大畑のからかさ万灯
名称: | 大畑のからかさ万灯 |
ふりがな: | おおばたけのからかさばんとう |
種別1: | 風俗習慣 |
保護団体名: | からかさ万灯保存会 |
選択年月日: | 1982.12.21(昭和57.12.21) |
都道府県(列記): | 茨城県 |
市区町村(列記): | 土浦市大字大畑 |
代表都道府県: | 茨城県 |
備考: | 所在地が同一都道府県内のもの(このデータは種別1から移行しています) |
解説文: | 例年八月十七日(以前は旧暦八月十七日)新治村大畑の鷲神社の境内で行われる祭礼行事。神社で雨乞いの祝詞等があり、境内に立てられたからかさの形の大万灯(高さ五メートル、傘の直径五メートル)に仕掛けられた花火が、一〇〇メートル遠方の鳥居のところから導火線(綱火【つなび】という)を伝って操作された火によって点火され、夜空に火のからかさ形を描き出す。 この行事については当地が畑作地帯にて降雨を願い豊作を祈るものとも、また、城の近くにあった遊廓が大火に会い、その折焼死した遊女を城主が供養するために始められたものともいわれる。江戸時代中期宝暦年中にはすでに万灯祭礼が行われていたという史料が残されている。 花火作りは各家々の長男によって秘伝として伝承されてきたものであり、今は煙火業者を指導する形で実施されているが、硝石、硫黄、鉄くず、桐炭、樟脳の調合の割合を変えて火花の様相を変える(からかさの部位によって違った色合いの火花が出る)。仕掛け花火が点火される前に″雨乞いばやし″″ひょっとこばやし″″きつねばやし″などのお囃子が奏される。近い頃まで流星【りゆうせい】という花火も行われていた。また近年まで日照り続きとなると一週間も雨乞い太鼓を叩き続けたという。 茨城県西部には仕掛け花火と人形戯が合体している「綱火」(筑波郡伊奈村ほか)が伝承されているなど、往時の仕掛け花火の盛んさをしのばせるが、このからかさ万灯も今日に残されたその貴重な伝承の一つであり、夏の火祭り、花火を用いての火の祭りの中で地方的特色を持ったものである。 |
祭礼(信仰): | 城川遊子谷の神仏講の習俗 塙の天祭 大和の野神行事 大畑のからかさ万灯 安芸・備後の辻堂の習俗 宍喰八坂神社の祗園祭 宮古のパーントゥ |
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