カーンアカデミー
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標語 | 誰もがどこでも無料な授業を[1][2] |
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設立 | 2008年 |
設立者 | サルマン・カーン |
種類 | 非営利団体 |
所在地 | |
サービス | 教育工学, 教育 |
公用語 | 英語,サイトは23言語、映像は65言語に翻訳 |
所有者 | サルマン・カーン 創業者兼専務取締役 |
収入
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1579万USD (2012) |
費用
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1911万USD (2014) |
ウェブサイト | www |

カーンアカデミーは、2008年にサルマン・カーン(サル・カーン)により設立された教育系非営利団体[3]である。
YouTubeで短時間の講座を配信し[4]、運営サイトにて練習問題や教育者向けのツールを提供しており、これらは世界中の誰でも無料で利用できる[5][6]。
技術
カーンはYahooのペイントソフトを用いて彼のいとこの家庭教師をしていたが、いとこの反応に基づき遠隔個別指導を有効活用するため、YouTubeの指導動画作成に切り替えた。現在はワコムのタブレットで作画しており、それ以前はSmoothDrawを用いていた。現在はCamtasia Studioで録画し、ArtRageを活用している[7]。
公式サイトではYoutube上に投稿した全映像が視聴可能であり、アカウント作成以外にもGoogleやFacebookアカウントで登録可能である。教材は他にもGoogle Play、App Store、Microsoftストアなどから無料の独自モバイルアプリを介して利用できる[8]。
動画では段階的に電子黒板上の図を示される[9][10]。また、アジア、中南米、アフリカの農村部には動画のオフライン版を配布している[11][12][13]。
受講者の学力に応じた設問を出題するWebベースの設計を提供し[14][15]、試験作成、採点、生徒の挑戦への奨励などにソフトウェアを使用することにより、旧来の学習現場を刷新する機会を提供できると考えている[16]。現実の講義では不可能な一時停止などの機能面から、映像を用いた個別指導が効果的と宣伝されている[17]。
脚注
- ^ “About”. Khan Academy. 2013年8月15日閲覧。
- ^ “One Man, One Computer, 10 Million Students: How Khan Academy Is Reinventing Education”. Forbes. 2015年11月7日閲覧。
- ^ “Nonprofit Explorer - ProPublica”. ProPublica. 2015年11月7日閲覧。
- ^ Sampson, Demetrios G.; Ifenthaler, Dirk; Spector, J. Michael; Isaias, Pedro (2014-07-17). Digital Systems for Open Access to Formal and Informal Learning. Springer. ISBN 9783319022642
- ^ “Khan Academy”. PCMAG. 2015年11月7日閲覧。
- ^ “How Are Teachers and Students Using Khan Academy?”. MindShift. 2015年11月7日閲覧。
- ^ Khan Academy: The future of education?. 60 Minutes. CBS News. 11 March 2012.
- ^ “Khan Academy for ipad review”. theappzine. 2016年3月11日閲覧。
- ^ Kaplan, David A. (2010年8月24日). “Innovation in Education: Bill Gates' favorite teacher”. CNN Money 2011年1月5日閲覧。
- ^ “Need a tutor? YouTube videos await”. AP. USA Today. (2008年12月12日) 2011年1月5日閲覧。
- ^ “A free world-class education for anyone anywhere”. About. Khan academy. 2016年3月11日閲覧。
- ^ “Laureate: Salman Khan”. Education Award. The Tech Awards (2009年). 2014年6月11日閲覧。
- ^ “Salman Khan”. CNBC. 2015年11月7日閲覧。
- ^ “Khan academy: Exercises read me”. GitHub. 2016年3月11日閲覧。
- ^ “Khan Academy Unveils New Math Resources for Common Core -- THE Journal”. thejournal.com. 2015年11月7日閲覧。
- ^ Temple, James (2009年12月14日). “Salman Khan, math master of the Internet”. SF gate 2009年12月23日閲覧。
- ^ Rasicot, Julie (2011年8月4日). “Education Review: Web site offering free math lessons catches on 'like wildfire'”. The Washington Post. 2014年6月10日閲覧。
外部リンク
- Khan Academy
- Khan Academy - YouTubeチャンネル
- Khan Academy (@khanacademy) - X(旧Twitter)
- Khan Academy (khanacademy) - Facebook
カーン・アカデミー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/11 21:37 UTC 版)
2003年後半、カーンはYahoo!のブラウザーを使用し、インターネットを通じて離れた場所に住むいとこのナディアに、完全公開の動画を使った数学の個別指導を始めた。その時使用していたメモ帳は、彼が出演しているTEDの動画でも紹介されている。動画を見た他の親達や友人達も彼に個人指導を求めるようになり、彼はチュートリアルをYouTubeに移動し、2006年11月16日にYouTubeアカウントを作成した。 無料公開した学習動画が人気になった事で、カーンは2009年後半に金融アナリストの仕事を辞めた。彼は、親友のJosh Gefnerの助けを借りて、フルタイムでYouTubeチャンネルから始まったKhan Academyの開発に専念した。その結果、カーンはアン・ドーア(投資家ジョン・ドーアの妻)からスポンサー支援を受けるようになった。 彼の学習サイトは、多くの学生や一般ユーザーの関心を集め、カーン・アカデミーをはじめた数年で全世界でおよそ4億5800万回以上の視聴記録を達成した。 カーンは自分自身の活動について「あらゆる年齢の学生の学習を加速させる事を目標に掲げている。その事を念頭において、私の作成するコンテンツを有効だと感じてくれる人々と共有していきたいと思う」と語っている。 カーンアカデミーの学習動画は、アフリカとアジアの農村地域の教育にも使用されている。今後は「フリースクール」を英語のトピックにまで拡大する予定。 カーンは、カーンアカデミーやこれからの教育の目標に関する書籍「The One World Schoolhouse:Education Reimagined」を出版している。 開始当初は学生向けの自習ツールだったカーンアカデミーは、2012年にコーチ機能を追加し、ビデオとモニターを通じて教師の指導を受ける事のできる機能を追加している。2018年までに、Khan AcademyのYouTubeチャンネルは16億回以上視聴された。 カーンは、「従来教室で行われて来た教育は、彼のアカデミーで開発された技術を使用して補う事で、学校教育は伝統的な講義スタイルを重視した教育から解放され、より個別指導に時間を割り当てられる学習者優先の授業形式にシフトできるのではないか、また、学習のつまづきに対して、個別指導を中心にする事で教師の指導効果を高めることができる」と考えている。 スタンフォードAIの研究者アンドリュー・ンは、カーンを最初のMassive open online course登録プラットフォームのコーセラを設立した際のインスピレーションの源だったと語っている。
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