塙の天祭
名称: | 塙の天祭 |
ふりがな: | はなわのてんさい |
種別1: | 風俗習慣 |
保護団体名: | 塙天祭保存会 |
選択年月日: | 1982.12.21(昭和57.12.21) |
都道府県(列記): | 栃木県 |
市区町村(列記): | 那須烏山市大字三箇 |
代表都道府県: | 栃木県 |
備考: | 所在地が同一都道府県内のもの(このデータは種別1から移行しています) |
解説文: | 天念仏【てんねんぶつ】とか天祭と呼ばれる栃木県内に広く伝承をみている祭り行事の一つである。この行事内容は、主に田植前とか二百十日頃に日天、月天を中心として諸処の神仏を勧請し、風雨の順調、五穀豊穣などを祈るものである。 塙の天祭は、九月一日(以前は二百十日の日)を中心として三日間行われ、風祭りをして収穫が豊かになることを願うものである。八月三十一日、塙の松原寺の境内に天小屋(祭礼屋台風の二階建てのもの)を組み立てる。九月一日、朝、行人(白衣、宝冠姿の五人)は寺の前の川で(「水行場【みずぎようば】」という)水垢離をとり、神官、僧、行人は天棚(天小屋の二階)に登楼して祀りをする(祭壇には日天、月天が祀られ、出羽三山幣、五色の五行幣が立てられ、餅、神酒その他が供えられる。その前で神官は祝詞を唱え、僧は陀羅尼をよむ)。その後天小屋前に設けられた舞台(「太鼓場」という)で、腰に太鼓を吊した四人による奏打があり(「ぶっつけ」という)、この間天小屋の一階(ここを「千渡場【せんどば】」という)では梵天を肩にかついだ者が周囲をぐるぐるめぐる(これを「行道」といい、以下の次第の際も同様に行われる。この折の梵天かつぎは他村から婿入りした者の担当である)。この日の夜には太鼓場で賑やかに天祭踊りが踊られる(天祭踊りは若い衆が松原寺の方から繰り出して来て、綾竹や扇を様々に弄しながら踊るもので、唄や笛、太鼓の伴奏が付く)。九月二日は、天棚上での祭り(神送り)の後太鼓場にて太鼓打ちの奏打(「ぶっきり」という)があり、天小屋を解体する。 天念仏、天祭は囃子が付き、歌や踊りが付いて内容豊富な形に発達しているが、塙地区の当伝承は、それらの中で代表的なものであり、行人に選出される者は出羽三山詣を済ました者に限られているなど出羽三山信仰との結びつきが認められ、神仏習合の姿をよくとどめているなど民間信仰の面からも注目されるものである。 |
祭礼(信仰): | 土佐の茶堂の習俗 坂越の船祭り 城川遊子谷の神仏講の習俗 塙の天祭 大和の野神行事 大畑のからかさ万灯 安芸・備後の辻堂の習俗 |
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