カッシーニ
史上最大の予算で作られた重厚長大な土星探査機「カッシーニ」
1675年に土星の輪が二重になっており、内側の輪と外側の輪があることを発見したイタリア人の天文学者ジャン=ドミニク・カッシーニの名が付けられた「カッシーニ」探査機は、1997年10月にフロリダ州ケープカナベラル宇宙基地からタイタン4型ロケットによって打ち上げられた高さ約7m、幅約4m、重さ約6tとNASA最後といわれる重厚長大な土星探査機です。
総費用は約34億ドルと惑星探査では史上最大の予算が投じられており、15年がかりで約5,000人が開発製造に携わりました。カッシーニは、太陽電池ではなく、打ち上げ時に事故があると放射能汚染を起こす可能性があるプルトニウム電池を電力源として搭載していたため、打ち上げには多くの関心が集まりました。この点について、NASAは土星付近では太陽光が弱く、電力源をプルトニウムに頼らざるをえなかったと説明しています。
土星旅行の夢を託した、サイン入りのディスクを搭載
同機には、世界81か国の市民61万人のサインを記録したディスクが搭載されています。これらは、土星旅行の夢を託そうとNASAの公募に応じた人々のサインです。このなかには、カッシーニの子孫のサインも含まれているとのことです。
土星の輪の詳細観測、衛星の観測、タイタンにプローブ投下
土星探査機カッシーニは2004年7月1日に土星に到着、観測を開始しました。まず、土星の輪(リング)の詳細観測を行いました。地上からは一枚板のように見える土星の輪が実際には数ミリから数m岩石や氷の粒であり、それらが作る波模様や濃淡など複雑な構造を観測したほか、衛星と輪が相互に作用しあっていることもわかりました。
また土星の衛星を多数発見し、衛星の様子を詳しく観測しました。たとえば衛星エンケラドスの南極付近から氷の粒や水蒸気が間欠泉のように吹き出していることを観測しました。これは液体の水が存在する証拠かもしれません。他にも衛星イアペトゥスは表面が暗いところと明るいところにはっきり分かれている上に、赤道付近に巨大な尾根が発見されました。その大きさは太陽系最大の火山と言われる、火星のオリンポス算に匹敵するほどです。
2005年1月には土星の衛星タイタンに着陸機「ホイヘンス」を着陸させることに成功、タイタンの大気や地表の様子を観測しました。
カッシーニと同じ種類の言葉
天文学者に関連する言葉 | オルト オールト カッシーニ ガリレイ ガレ |
固有名詞の分類
Weblioに収録されているすべての辞書からカッシーニを検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
全ての辞書からカッシーニを検索
- カッシーニのページへのリンク