りすぼん丸とは? わかりやすく解説

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りすぼん丸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/15 17:22 UTC 版)

りすぼん丸(りすぼんまる)は、日本郵船1920年に竣工させた貨物船太平洋戦争で陸軍徴傭船としてイギリス兵捕虜を輸送中にアメリカ潜水艦「グルーパー」の攻撃により撃沈されて約850人の死者を出した。船名を片仮名で「リスボン丸」と表記する文献もあるが、登録船名は平仮名である[3]


注釈

  1. ^ 護送要員と便乗者を合計して陸軍将兵778人が乗船したとする資料もある[9]
  2. ^ そもそも、当時の戦時国際法に捕虜輸送を示す標識などの定めがあったかが議論されており、学術的根拠に基づく結論は出ていない[3]。三輪(2007年)は私見と断ったうえで、大量の捕虜が海上輸送される事態が戦前には想定されておらず、対応する戦時国際法も確立されていなかったと述べる[3]
  3. ^ 日本陸軍は、本船の海洋サルベージによる復旧が可能か検討している[9]
  4. ^ 捕虜33人を監視兵3人とともに残したとする資料もある[11]
  5. ^ はるぴん丸(日本海汽船:5167総トン)は1942年1月10日にアメリカ潜水艦「スティングレイ」によって撃沈されたが、「病院船」と称しても国際法上の保護を受けるための白色塗装や対戦国通知を実施していない国内限りの運用だった[32]

出典

  1. ^ 運輸通信省海運総局(編) 『昭和十四年版 日本汽船名簿(内地・朝鮮・台湾・関東州)』 運輸通信省海運総局、1939年、内地在籍船の部151頁、アジア歴史資料センター(JACAR) Ref.C08050073300、画像16枚目。
  2. ^ Lima_Maru_Class
  3. ^ a b c d 三輪(2007年)、232-234頁。
  4. ^ a b c 岩重多四郎 『戦時輸送船ビジュアルガイド2―日の丸船隊ギャラリー』 大日本絵画、2011年、62頁。
  5. ^ ボンベイ同盟ペルシャに直航路開設―運賃約十円方引下げ」『大阪毎日新聞』1934年11月20日。
  6. ^ 伊太利参戦と我財界―対欧貿易は一応支障 先行楽観意見も濃厚」『中外商業新報』1940年6月12日。
  7. ^ 日本郵船(1971年)、128頁。
  8. ^ 馬公警備府司令部 『自昭和十七年二月一日 至昭和十七年二月二十八日 馬公警備府戦時日誌』 JACAR Ref.C08030508800、画像3枚目。
  9. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 船舶司令官 佐伯文郎 「りすぼん丸沈没ニ関スル件報告」『昭和十七年 陸亜密大日記』56号2/3、JACAR Ref.C01000849600
  10. ^ a b c d 内海(2005年)、302-303頁。
  11. ^ a b c d e f g h りすぼん丸遭難俘虜ニ関スル抗議、画像38-44枚目;俘虜情報局 「特報一 俘虜輸送船“りすぼん丸”遭難ノ件」。
  12. ^ Banham (2006) , pp. 40-42.
  13. ^ a b Banham (2006) , p. 43.
  14. ^ a b 日本郵船(1971年)、127頁。
  15. ^ a b c d [日本郵船(1971年)、126頁。
  16. ^ Banham (2006) , p. 44.
  17. ^ a b c d Banham (2006) , p. 45.
  18. ^ a b Cressman, Robert, The Official Chronology of the U.S. Navy in World War II, Annapolis MD: Naval Institute Press, 1999, p. 257.
  19. ^ 『第十三砲艦隊戦時日誌』、画像10枚目。
  20. ^ Banham (2006) , p. 78.
  21. ^ a b c 土井全二郎 『撃沈された船員たちの記録―戦争の底辺で働いた輸送船の戦い』 光人社〈光人社NF文庫〉、2008年、206-208頁。
  22. ^ a b 『第十三砲艦隊戦時日誌』、画像14-15枚目。
  23. ^ 『第十三砲艦隊戦時日誌』、画像17枚目。
  24. ^ Banham (2006) , pp. 112-113.
  25. ^ 「日本郵船株式会社 100年史」p344,日本経営史硏究所
  26. ^ 陸軍運輸部残務整理部 『船舶輸送間に於ける遭難部隊資料(陸軍)』 JACAR Ref.C08050112600、画像24枚目。
  27. ^ Banham (2006) , p. 120.
  28. ^ Banham (2006) , p. 135.
  29. ^ 内海(2005年)、305頁。
  30. ^ 内海(2005年)、308頁。
  31. ^ 梶尾(2023年)、20-21頁。
  32. ^ 『自昭和十七年一月一日 至昭和十七年一月三十一日 特設病院船朝日丸戦時日誌』 JACAR Ref.C08030762900、画像11-12枚目。
  33. ^ 梶尾(2023年)、20-21頁。
  34. ^ 三輪(2007年)、238-241頁。
  35. ^ 『りすぼん丸遭難俘虜ニ関スル抗議』、画像4-5、14枚目。
  36. ^ 「りすぼん丸遭難俘虜ニ関スル抗議」、画像22-25枚目。
  37. ^ 「りすぼん丸遭難俘虜ニ関スル抗議」、画像33-34枚目。


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