クレスタ PC
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/03 18:15 UTC 版)
「ボクスホール・クレスタ」の記事における「クレスタ PC」の解説
シリーズ最後のPCは、1965年10月のロンドン・モーターショー(London Motor Show)で発表された。下級モデルのヴェロックスは既に廃止され、PCS(standard)、PCD(Deluxe)とPCE(Executive)の3モデル構成となり、最後のモデルは独自名称の「ヴァイカウント」となった。PCは前モデルとは異なり、先行してFD型ヴィクターで取り入れられたコークボトル形のスタイリングとなり、かなり明確にサイズを縮小したシボレー・インパラと言える車となった。ボディデザイン刷新に比し、ホイールベースやサスペンション構造などのスペックはPBからのキャリーオーバーで保守的設計は変わらなかった。 オーストラリア製のホールデン・HR(Holden HR)とも似ていたが、より大型で豪華な内装を持ち、その7年間の生産期間を通じて3.3 L の直列6気筒エンジンを搭載していた。シボレー・スモールブロックのV8エンジンがそのままエンジンルームに入ったが、このオプションはヨーロッパでは提供されなかった。当初はオーバードライブ付きもオプションで選べる3速コラムMTが標準で、4速MTと2速パワーグライドはオプションであった。後に1971年頃から4速MTか3速ATのフロアシフトがバケットシートと共に提供されるようになった。 ゼネラルモーターズ・ニュージーランドは、1966年から1971年までウェリントン近郊のトレンサム(Trentham)の自社工場でこの車の組み立てを行った。1つの「ベース」モデルのクレスタのみを組み立て、生産期間中の変更点は極僅かであり、英国市場では1971年頃に施されたフェイスリフトも行われなかった。しかし、生産期間中にブレーキ性能向上のためにブレーキがタンデム・マスターシリンダーに改善され、この改善はニュージーランド仕様では標準となった。4灯ヘッドライトのクレスタ デラックス、ヴァイカウントやエステートが完成車として英国から輸入もされた。 ニュージーランド市場では提供されなかったフェイスリフト後のモデルでは、4灯ヘッドライトが標準となりダッシュボードが一体型となった。コラムシフトに替わりフロアシフトが標準となった。 デラックス(De-Luxe)・モデルではベース・モデルの2灯ヘッドライトに対し4灯となった。 1967年1月に英国市場ではエステート版の納入が開始された。この車は、ドーモビル(Dormobile)・キャンピングカーの改装(主にベッドフォード製)で知られるフォークストン(Folkestone)のマーティン・ウォルター(Martin Walter)製となった。このエステート版は、強化型の後輪サスペンション、大径タイヤ(5.90-14inから7.00-14 in)とルーフラインの改装によりサルーンよりも2½ in (5 cm) 高くなっていた。当初クレスタ エステートは、英国市場で£1,507で発売され、これは同等のサルーンに比べ40%近く高い価格であった。長年市場で地位を保っていたハンバー・ホーク(Humber Hawk)のエステートと当時発売されて間もないフォード・ゼファー(Ford Zephyr)のエステートの英国での価格は各々£1,342と£1,379であった。クレスタ エステートは、通常は47 in (119 cm) で後席を折り畳むと76 in (193 cm) まで拡大できる荷室を持っていたが、ボクスホールの競合車は多量に売れるような価格では無くエステートの生産は1968年で終了した。
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