キハ101形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 07:05 UTC 版)
「JR東日本キハ100系気動車」の記事における「キハ101形」の解説
左沢線用として1993年(平成5年)10月に6両、1994年(平成6年)9月に5両、1997年(平成9年)2月に2両の計13両が製造された。後述の室内レイアウトの変更に伴い、区別を明確にするため形式が分けられている。全車が新潟鐵工所で製造されている。 本形式が導入された左沢線は、朝夕を中心に非電化線区としては比較的混雑する状況にあったため、流動を均一にする目的でオールロングシートを採用し、営業距離・乗車時間も比較的短いことからトイレを省略し車椅子スペースとしている。このため一部機器類の配置・形状が変更されている。これにより定員は107名に増加している。 車体は、1992年(平成4年)に発生した成田線大菅踏切事故を受けて、キハ100形をベースに、運転室部分の鋼体を台車中心から車端部にかけて250 mm延長し、衝突時の乗務員の挟まれを抑制している。このため全長は16.5 mから17 mへ延長されている。このほか、前面鋼体の構造見直しによる強度向上が行われている。また、側扉の方式をプラグドアから引き戸に変更したことで、側扉出入り口(ステップ)の高さを従来の1,036 mmから970 mmに変更している。これに伴い戸袋部は側板厚みが50 mmから90 mmに増加している。また、側扉にはドアチャイムが装備されている。 機器類についても従来は優等列車用や機関車のみに設置していたTE装置を設置したほか、運転台横の客室照明を運転台から消灯するスイッチが新設されている。空調装置についても冷媒が環境対策としてフロンR-12からフロン134aに変更されている。 車内の床材はピンクの色の物とブルーの色の物がある。ロングシート足元部の床に黒い線が引いてあるが、これは座席と立席の範囲を区分するために投入後に引かれたものである。車体塗色はホワイトを基調に最上川をイメージした青を配した同線独自のものを使用するとともに、前面とドア横に左沢線シンボルマーク、側面に「FRUITS LINER(フルーツライナー)」のロゴが施されている。 運賃表示器は設置車と未設置車があったが、現在は全車両に液晶ディスプレイ (LCD) の運賃表示器が設置されている。かつての運賃表示器未設置車には運賃表示器の代わりに運賃表のステッカーを貼付してある。なお、LCDの運賃表示器が設置された現在もステッカーは貼付されたままである。運転台はキハ100形同様に半室運転台を採用しており、助士側で車掌がドア扱いを実施している時に乗客が立ち入らないように柵が設置されている。 1993年(平成5年)12月1日から左沢線で運用を開始し、同区間の所要時分を4分短縮した。当初は新庄運転区配置であったが、山形新幹線の新庄延伸に伴う山形 - 新庄間の標準軌化に伴い、1999年(平成11年)度までに山形電車区(現・山形新幹線車両センター)に転配された。キハ101-12とキハ101-13には左沢方にメガホンが設置されている。 2021年現在、全編成の行先表示器のフルカラーLED化が完了している。 フルカラーLEDの行先表示器 (2021年8月)
※この「キハ101形」の解説は、「JR東日本キハ100系気動車」の解説の一部です。
「キハ101形」を含む「JR東日本キハ100系気動車」の記事については、「JR東日本キハ100系気動車」の概要を参照ください。
- キハ101形のページへのリンク