『マタイによる福音書』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 00:59 UTC 版)
「サロメ (ヘロディアの娘)」の記事における「『マタイによる福音書』」の解説
『マタイによる福音書』では以下のような記述がある。 1そのころ、領主ヘロデはイエスのうわさを聞いて、2家来に言った、「あれはバプテスマのヨハネだ。死人の中からよみがえったのだ。それで、あのような力が彼のうちに働いているのだ」。 3というのは、ヘロデは先に、自分の兄弟ピリポの妻ヘロデヤのことで、ヨハネを捕えて縛り、獄に入れていた。4すなわち、ヨハネはヘロデに、「その女をめとるのは、よろしくない」と言ったからである。5そこでヘロデはヨハネを殺そうと思ったが、群衆を恐れた。彼らがヨハネを預言者と認めていたからである。 6さてヘロデの誕生日の祝に、ヘロデヤの娘がその席上で舞をまい、ヘロデを喜ばせたので、7彼女の願うものは、なんでも与えようと、彼は誓って約束までした。8すると彼女は母にそそのかされて、「バプテスマのヨハネの首を盆に載せて、ここに持ってきていただきとうございます」と言った。9王は困ったが、いったん誓ったのと、また列座の人たちの手前、それを与えるように命じ、10人をつかわして、獄中でヨハネの首を切らせた。11その首は盆に載せて運ばれ、少女にわたされ、少女はそれを母のところに持って行った。 12それから、ヨハネの弟子たちがきて、死体を引き取って葬った。そして、イエスのところに行って報告した。 — マタイ 14:1-12 マタイはマルコのいささか冗長な文章を簡潔にしており、ギリシア語としても良質な記述である。ヘロデを四分封領主と訂正しているが、「フィリッボス」の誤りには気づいていない。なお、末尾でヨハネの弟子たちが「イエスに報告した」としているのは、マタイの編集句とされている。 以上を総合すると、マタイはこの記事では全面的に『マルコによる福音書』に依存しており、追加の伝承・資料を持っていなかったことは明白である。
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