『資本論』の方法とは? わかりやすく解説

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『資本論』の方法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 04:04 UTC 版)

マルクス経済学」の記事における「『資本論』の方法」の解説

マルクスが『資本論』で用いた方法は、資本主義社会全体混沌とした表象念頭におき、分析と総合によって資本概念確定し豊かな表象分析しながら一歩一歩資本概念豊かにしていくことを通じて資本主義社会全体像概念的に再構成するという、分析と総合基礎とする弁証法的方法である。 「表象された具体的なものから、ますますより希薄な抽象的なものに進みついには、もっとも単純な規定にまで到達するであろう。そこから今度は、再び後戻りの旅が始まるはずであって最後に再び人口にまで到達するであろう。だが、次に到達するのは、全体混沌とした表象としての人口ではなく多くの諸規定と諸関連ともなった豊かな総体としての人口である」(マルクス経済学批判序説』)。 これがマルクスが『資本論』で用いた上昇下降といわれる方法ヘーゲル弁証法批判的継承とされているものの核心一つである。そして、その方法核心は、唯物論基礎とする分析と総合による対象概念的再構成である。 『資本論』のサブタイトルが「経済学批判」であるのは、当時主流であった古典派経済学とそれを受け継いだ経済学マルクスの謂いによれば俗流経済学」)への批判通じて自説打ち立てたからである。マルクスが『資本論』において、古典派批判したその中心点は、古典派資本主義社会歴史的性格を持つことを見ずに、「自然社会」と呼んであたかもそれを普遍的な社会体制あるかのように見なしたという点にある。すなわち、資本主義社会歴史のある時点必然的に生成し発展し、やがて次の社会制度へと発展的に解消されていく、という「歴史性」を見ていないという。 マルクスは、『資本論第1巻の「あとがき」において、このことをヘーゲル弁証法言及しながら、こう述べた。「その合理的な姿態では、弁証法は、ブルジョアジーやその空論代弁者たちにとっては、忌わしいものであり、恐ろしいものである。なぜなら、この弁証法は、現存するもの肯定的理解のうちに、同時にまた、その否定必然的没落理解含み、どの生成した形態をも運動の流れのなかで、したがってまたその経過的な側面からとらえ、なにものによっても威圧されることなくその本質上批判的であり革命的であるからである」。

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『資本論』の方法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/06 02:52 UTC 版)

資本論」の記事における「『資本論』の方法」の解説

マルクスが『資本論』で用いた方法は、資本主義社会全体混沌とした表象念頭に置き、分析と総合によって資本概念確定し豊かな表象分析しながら一歩一歩資本概念豊かにしていくことを通じて資本主義社会全体像概念的に再構成するという、分析と総合基礎とする弁証法的方法である。 「表象された具体的なものから、ますますより希薄な抽象的なものにすすみ、ついには、もっとも単純な規定にまで到達するであろう。そこからこんどは、ふたたびあともどりの旅が始まるはずであって最後に再び人口にまで到達するであろう。だがこんど到達するのは、全体混沌とした表象としての人口ではなく多くの諸規定と諸関連ともなった豊かな総体としての人口である」(マルクス経済学批判序説』)。 これがマルクスが『資本論』で用いた上昇下降と言われる方法ヘーゲル弁証法批判的継承とされているものの核心一つで、その方法核心は、唯物論基礎とする分析と総合による対象概念的再構成である。『資本論』のサブタイトルが「経済学批判」であるのは、当時主流であった古典派経済学とそれを受け継いだ経済学マルクスの謂いによれば俗流経済学」)への批判通じて自説打ち立てたからである。 マルクスが『資本論』において、古典派批判したその中心点は、古典派資本主義社会歴史的性格を持つことを見ずに、「自然社会」と呼んであたかもそれを普遍的な社会体制あるかのように見なしたという点にある。すなわち資本主義社会歴史のある時点必然的に生成し発展し、やがて次の社会制度へと発展的に解消されていく、という「歴史性」を見ていないというのだ。 マルクスは『資本論第1巻の「あとがき」において、このことをヘーゲル弁証法言及しながら、こう述べた。「その合理的な姿態では、弁証法は、ブルジョアジーやその空論代弁者たちにとっては、忌わしいものであり、恐ろしいものである。なぜなら、この弁証法は、現存するもの肯定的理解のうちに、同時にまた、その否定必然的没落理解含み、どの生成した形態をも運動の流れのなかで、したがってまたその経過的な側面からとらえ、なにものによっても威圧されることなくその本質上批判的であり革命的であるからである」。 こんにちマルクス経済学マルクス主義に対して賛否評価は様々であるが、資本主義経済システム何らかの法則有する認める人(あるいは、法則有するかもしれないと疑う人)にとって、その法則解明第一歩資本主義経済価値論(かならずしも資本論固有の価値論ではなくとも)の研究であり、つまりは資本論読解、これが必須の課題となる。

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