カラブリア州部分の高架橋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 05:41 UTC 版)
「アウトストラーダ A2」の記事における「カラブリア州部分の高架橋」の解説
このアウトストラーダは複雑で高さの変化も多い地形の上に建設された。ポッリーノ山脈とシーラ山脈(アスプロモンテはこのアウトストラーダの経路に隣接している)は、カンポテネーゼとピアーノ・ラーゴのふたつの峠を越えている。建設時には技術的な理由によりトンネルより高架橋の建設が好まれ、その結果、屈曲し、曲率半径が非常に小さい経路が造られた。後期のものは、鋼・コンクリート複合構造かつ高高度の大スパン高架橋の設計、および建設に関する土木工学の主要な取り組みの1つを表している。イタリア国内で著名な技術者も何人か参加していた。約10年前にA1で建設された大規模な高架橋の設計者もいた。その中には、シルヴァーノ・ゾルツィやファブリツィオ・デ・ミランダも含まれている。以下に著名な高架橋を示す。 イタリア高架橋: ラーオ川を超えるところに1967年から1973にかけて建設された。設計者であるファブリツィオ・デ・ミランダが、当時普及を目指していたコンクリートと鋼の両方を使いそれぞれの特長および相互作用を最大限に活用した設計を採用した。彼はこの作品により全国設計コンテストで優勝している。この作品は、長さ1,122 m、中央部は425 mの長い金属製の梁でできており、この梁の部分は更に175 mのスパンと両側のそれぞれ125 mのスパンにわかれる。谷底から路面までの高さは261 mである。この高架橋は2004年までは欧州で最も高い橋だった。この年に、フランスのミヨー橋(路面高さ271 m、支柱高さ343 m)がこの記録を超えた。谷の東側の橋脚高さは171 mあり、これは欧州で最も高い。現在でも供用されている橋としては世界で4番目である。 スファラッサ高架橋: この高架橋はバニャーラ・カーラブラにある。1967年にシルヴァーノ・ゾルツィにより、ミラノのIN-COスタジオでサバティーノ・プロカッチャとルチアーノ・ロナルドと共に設計され、1973年に完成した。この作品は、長さ893 m、中央の鋼製の梁のスパンは376 m、谷底から路面までの高さは253 mである 。スファラッサ高架橋は、CECM(Convenzione Europea della Costruzione Metallica/欧州鋼構造協会連合協議会)で1970年、1971年、1972年に受賞している。現在でも、突き出しアーチ橋としては世界一高い。一方、普通の道路用の橋としては、欧州で3番目、世界で7番目である。その技術的および歴史的価値のため、スファラッサ高架橋はシッラとジョイア・タウロ間のロットVの工事の間に取り壊されなかった唯一の橋である。 トッレンテ・ストゥピーノ高架橋: カルパンツァーノにあり、長さ635 m、谷底からの高さ150 m、中央の支柱の高さは135 mで、長さ120 mの鉄筋コンクリートの中央のふたつの梁が特徴である。これらのスパンはカンチレバー工法で造られたものである。 ラーゴ高架橋: モラーノ・カーラブロにあり、長さ399 m、谷底からの高さ147 m、支柱高さは150 mである。長さ122 mの金属製の梁が特徴である。 コシーレ高架橋: カストロヴィッラリにあり、長さ637 m、谷底からの高さ140 m、支柱高さは140 mである。プレストレスト・コンクリートの梁が特徴である。 セッラ高架橋: ラゴネグロにあり、長さ231 m、谷底から路面まで125 m、支柱高さは90 mである。デッキは、支柱部では8.5 m、肩部では5 mと高さが変化する2枚の直交異方性板で構成されている。 このほかにも、ルカニアアペニン山脈、カラブリアアペニン山脈の部分には、設計者が採用した種々の建設技術を特徴とする高架橋がある。それらの大半は、このアウトストラーダの改修中に、3車線および、緊急車線の構造にするために幅員を11 mに広げられた新たな高架橋に建て替えられている。
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