アメリカ航空宇宙局公認
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/07 22:48 UTC 版)
1965年にアメリカ航空宇宙局は宇宙空間でも使用に耐える腕時計を選定するため時計店の店頭で各社各種の時計を購入 して耐熱性、耐寒性、耐衝撃性など様々な試験を行ない、この結果「スピードマスター」のみが合格したため「スピードマスター」はアメリカ航空宇宙局の公認クロノグラフとなった。 アメリカ航空宇宙局がスピードマスターを選定したと発表があった後、代々の重役を国防省からの天下りで構成していた当時のアメリカ大手時計メーカーであったブローバより「国家的プロジェクトにはアメリカ製品を使うべきではないか」とのクレームが入り、ブローバの技術陣が特別に1つのみ製作したクロノグラフとスピードマスターによる再選定を行ったが、結果はスピードマスターの勝利であった。なおも食い下がる元海軍提督のブローバ社長に対し選定委員は「あなたの会社の製品ではアメリカの威信を守ることは出来ません」と選定終了を宣言している。しかし当初は無重力下で通常の機械式時計がどう動作するか分からなかったため、コクピットクロックは音叉によって制御されるブローバ製の電気時計「アキュトロン」が採用された。 アポロ計画でも使用され、1969年には月面に降り立った最初の腕時計という栄誉を獲得、それ以後裏蓋には "FIRST WATCH WORN ON THE MOON" の文字が刻まれている。1970年アポロ13号が月に向かう途中で酸素タンクが爆発するという大事故に遭遇し航法用コンピュータが使用不能になったが「スピードマスター」を用いてロケット噴射時間の制御を行い全員無事生還を果たしたこと でさらなる信頼を得た。また、スペースシャトル計画の船外活動時において、この機種以外の使用は認められていない。ただし、1971年アポロ15号による月面探査の際には宇宙飛行士デイヴィッド・スコットはNASAの使用規則を守らず(正確には使用していたスピードマスター・プロフェッショナルが故障した為)、ウォルサムの時計を使用した。その他、オメガはブローバの音叉ムーブメントキャリバー1255を搭載したモデル「スピードマスター・スピードソニック」を1973年に、「スピードソニック・クロノメーター」を1975年に販売している。
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