不可抗力
不可抗力とは、不可抗力の意味
不可抗力とは、人の力では変えることのできない、あるいは防ぐことのできない大きな出来事のこと。一般的に良くない出来事や災いを指すことが多い。不可抗力によって起きる被害としては、具体的には天変地異などの災害や一方的に受ける事故が挙げられる。また、不可抗力は法律用語としても用いられ、これは当人が十分に注意して予防策を講じていてもその損害を防げないケースのことを指す。不可抗力の語の由来・語源
不可抗力とは「不可抗」と「力」が合わさってできた複合語であり、不可抗とは人が抗う・逆らうことのできないもののことを指す。また、ここでいう力は神や仏といった大きな存在によるものであるため、運命と似たような概念であると捉えることができる。なお、法律用語としての不可抗力はフランス語の「フォース・マジュール」の考え方に由来しており、防ぎきれなかった損害については債務不履行とするケースがこれにあたる。不可抗力の語の使い方(用法)、例文
- その火事はきっと不可抗力によるものだから、どうかあまり自分を責めないでほしい。
- 不可抗力によるトラブルが発生した場合を除いて、私は人との約束を破ったり嘘をついたりしたことがない。
- 電車が遅延したこと自体は不可抗力でも、すぐに遅刻の連絡を入れることはできたはずだから、これ以上の言い訳は認めない。
- 天気予報が外れたせいで傘を持ってこなかったので、帰宅時に雨に濡れてしまったのはもはや不可抗力だ。
不可抗力の類語と使い分け方方
不可抗力の類語として「不可避」が挙げられる。自力では避けることのできない、主にマイナスの出来事を意味する言葉である。ただし、不可抗力は予見できない出来事に対しても用いられる一方、「不可避」はあらかじめ起きることが分かっているものに対してのみ用いられる。そのため、不可抗力よりも用法が狭い語である。 「想定外の」も類語のひとつといえる。これは災害やトラブルを予想できなかった場合を指し、似たような使われ方をすることが多い。一方で、そのトラブルが実際に人の手で防げないものであるかどうかは問われない。また、不可抗力と違って良い出来事に対しても用いられることがある。 「宿命」は、定められた運命を指す言葉である。仏教用語に由来し、避けたり変えたりすることができない出来事のこと。「宿命」の宿は「前世からの」という意味を含んでいるため、不可抗力よりも宗教的・物語的な響きを持って使われる場合が多い。不可抗力の英語
不可抗力を英語で表現すると「an act of God」あるいは「an inevitable accident」となる。ふかこう‐りょく〔フカカウ‐〕【不可抗力】
不可抗力
【英】: force majeure, act of god
同義語: act of God フォース・マジュール
当事者の一切の注意や防止努力にもかかわらず、外部から発生して当事者の義務遂行を阻害する事実 。このような事態により義務が遂行できなかった場合は、義務不緩行の責任を免れると解されている。契約には一般にこのことを明示した不可抗力条項が書き込まれる。石油利権契約のような重要な契約には何が不可抗力であるかを列記するのが普通であるが、一般には次のような事態が含まれる。 (1) 地震、洪水、火災、嵐その他の天災、自然の災害 (2) 戦争、侵略、封鎖、その他の敵による武力行為 (3) 革命、反乱、騒乱 (4) ストライキ (5) 接収、徴発、禁止、規制などの政府の行為 (6) 伝染病 (7) その他 いずれの当事者も制御できない第三者の過失または不法行為。 産油国政府または国営会社が契約の相手方である場合に、上記 (5) の「政府の行為」が書き込まれないことがあるので注意を要する。 |

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