『貢の銭を探す聖ペトロ』
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「ヤーコブ・ヨルダーンス」の記事における「『貢の銭を探す聖ペトロ』」の解説
『貢の銭を探す聖ペトロ』はアムステルダムの武器商人ルイス・デ・ヘールの依頼で1623年ごろに描かれたとされている。『マタイによる福音書』の17章24節から27節の、神殿への税を支払うことが出来ないペトロに対しキリストが魚の口から銀貨を見つけるように説いたというエピソードを表現した作品で、一艘の小舟に多くの人々が乗り込んだ構成で描かれている。聖ペテロと使徒たちが画面右側に描かれ、ペテロが舟に引き上げられた魚を見下ろしている構図である。描かれている使徒たちはこの絵画を観るものを意識していないが、子供とともにいる女性や、オールを漕いでいる船乗りなど明らかに観るものの方に視線を向けている人物も描かれている。とはいえ、ほとんどの人物は、魚を探す者、船を操る者、目的地への到着を待ちわびる乗客など、自身の行動に没頭した様子で描かれている。ヨルダーンス自身の習作から様々な外観、表情の人物肖像が選択されて描かれているが、同じ人物肖像が他の作品にも描かれていることも多い。近年大規模かつ完全な画集が刊行される際に『聖ペテロ』の修復が行われ、この作品が様々な試行錯誤を繰り返しながら何層にもわたって描かれていることが明らかになった。
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