アラビア語原典
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「バハムート#アラビア語原典」も参照 カズウィーニー(1283年没)の宇宙誌『驚異(英語版)』によれば、神は大地を背負う天使、その足場となる宝石質の岩盤、そして牡牛クユーサーの順に創造して、大地の安定をはかった。クユーサーは「4万の目、同数の耳、同数の鼻、口、歯、足を持った牛」だとされている。ある目から別の目へ(あるいはある耳から別の耳等へ)移動するには500年かかるという。
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アラビア語原典
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レインが記述したような内容のアラビア語の『宇宙誌』の原典(13世紀以降)は大同小異で数種ある。 原典に違いがなくとも、アラビア語のなかには異なる翻訳になっている単語や表現もある。本稿の「巨魚」の原語は「フート」(حوت, hūt)であるが、これは、「魚」とも「鯨」とも訳される。また、天使の立ち台の岩石(宝石)は、原語では「ヤークート」(ياقوت, yāqūt)だが、これは色や種類の不特定な宝石で、レインは「ルビー」だとするが、原典の多くは緑色だと明言し、「緑色のヒヤシンス石」などと訳される。 カズウィーニー系統 ダミーリー(英語版)(1405年没)は、レインが要約の原典と明記していて、レイン要約に多く合致する。ただバハムート(フランス訳 Bahmaût)の巨大さに関する比喩が芥子粒でなく「一盛りの砂」となっており、牛の名も相当違っている。 カズウィーニー(1283年没)の『被造物の驚異と万物の珍奇(英語版)』のバハムート(Bahamūt)は、逆にそれらの点では合致するが、他の差異の部分が目立つ。ただし、この作品は手写本の数も多く、違いも多いとされている。 実は、いずれの文献ともワフブ・イブン・ムナッビフ(英語版)(8世紀没)の談としこれを語っている。よって本来ならば同一なはずである。そしてダミーリーはカズウィーニーの転記に過ぎないともいわれている。 ヤークート系統 イブン・アル=ワルディー(英語版) (1348年没) の著述作品(『驚異の真珠』)は、レインが異聞の資料として挙げている文献であるが、当該部分はヤークート・アル=ハマウィー (1229年没)『諸国集成』を再構成・集約しただけのほぼ丸写しだとも、別の文献を間接的に介した剽窃とも言われている。こちらの二文献では、巨魚の名前がバルフート(Balhūt)となっている。上の系統と比べて、巨牛と巨魚との間に砂丘が置かれたという点や、巨魚より深くの幾つかの層についての説明が異なっている。 こちらの系統では、神が創造を行った順序が、天使、牛、岩盤となっており、岩盤を牛の背の瘤の上に乗せたと表現されている。 また、巨魚や巨牛が、潮の満干や、地震と関係するような記述も見られる。ヤークートの方は、牛の呼吸が満干に関わる記述しか載せないが、イブン・アル=ワルディー『真珠』では、これに加えて巨魚と巨牛が海の水を飲み、満腹になると興奮するという記述も載せている。§地震については後述する。 諸預言者伝 この巨魚や巨牛関わる宇宙誌が記載される最古の文献は、サラビー(英語版)編とキサーイー(英語版)編の二編の『諸預言者伝』(英語版)とされている。 アル=サラビー編を引用すると、巨魚(巨鯨)にはいくつもの通称があることが次のように説明される「神は巨魚 (ヌーン)を造り給うたが、これは巨大な鯨であり、本名(イスム)をルティーヤー(Lutīyā)、添え名(クンヤ)をバルフート、あだ名(ラカブ)をバハムートという」となっている。
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