ガンダムシリーズ作品群との繋がり
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 07:05 UTC 版)
「∀ガンダム」の記事における「ガンダムシリーズ作品群との繋がり」の解説
「∀」という記号は、集合論や論理学で用いられる全称記号であり、「全ての〜」を意味する。「A(最初)に戻る」という意味からターンエーと読むこととした。つまり『∀ガンダム』には、『機動戦士ガンダム』を始めとした「宇宙世紀シリーズ」の歴史だけでなく、それぞれ独立した世界観を持つ「未来世紀」や「アフターコロニー」、「アフターウォー」といった富野が制作に携わっていない作品群の歴史全てを総括したいという思いが込められている。それゆえ、人類の幾多にも及ぶ宇宙戦争の歴史を「黒歴史」と総称し、「地球に住む人類と、宇宙に進出したコロニーや月に住む人類との幾多にも及ぶ戦争は、どういう結末を迎えたのか?」といった部分も作中で語られ、見方によっては、すべてのガンダム作品が最終的に行き着く、富野曰く「ガンダムの総決算」的作品となっている。 なお、『∀ガンダム』の後年に発表された『SEED』シリーズの「コズミック・イラ」もサンライズ監修の漫画『∀ガンダム 月の風』(著者:安田朗)にて黒歴史に含まれるとされた。「コズミック・イラ」、『機動戦士ガンダム00』の「西暦」、『機動戦士ガンダムAGE』の「アドバンスド・ジェネレーション」、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の「ポスト・ディザスター」などの、本作の後年に発表された他のガンダムシリーズ作品も黒歴史に含まれるかについて、富野は「(「∀」という記号には)“以後”ということも含めてあるので、『∀ガンダム』以降の作品についても認められるようになったわけです。『∀ガンダム』の時代に辿り着くまでには、あと100本の『ガンダム』を作っても余裕がある時間を作ってある」と語っており、他のガンダム作品を劇中のアニメ作品として扱い機動兵器としての「ガンダム」ではなく「ガンプラ(ガンダムプラモデル)」をテーマにした作品(『模型戦士ガンプラビルダーズ ビギニングG』や『ガンダムビルドファイターズ』など)を除いた、これから将来制作されるであろう新たな『ガンダムシリーズ』もすべて含めて、黒歴史の一部として包含されるものとして紹介されている。また同時に富野は「『∀ガンダム』以後のガンダム作品を描くとしたら、自分で作るつもりです。そうした設定があるために『∀ガンダム』において、ロランとディアナの物語は完結を迎えましたが、ガンダムについては触れていないんです。マウンテンサイクルという設定も“どこから何年後”という表現を避けるために考えたものなんですよ」とも述べている。 本作の後に、同じく富野が制作した『ガンダム Gのレコンギスタ』の時系列は、『∀ガンダム』で描かれる「正暦(コレクト・センチュリー=C.C.)」よりも前の時代に位置すると公式関連書籍などで紹介されている。だが後に、富野はトークショーにて『Gのレコンギスタ』は『∀ガンダム』から約500年後頃を想定して制作したと発言している。これは、それまで公式が公開してきた時系列の設定(『Gのレコンギスタ』⇒『∀ガンダム』)と異なる上、宇宙世紀を「約1000年前の“前世紀”」として扱う『Gのレコンギスタ』の設定と、宇宙世紀を「約1万年前の“太古”」として扱う『∀ガンダム』の設定とで矛盾が生じる。だが、この発言を受けるならば『Gのレコンギスタ』に関しては黒歴史に含まれないことになる。それと同時に、自身が単独でシリーズ全体の設定を決定する権限がないことにも触れ、「(公式が自身の見解と異なる時系列を発表していたことについて)それはそれでいいんです」「皆さんなりに“ガンダム全史”みたいなものを作っていたたければいい」と前置きしつつも「その時には『Gのレコンギスタ』の位置付けが、今言った所(『∀ガンダム』⇒『Gのレコンギスタ』)に置いていただけたら嬉しく思います」と述べている。これから、どちらがシリーズ全体の公式な設定となるかは現状は不明。この発言を受けて、聞き手を務めていたサンライズの小形尚弘プロデューサーは「色々と整理したいと思いますので、来場者の皆さんは今日聞いたことは一旦胸の内にしまって頂いて。次の何かの機会に、しれっとそうなってる可能性はありますので」と答えた。
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