オルヴィエート侵攻
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/21 07:06 UTC 版)
商業国家オルヴィエートの八つの〈宙峡〉のうち第三、第五、第七〈宙峡〉がシステム・ダウンを起こし、それらの〈宙峡〉からボスポラス帝国のスムタファ・ケペル大提督率いる三個艦隊が亡命船団を追って、オルヴィエート宙域に不法侵入し、それに対しオルヴィエートは四半世紀ぶりに防衛艦隊を結成する。平時は閑職である防衛艦隊司令長官(ポデスタ)ジェラルド・ファルネーゼ大佐に迎撃命令が下るが、防衛艦隊の指揮はジェラルドではなく国防軍総司令官であるヴァッサロ少将が指揮することが決定していた。 オルヴィエートに災厄をもたらせた亡命船団に乗船していたのは、かつて宇宙を統一支配していた〈星連〉の現事務総長ブライアン・クリストファーソンの息子グレックであった。それを知らずに国家元首の命により、亡命船団を砲撃しようとした矢先、エレオノーラの機転により彼の身柄を確保する。ジェラルドはボスポラス帝国と交渉をおこなうために亡命船団を護衛しながら本星へと帰還の途につく。 最後通牒 ムスタファ・ケペル大提督率いるボスプラス帝国の三個艦隊は、オルヴィエート本星を包囲し封鎖作戦を実行した。商業国家であるオルヴィエートにとって星間貿易とは生命線であり、封鎖の長期化は国家の破綻を意味していた。 国家元首(ドゥーチェ)レオポルドは状況の打開をはかるためにグレック・クリストファーソンの身柄をボスポラス帝国に渡すよう宣言する。しかし、帝国軍の本当の目的は〈嘆きの宙域〉を奪取することにあり、ムスタファ・ケペル大提督は亡命船団の船とその乗組員全員の無条件引き渡しと、グレック・クリストファーソンの無条件引き渡しのほかに、オルヴィエート政府に対しオルヴィエート全軍のボスポラス軍の支配下入りや、宇宙港に以後ボスポラス艦隊を常駐させること、行政府内にボスポラス軍の特別委員会を設置することなど、事実上の占領通告を出す。レオポルドは、最高評議会にはかるための時間を得るためにムスタファ・ケペル大提督と交渉し、娘であるエレオノーラ・ファルネーゼを人質に出すことを通知する。 決戦 レオポルドはジェラルドとエレオノーラが乗艦するラオコーンに次男カルロを派遣する。これはエレオノーラが逃げ出すのを防ぐための監視であった。レオポルドの推測どおり、エレオノーラはベアトリーチェとともにラオコーンからの脱出をはかろうとしていたが、カルロとファルネーゼ家の武装家臣によって捕縛されてしまう。レオポルドはラオコーンとエレオノーラそしてボスポラス帝国の艦隊に対峙するであろう防衛艦隊の乗務員たちを犠牲にして、"新兵器"による自爆攻撃を敢行しようとしていた。ジェラルドは父の考えを察し、父レオポルドを説得しようとするも聞き入れることはなかった。しかし、この攻撃は内通者によりムスタファ・ケペル大提督に報告され、ボスポラス帝国将兵の知るところとなる。 ボスポラス帝国艦隊が動き、防衛艦隊は迎撃のために出動命令が再び下った。しかし、指揮官であるヴァッサロ少将が倒れ、ジェラルドが指揮することになる。 新兵器 オルヴィエートの研究所によって研究されていた"新兵器"は、カルロに捕縛されたエレオノーラとベアトリーチェとともに、ラオコーンで戦場に運ばれる手筈となっていた。事前に"新兵器"の存在を知ることとなった帝国軍は、ラオコーンより距離をとりジェラルドが率いる防衛艦隊と戦闘を繰り広げ、防衛艦隊を火砲の束で沈めていった。しかし、ジェラルドは"新兵器"をラオコーンには搭載せず、戦場となった軍事衛星軌道上に配置し、期を待っていたのであった。ジェラルドは国家元首(ドゥーチェ)への命令違反である賭けによって、戦場を巧みに誘導させ、"新兵器"により、ムスタファ・ケペル大提督指揮下の約一個艦隊が消滅し、その機を逃すまいとジェラルドが指揮する防衛艦隊が追い打ちをかけ、大勢は決することとなる。 ボスポラス帝国への内通者はファルネーゼ家の長男フィリッポと次男のカルロであった。ジェラルドの逆転劇により、内通したことがばれる前にとカルロは逃亡したがフィリッポはオルヴィエートに残った。父で国家元首(ドゥーチェ)レオポルドは、彼らが内通していたことを知っていたが、追及はしなかった。 ジェラルド・ファルネーゼ大佐は防衛艦隊司令長官(ポデスタ)として、ボスポラス帝国艦隊を撃退し、オルヴィエートの危機は去ったのである。
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