミニシリーズを2編書いている。1993年3月から5月にかけて刊行された『デス―ハイ・コスト・オブ・リビング』では、デスが命の有限性について学ぶため1世紀ごとに人間としての生を生きるという寓話が語られた。同作はDCの成人読者向けインプリントであるヴァーティゴから最初に刊行されたタイトルだった。1996年に出された続編『デス―タイム・オブ・ユア・ライフ』では、デスは背景に引っ込み、本編第5巻で登場したレズビアンのカップル、フォックスグローブとヘイゼルの関係が物語の中心となった。 1993年末に行われたヴァーティゴのクロスオーバーイベント The Children's Crusade では、本作第4巻の短編で登場した幽霊の少年たちを主役とするタイトル The Dead Boy Detectives が描かれた。その後、同タイトルは別の原作者の手によって数回にわたって刊行された。 1998年から2000年にかけて3号が刊行されたヴァーティゴの年刊アンソロジー Vertigo: Winter's Edge にはエンドレスを主役とする短編が掲載されていた。The Flowers of Romance(1998年)では、欲望の生き物であるサテュロスの生き残りがディザイアに最後の願いをする。A Winter's Tale(1999年)では、デスが酷薄な死の運び手から現在のような共感的なキャラクターに変わった経緯が語られる。How They Met Themselves(2000年)では、芸術家の夫に裏切られた女性が毒をあおり、こと切れるまでの短い間に、ディザイアから真に愛していた相手を知る機会を与えられる。 1999年、ゲイマンは天野喜孝のイラストレーションで中編小説 The Sandman: The Dream Hunters を書いた(邦題『夢の狩人―The sandman』)。日本の山奥に住む僧侶を化かそうとするうち恋に落ちた狐の物語で、『サンドマン』シリーズの短編でよくあるようにドリームは脇役となる。同書の後書きでは実在する民話が下敷きになったと書かれたが、出典とされた『日本昔話』(英子セオドラ尾崎による英訳)には該当する物語は存在しない。ゲイマンはあからさまな嘘として書いた文章がうまく伝わらなかったと述べている。本作は後にP・クレイグ・ラッセルの作画でコミック化され、全4号のミニシリーズとしてヴァーティゴから刊行された(2009年1–4月)。 2003年、ドリーム(モルフェウス)と兄弟姉妹を主人公とする7篇の物語を集めた『エンドレス・ナイツ (The Sandman: Endless Nights)』が出版された。物語の時代設定は様々だが、本編完結後の出来事を描いたものもあった。作画は作品ごとに異なるアーティストが担当した。同書は『ニューヨーク・タイムズ』ベストセラーリストのハードカバー部門に名を連ねた最初のグラフィックノベルだった。 『サンドマン』の刊行25周年には本編の前日譚『オーバーチュア (The Sandman: Overture)』が書かれ、J・H・ウィリアムズIII世の作画で全6号のリミテッドシリーズとして刊行された。これまで漠然としか語られていなかった本編開始以前のドリーム(モルフェウス)の冒険を描いたもので、それによって彼が疲弊していたことが、本作冒頭で人間の魔術に捕らわれてしまった原因だとされた。第1号の発行は2013年10月30日であった。制作者へのインタビューとオリジナルイラストレーションが収録された特別版が各号について刊行された。『オーバーチュア』は2016年にヒューゴー賞の最優秀グラフィック・ストーリー部門を受賞した。
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