食品添加物とは、食品の製造過程で添加される物質のことです。風味や色合いを良くするために使われる甘味料、着色料、香料、保存のために用いられる保存料や酸化防止剤、豆腐を固めるにがり(塩化マグネシウム)、その他乳化剤や増粘剤などがあり、化学的に合成されたものだけではなく天然の物質もあります。
食品添加物は、食品衛生法によりその定義や基準、規格、表示方法などが定められ、厚生労働大臣が定めたもの以外は原則として製造、輸入、使用、販売ができません。指定対象の中には指定添加物(ソルビン酸、キシリトールなど388品目)と既存添加物(クチナシ色素、柿タンニンなど418品目)があり(平成20年10月1日現在)、指定対象外で例外的に使用が認められるのは天然香料(バニラ香料、カニ香料など約600品目)と一般飲食物添加物(羊羹を固めるのに用いる寒天や着色のためのイチゴジュースなど、一般に飲食に供されるもので添加物として使用されるもの)だけです。食品に使用した添加物は原則としてすべて物質名、必要なら用途名を記載しなければなりません。また、その安全性については食品安全委員会で科学的データに基づいて審議されています。
しょくひん‐てんかぶつ【食品添加物】
食品添加物(しょくひんてんかぶつ)(food additives)
見栄えを良くしたり日保ちさせるなどの目的で、食品の製造・加工・保存のときに添加する物質の総称。天然のものから抽出する食品添加物のほか、人工的に化学合成されたものがある。
食品添加物の種類は豊富で、例えば、豆腐の製造に必要な凝固剤から、食品の栄養価を高めるビタミンCまで多岐にわたる。保存性の向上のために使われる保存料や酸化防止剤、見栄えを良くする着色料、風味を調整する甘味料や香料などは、普通のスーパーで売られている食品には必ずと言っていいほど含まれている。
事業者が食品添加物を使うには、食品衛生法に従わなければならない。すなわち、厚生労働省が安全性を確認した食品添加物でなければ、食品の製造や加工などの過程で使うことは禁止されている。違反すれば、3年以下の懲役または20万円以下の罰金が科せられる。
「ミスタードーナツ」は、2000年10月から12月の間に、食品衛生法で禁止されている酸化防止剤 (TBHQ) を使った肉まんを販売していた。しかし、この事実を公表せず、隠蔽しようとした疑いのあることから、大阪府警による捜査を受けた。
この事件をきっかけにして、無認可の添加物を使って製造・販売された食品をメーカーが店頭から回収するという事態が相次いだ。
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(2002.05.23更新)
食品添加物
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