クレスタ E
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/03 18:15 UTC 版)
「ボクスホール・クレスタ」の記事における「クレスタ E」の解説
第二次世界大戦前から中級モデル以下にモノコック構造を採用していたボクスホールは、戦後の生産再開も戦前型の部分改良でしのぎ、1948年にはボディ外装を1940年代初頭のアメリカ車並にリデザインしたモデルのうち6気筒車に戦前からの上級モデルネームである「ヴェロックス」の名を与えた。この時点ではエンジンこそ刷新されたものの、トーションバー式デュボネ独立懸架を備えた戦前以来の旧式設計を脱していなかった。 ボクスホールが、乗用モデルのヴェロックスとワイバーンに、アメリカで流行し始めたフラッシュサイド型フルワイズボディと、第二次大戦後の前輪独立懸架の主流構造であるウィッシュボーン式独立懸架を与えてフルモデルチェンジさせたのは1951年であった。デザインモチーフは同時代のシボレー車に酷似していたが、英国車の寸法に押し縮めたスタイルのために鈍重さを免れなかった。ボンネットフード上にはボクスホール車が1905年以来受け継いできた「フルート」(前後方向の凹んだ帯)のモチーフが刻まれていた。 大戦直後の自動車不足需要期を脱し、平時の販売競争が本格的になってきた1954年に、ヴェロックスの上級バージョンとしてクレスタが追加された。最初のクレスタ Eは、ヴェロックスと同一出力の同じ2262 cc の直列6気筒エンジンを搭載していたが、車体先端のV(VauxhallのV)バッジ上に特別オーナメントを備えていて区別できた。革か織物が選択できる内装、オプションの2色塗装、標準装備のヒーター、ダッシュボードへの時計/シガーライターの装備、開くと自動的に点灯するトランク内照明といった細かな電気装置、助手席のサンバイザー裏に仕込まれたヴァニティミラーを共に備えていた。ラジオはオプションであった。 もっとも、フラッシュサイド型としては初期に当たる1950年の腰高なデザインのボディは、1955年頃になると既に陳腐化は免れず、延命のために余分なクロームメッキパーツや不似合いなツートーンカラーも追加されたが、ちぐはぐさは否めなかった。 1956年、英国の『ザ・モーター』誌(The Motor)がクレスタをテストし、最高速度82.2 mph (132.3 km/h) と0-60 mph (97 km/h) 加速に 20.2 秒、23.5 ml/英ガロン (12.0 L/100 km; 19.6 mpg-US) の燃料消費率を記録した。テスト車は、税込みで£931であった。
※この「クレスタ E」の解説は、「ボクスホール・クレスタ」の解説の一部です。
「クレスタ E」を含む「ボクスホール・クレスタ」の記事については、「ボクスホール・クレスタ」の概要を参照ください。
- クレスタ Eのページへのリンク