『軍隊料理法』
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日清戦争や日露戦争で兵士の脚気に悩まされた帝国陸軍は兵食を含む糧食の向上に取り組んでいた。脚気が細菌による感染症などでなく、ビタミンB1つまりチアミンの欠乏であると明らかにされてから、陸軍糧秣本廠(陸軍省外局)は安価で栄養価に富み、調理も容易な料理レシピの開発を続けていた。 その様な状況で編纂され、明治末期の1910年(明治43年)の「明治43年陸普3134号」で制定されたレシピ集が『軍隊料理法』である。本書は近衛師団を筆頭に各師団の隷下部隊(歩兵連隊・騎兵連隊等)・ 各軍学校(陸軍士官学校等)・各陸軍病院・各陸軍衛戍監獄、および外地に駐留する台湾軍・韓国駐箚軍・関東軍・樺太守備隊といった軍隊ないし学校に配賦された。 計145ページの『軍隊料理法』の構成は、「第一章 調理ノ心得 第一節 鹽梅」(塩梅)にはじまり、「配合ト盛リ方」・「食ノ習慣」・「炊事用材料ノ取扱方」・「切方」・「串ノ刺方」・「煠方」(茹方)・「材料ノ使方」・「煮汁ノ使用法」の各節が続き、特に「切方」・「串ノ刺方」の節では詳細な絵図が用いられ初心者にも分かりやすく料理のイロハ・心得が詳述されている。「第二章 各種調理法」・「第三章 麭類」・「第四章 菓子類」で各レシピが列挙され、「第五章 戰用糧食品使用法」では野戦糧食について、「第六章 食品撰擇標準」(食品選択標準)では文字通り食材や調味料の目利きおよび燃料(薪・木炭・石炭)についての説明がある。
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