【Tu-144】(つぽれふいちよんよん)
ソ連のツポレフ設計局が開発した世界初の超音速旅客機(SST)。
1963年に開発が始まり、1968年12月に初飛行した。
NATOコードでは「チャージャー」。
機体は主にアルミ合金を使用し、主翼にはTsAGIの研究成果を取り入れた「オージー翼」が採用され、前縁後退角が外翼部に移るにしたがって緩やかに変化し、翼端部では丸みを帯びた形状になっている。
エンジンは、クズネツォフ設計局製のNK-144ターボファン4基を機体中央に備えていた。
改良量産型のTu-144Sでは、主翼をオージー翼からダブルデルタ翼に変更し、胴体を延長、機首に引き込み式の先尾翼が装備され、離着陸時の安定性を改善している。
エンジンもより推力が大きいNK-144Aターボファンに換装され、エンジン排気による機体後部の過熱や振動などの問題が改善するため、それぞれ2基1組に分けて配置された。
また、機体には高い圧力や熱、金属腐食の問題に対処するためチタニウム合金が広範囲に渡って用いられた。
更にその後作られた、性能向上型のTu-144DはエンジンをNK-144からコレゾフ設計局製のRD-36-51ターボジェットに換装して性能を向上している。
しかし、コンコルドと違い、超音速飛行時にもアフターバーナーを焚き続けなければなかったため、燃費は劣悪であった。
アエロフロートでは貨物機としても運行されたが程なくして中止され、最終時に16機が製造されるにとどまった。
スペックデータ
乗員 | 3名(機長・副操縦士・航空機関士) |
乗客 | 140名 |
全長 | 65.7m |
全高 | 12.85m |
全幅 | 28.8m |
翼幅 | 25.6m |
主翼面積 | 438.0㎡ |
空虚重量 | 91,800kg |
最大離陸重量 | 19,500kg |
エンジン | クズネツォフ NK-144低バイパス比ターボファン×4基 クズネツォフ NK-144Aターボファン×4基(Tu-144S) コレゾフ RD-36-51ターボジェット×4基(Tu-144D) クズネツォフ NK-321ターボファン×4基(Tu-144LL) |
推力 | 18,150kgf(A/B使用時) |
推力重量比 | 0.37 |
滑走距離 (離陸/着陸) | 1,900m/1,500m |
最大巡航速度 | M2.35(高度18,000m) |
航続距離 | 約6,500km(最大ペイロード時) |
実用上昇限度 | 20,000m |
派生型
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